大型株と全体のずれを週ごとに並べる
9 月から週次で書いてきた「指数と中央値のずれ」は、大半が日経平均の値がさ株によるもので、時価総額で重みを付けると平時の幅に収まる。10-02 の週は日経平均 +2.93% に対し、時価総額加重は -0.90%、中央値は -1.91%。時価総額加重と中央値の差は 1.01 ポイントで、144 週の真ん中あたりにすぎない。大型株が全体を引き離したのはむしろ 2026 年 4〜6 月で、13 週のうち 11 週で大型株が上回り、時価総額加重 +10.7% に対して等加重は -1.8% だった。7〜9 月は逆に全体が大型株を上回った。
週次レポートでは 4 週続けて「日経平均は上げたのに中央値は下げた」と書いてきた。このずれが 平時からどれだけあるのか、いまが珍しいのかを、2024 年 1 月からの 144 週で測った。
日経平均の値は手元に無いので、全銘柄の終値から時価総額加重の騰落を作り、中央値と並べる。 差がプラスなら大型株が全体より上げた週、マイナスなら下げた週になる。
直近のずれは日経平均の特性による
週次レポートに書いた日経平均の週間騰落と並べる。
| 週末 | 日経平均 | 時価総額加重 | 中央値 | 日経平均 − 中央値 | 時価総額加重 − 中央値 |
|---|---|---|---|---|---|
| 09-11 | -1.55% | -1.69% | -1.55% | 0.0 | -0.14 |
| 09-18 | +1.57% | +1.56% | +1.67% | -0.1 | -0.10 |
| 09-25 | +2.07% | +0.89% | +0.30% | 1.8 | 0.59 |
| 10-02 | +2.93% | -0.90% | -1.91% | 4.8 | 1.01 |
| 10-09 | +1.06% | +0.16% | -0.26% | 1.3 | 0.42 |
10-02 の週で見ると、日経平均と中央値の差 4.8 ポイントのうち、時価総額加重で説明できるのは 1.0 ポイントにとどまる。残る 3.8 ポイントは、日経平均と時価総額加重の差になる。日経平均は 1 株の値段で重みが決まり、アドバンテストのような値がさ株が数社上げるだけで大きく動く。 時価総額で重みを付けると、同じ週の大型株は全体よりやや上げた程度だった。
大型株全般が全体を引き離したのではなく、日経平均で重みの大きい数社が上げた。 週次レポート の「ずれ」は、この区別をしないまま書いていた。
平時の幅
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 週数 | 144 |
| 差の平均 | +0.40 ポイント |
| 差がプラスの週 | 60% |
| 差の絶対値の中央値 | 0.88 ポイント |
| 差の絶対値の 90% 点 | 2.34 ポイント |
差の絶対値は、半分の週で 0.88 ポイントを超える。10-09 の週の 0.42 は 144 週のうち 104 週を 下回り、10-02 の週の 1.01 も半分を少し超える程度になる。
差は平均でプラスに寄っている。144 週を通して積み上げると、時価総額加重は +69.3%、等加重は +47.5% になる。大型株が全体を上回る局面が長かった 2 年 9 か月だった。
差と、時価総額の上位 10 社の寄与との相関は 0.83。差が大きい週は、上位 10 社の動きでほぼ 決まっている。
四半期ごとの推移
| 四半期 | 週数 | 時価総額加重 | 等加重 | 差の平均 | 差がプラスの週 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2024 年 1〜3 月 | 12 | +15.0% | +9.8% | +0.84 | 9 |
| 2024 年 4〜6 月 | 13 | +0.6% | +0.4% | +0.21 | 8 |
| 2024 年 7〜9 月 | 13 | -1.9% | -2.8% | +0.32 | 7 |
| 2024 年 10〜12 月 | 14 | +1.1% | -0.0% | +0.30 | 7 |
| 2025 年 1〜3 月 | 12 | -1.1% | +3.7% | -0.11 | 6 |
| 2025 年 4〜6 月 | 13 | +3.5% | +5.2% | +0.31 | 8 |
| 2025 年 7〜9 月 | 13 | +11.8% | +13.2% | +0.28 | 7 |
| 2025 年 10〜12 月 | 14 | +6.9% | +0.5% | +0.61 | 9 |
| 2026 年 1〜3 月 | 12 | +6.9% | +5.0% | +0.55 | 8 |
| 2026 年 4〜6 月 | 13 | +10.7% | -1.8% | +1.23 | 11 |
| 2026 年 7〜9 月 | 13 | +2.7% | +9.2% | -0.23 | 5 |
| 2026 年 10 月〜 | 2 | -0.7% | -1.5% | +0.71 | 2 |
大型株が全体を最も引き離したのは 2026 年 4〜6 月になる。13 週のうち 11 週で差がプラスで、 時価総額加重 +10.7% に対して等加重は -1.8% と、向きまで逆だった。差がプラスの週は 06-05 の週 まで 12 週続いた。144 週で最も長い。
7〜9 月は反転し、等加重 +9.2% が時価総額加重 +2.7% を上回った。差のプラスは 13 週のうち 5 週 しかない。10 月に入って 2 週続けて差はプラスだが、幅は小さい。
差が大きかった週
差の絶対値が 90% 点 (2.34 ポイント) を超えたのは 15 週で、うち 12 週がプラスだった。上位を並べる。
| 週末 | 時価総額加重 | 中央値 | 差 | 上位 10 社の寄与 | 上昇した割合 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026-06-19 | +4.79% | +0.56% | +4.23 | +2.10 | 57.8% |
| 2024-01-12 | +4.17% | +0.78% | +3.40 | +1.10 | 62.1% |
| 2025-10-31 | +1.79% | -1.48% | +3.27 | +0.92 | 26.9% |
| 2026-07-17 | -3.59% | -0.75% | -2.84 | -1.90 | 37.0% |
| 2024-08-16 | +7.68% | +4.85% | +2.83 | +1.87 | 88.9% |
| 2024-02-16 | +2.48% | -0.29% | +2.77 | +0.73 | 44.4% |
| 2026-08-21 | -2.75% | 0.00% | -2.75 | -0.86 | 47.3% |
| 2024-07-26 | -5.35% | -2.62% | -2.73 | -1.46 | 15.0% |
2025-10-31 の週は時価総額加重が上げたのに、上げた銘柄は 27% しかない。10-02 の週の日経平均と 同じ形が、時価総額加重でも起きた週になる。どの銘柄が動かしたかは、まだ見ていない。
出し方
週次市況の出し方 v2 に従った。この回に固有の値だけ書く。
- 期間は 2024-01-05 の週末の終値から 2026-10-09 の週末の終値まで。144 週
- 母集団は 2026-10-14 時点で上場中の銘柄。各週 3,470〜3,670 銘柄
- 時価総額が作れない銘柄は各週 20〜30 あり、時価総額加重から外れる
- 四半期は週末の日で振り分けた。積み上げは週ごとの騰落を掛け合わせた値
- 日経平均の週間騰落は、各週の週次レポートに出典付きで書いた値を使った。09-18 と 10-02 の 中央値は、その週のレポートと小数点 2 桁目でずれる。母集団を作った時点の違いによる
未確定
- 日経平均と時価総額加重の差を、週ごとに測れていない。日経平均の構成銘柄と株価換算係数が 手元に無い。いまは記事から拾った週しか比べられない
- 2026 年 4〜6 月に大型株が全体を引き離した中身。上位 10 社の寄与で見るか、業種で見るか
- 2026 年 7〜9 月に全体が大型株を上回った理由。中小型の物色か、大型株の調整か
- 差の向きが、その後の数週の中央値や等加重のリターンを左右するか。いまは並べただけで、先行きとの 関係は測っていない
- 株式数を最新の 1 時点で固定している。2024 年の重みには、その後の増資や自社株買いが混ざる