週次市況の出し方 v2
v1 に、時価総額加重の騰落と中央値との差を週ごとに並べる系列を足す。大型株だけが動いた週を、日経平均の記事に頼らず測れるようにした。2026-10-14 のレポートから使用。
週次レポートの数字をどう出しているか。この版で出した数字は、この版の定義で読むこと。 定義が変わって数字が動くときは v3 を作る。古いレポートは前の版を指したままにする。
v1 からの変更
足したのは時価総額加重の騰落と、それを中央値と比べる週ごとの系列だけ。v1 で出していた 数字 (中央値、等加重、業種、売買代金) の定義は変えていない。
v1 では、指数と中央値のずれを日経平均の記事から拾って比べていた。週をまたいで並べられず、 遡ることもできなかった。日経平均は 1 株の値段で重みが決まるので、値がさ株の動きも混ざる。
指数は使わない
日経平均や TOPIX の指数値は使わず、東証の全銘柄の日々の終値から作る。業種の広がりは 等加重と中央値で見る。上位数十社に引きずられないため。
大型株の動きは、手元で作る時価総額加重の騰落で見る。指数の騰落に触れるときは必ず出典を付ける。
時価総額加重と中央値の差
| 項目 | 定義 |
|---|---|
| 週 | 月曜始まりの暦の週。週末の日は、その週の最後の営業日 |
| 週の騰落 | 前の週末の終値から当週末の終値までの変化 |
| 株式数 | 直近の決算短信の表紙にある、期末の発行済株式数から自己株式数を引いた数 |
| 時価総額 | 株式数 × 期末の終値を基準にし、以後は株式分割を調整した終値の比で動かす |
| 重み | 前の週末の時価総額 |
| 時価総額加重 | 重みを付けた騰落の平均 |
| 差 | 時価総額加重 − 中央値 (ポイント) |
| 上位 10 社の寄与 | 前の週末の時価総額の上位 10 社が、時価総額加重のうち何ポイントを作ったか |
差がプラスなら大型株が全体より上げた週、マイナスなら大型株が全体より下げた週になる。
時価総額を「株式数 × 調整後の終値」で作らないのは、株式分割で狂うため。決算短信の株式数は 分割前の数のまま残るので、分割後の値段と掛けると分割の倍率だけ小さく出る。2026-09-29 に 1 株を 5 株に分けた東京エレクトロンは、そのまま掛けると時価総額が 5 分の 1 になる。期末の 生の終値で基準を作り、調整後の終値の比で動かせば、分割をまたいでも狂わない。
株式数は最新の 1 時点を全期間に使う。期中の増資や自社株買いは重みに入らない。決算短信が 無い銘柄 (各週 20〜30 銘柄) は中央値には入り、時価総額加重からは外れる。
浮動株ではなく発行済株式数で重みを付けるので、TOPIX とは一致しない。2026-10-07 の 1 日で 照らすと、プライムの時価総額加重は -0.72%、TOPIX は -0.70% だった。照合したのはこの 1 日だけ。
系列の母集団は、作った時点で上場中の銘柄になる。途中で上場廃止になった銘柄は過去の週からも 落ちる。そのため、過去の週の中央値はその週に書いたレポートと小数点以下でずれることがある。
母集団
- 東証のプライム・スタンダード・グロースに上場中の内国株
- 起点と終点の両方の日に値が付いたもの
上場中の全銘柄には届かない。どちらかの日に値が付かなかった銘柄が落ちるため。2026-09-11 の 週では 3707 銘柄中 3632 が残った。
値の取り方
| 項目 | 定義 |
|---|---|
| 株価 | 日々の終値 (株式分割を調整した値) |
| 騰落率 | 起点の終値から終点の終値までの変化 |
| 中央値 | 銘柄ごとの騰落率の中央値 |
| 等加重 | 銘柄ごとの騰落率の単純平均 |
| 上昇した割合 | 騰落率がプラスの銘柄の比率 |
| 売買代金 | 出来高 × 終値。株数のまま足すと低位株に引きずられる |
| 業種 | 33 業種区分。20 銘柄未満の業種は外す |
| 出来高の基準 | 起点から 28 日遡った期間の日平均 |
中央値と等加重の両方を出すのは、差が開いたときに分かるようにするため。差が大きい区分は、 深く下げた少数の銘柄が平均を引っ張っている。
期間の決め方
起点と終点は暦ではなく、実際に取引のあった日で決める。祝日で狂うため。
原因の裏取り
数字は開示資料と東証の終値を正とする。Web は理由の裏取りにだけ使う。
まずその銘柄の決算短信を見る。決算で動いたならそれが答えになる。業務提携などの適時開示は 会社の IR ページや開示の一覧で別に確かめる。決算値は決算短信から取り、記事の数字を写さない。
記事は必ず開いて、日付と中身を確かめてからリンクする。裏が取れなければ断定せず「未確定」に 落とす。
手元の数字と記事が食い違ったら、その銘柄だけ開示資料や東証の終値と照合する。照合した範囲は 正確に書く。 1 銘柄を見たなら「この銘柄だけ」と書き、全体を確かめたように読める書き方をしない。
過去に踏んだ間違い
- 検索結果の要約は数字がずれる。 ソフトバンクグループの 2026-09-04 終値を「5,001 円」と する要約が出た。実際は 5,590 円だった
- 記事の配信時刻で値が違う。 2026-09-07 の記事は同社の終値を 6,052 円としているが、 12:37 配信の前場引けの値になる。大引けは 6,217 円で食い違いではない
- 出来高が少ない日は「動いていない」とは限らない。 ストップ高やストップ安に張り付くと 商いが細る。ティアフォーは 2026-08-31 に 194 万株で +20% 上げた
- 指数が上げた日に中央値が動いていないことがある。 2026-09-07 は日経平均が前場で 2% 以上 上げた一方、中央値は 0.00% だった。値がさ 2 銘柄が指数を押し上げただけだった
- 祝日のある週は売買代金の日平均が潰れる。 当週の合計を 5 固定で割っていた。 2026-09-25 の週は営業日が 2 日で、倍率が 0.4 倍前後に出た。当週の営業日数で割るように 直した。5 営業日の週は直す前と同じ数字になる
この版で出したレポート
- 2026-10-09 → 10-16 の市況 2026.10.17
- 大型株と全体のずれを週ごとに並べる 2026.10.14
- 2026-10-02 → 10-09 の市況 2026.10.14