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2026-10-09 → 10-16 の市況

日経平均は -5.37% 下げたのに、中央値は +0.07% で、上げた銘柄のほうが多い。プライムの中央値は +1.27% と上げている。下げたのは AI・半導体で、電気機器だけで時価総額加重の騰落を 1.82 ポイント押し下げた。全体の時価総額加重は -1.33% で、電気機器を除けばプラスになる。きっかけは 10-13 の中国メモリー大手の新製品方針と、10-15 の米 CPI の上振れ。銀行は 2 週続けて全業種で最も下げた。

3625 銘柄の中央値は +0.07%、上昇は 1826 銘柄で 50% になる。日経平均は 10-09 の 69,030.92 円から 10-16 の 65,324.29 円まで 3,707 円下げた。-5.37% になる。指数と中央値の 差は 5.4 ポイントで、前週の 1.3 ポイントから大きく開いた。

この週の要点は動画 (4 分 26 秒) でも見られる。日経平均5%安でも半分の銘柄は上昇 — YouTube けっさんノート

指数だけが下げた週

日 銘柄数 中央値 上昇 下落 日経平均
10-13 3632 +0.28% 2095 1291 -1.82%
10-14 3650 -0.17% 1386 1987 -0.05%
10-15 3664 -1.01% 897 2612 -4.90%
10-16 3659 +1.08% 2753 693 +1.39%

10-13 は日経平均が 1,253.40 円安 (-1.82%) の 67,777.52 円で引けた。中央値は +0.28% で、 2095 銘柄が上げた。 プライムに限ると中央値は +0.88%、値上がり 1,140、値下がり 380 になる。 売られたのは AI・半導体に偏り、銀行、商社、石油関連は上げた。

10-15 は全体が崩れた日で、日経平均は 3,318.34 円安 (-4.90%)、中央値も -1.01% と、上げたのは 897 銘柄にとどまる。ただし指数の下げ幅は中央値の 5 倍近い。10-16 は 7 営業日ぶりに反発し、 2753 銘柄が上げる全面高になった。

10-14 の日経平均の前日比は、10-15 の終値と前日比から逆算した。

時価総額加重で見ても大型株が下げた

週末 日経平均 時価総額加重 中央値 時価総額加重 − 中央値
10-02 +2.93% -0.90% -1.91% 1.01
10-09 +1.06% +0.16% -0.26% 0.42
10-16 -5.37% -1.33% +0.07% -1.39

今週の時価総額加重は -1.33% で、中央値との差は -1.39 ポイント。2024 年 1 月からの 145 週で 差の絶対値の中央値は 0.89 ポイント、90% 点は 2.33 ポイントなので、平時より大きいが外れ値では ない。当週と同じかそれ以上に開いた週は 42 ある。日経平均とのずれ 5.4 ポイントの大半は、 値がさの半導体株で重みが決まる日経平均の特性による。

ただ、時価総額加重の下げは 1 業種でほぼ説明できる。

業種 時価総額加重 全体への寄与
電気機器 -8.52% -1.82
非鉄金属 -12.46% -0.27
情報・通信業 -2.38% -0.21
機械 -2.93% -0.15
銀行業 -1.17% -0.12

電気機器の寄与 -1.82 ポイントは、全体の -1.33% より大きい。電気機器を除いた時価総額加重は およそ +0.6% と上げている。寄与の大きい銘柄は次のとおり。

コード 銘柄 週間 寄与
285A キオクシアホールディングス -23.6% -0.50
6857 アドバンテスト -17.0% -0.38
9984 ソフトバンクグループ -14.8% -0.36
8035 東京エレクトロン -14.6% -0.31
6981 村田製作所 -13.4% -0.14
5803 フジクラ -16.8% -0.11
7203 トヨタ自動車 +6.3% +0.16
9983 ファーストリテイリング +5.3% +0.09

区分

区分 銘柄数 中央値 等加重 上昇した割合 時価総額加重
プライム 1550 +1.27% +0.43% 66.5% -1.32%
スタンダード 1489 -0.24% -0.21% 41.3% -1.21%
グロース 586 -1.17% -1.44% 30.9% -2.35%

プライムは 3 分の 2 の銘柄が上げたのに、時価総額加重は -1.32% になる。区分のなかでの差は 2.6 ポイントで、全体よりさらに開いた。グロースは中央値でも時価総額加重でも最も弱い。 日ごとに見ると、グロースの中央値は 10-13 から 10-15 まで 3 日続けてマイナスだった。

業種

業種 銘柄数 中央値 上昇した割合
銀行業 79 -3.19% 8.9%
電気機器 220 -2.78% 27.3%
非鉄金属 32 -2.34% 25.0%
電気・ガス業 28 -1.09% 25.0%
ガラス・土石製品 48 -0.97% 37.5%

上位は鉄鋼 (+1.31%)、食料品 (+1.09%、上昇 74.2%)、卸売業 (+0.88%)、パルプ・紙 (+0.81%)。

電気機器と非鉄金属は 10-15 の 1 日で崩れた。中央値はそれぞれ -4.25%、-5.20% で、ほかの日は ±1.5% に収まる。

銀行業は 2 週続けて全業種で最も下げた。今週は 10-13 に上げ、10-14 と 10-15 に崩れた。

日 銀行業の中央値
10-13 +0.87%
10-14 -3.40%
10-15 -2.68%
10-16 +1.95%

売買代金

全体の日平均は 8.75 兆円で、前週の 8.17 兆円から戻した。10-12 (スポーツの日) が休みで、 営業日は 4 日。

区分 当週の日平均 直前 4 週比
プライム 8 兆 2,623 億円 1.03 倍
スタンダード 2,087 億円 0.98 倍
グロース 2,769 億円 1.07 倍

業種の倍率は小売業の 1.24 倍が最大で、1.5 倍を超えた業種は無い。

商いを膨らませた銘柄

当週の日平均売買代金が 200 億円を超えた銘柄のうち、直前 4 週比の大きい順に並べる。

コード 銘柄 業種 当週日平均 倍率 週間
4498 サイバートラスト 情報・通信業 261 億円 33.2 倍 +22.3%
6323 ローツェ 機械 365 億円 4.3 倍 -13.1%
4493 サイバーセキュリティクラウド 情報・通信業 347 億円 2.6 倍 +3.0%
7453 良品計画 小売業 269 億円 2.4 倍 +6.5%
6506 安川電機 電気機器 320 億円 2.0 倍 -8.5%
8267 イオン 小売業 274 億円 1.8 倍 -7.6%
6920 レーザーテック 電気機器 2,758 億円 1.6 倍 -15.2%
6857 アドバンテスト 電気機器 6,896 億円 1.6 倍 -17.0%
6963 ローム 電気機器 217 億円 1.4 倍 -15.9%
9104 商船三井 海運業 264 億円 1.4 倍 +0.7%

半導体は商いを膨らませて下げた。前週は同じ並びが 2〜15% 上げていた。プライムの下落の上位 6 銘柄は キオクシア (-23.6%)、日本マイクロニクス (-22.4%)、KOKUSAI ELECTRIC (-21.4%)、SUMCO (-21.1%)、 サムコ (-21.1%)、日置電機 (-20.9%) で、日置電機を除いて半導体の装置・材料・メモリーになる。

前週に急騰したセキュリティ株は、今週も一部が続いた。サイバートラストは 10-13 に +17.7%、 セキュアヴェイルは週間 +63.5% でスタンダードの上昇 5 位に入った。サイバーセキュリティクラウドは +3.0% で、勢いは止まった。

原因

AI・半導体 — 中国メモリーの新製品方針と、米 CPI の上振れ

10-13 は、3 連休中の米半導体株安と中東情勢の緊迫を受けて、AI・半導体関連が軒並み売られた。 中国の長鑫存儲技術 (CXMT) が次世代 DRAM の投入方針を示し、メモリーの競争激化が意識された。 キオクシアはこの日 17,505 円から 15,180 円 (-13.3%)、ソフトバンクグループは 5,803 円から 5,310 円 (-8.5%) まで下げた。10-10〜11 にはフーシ派がサウジアラビアのリヤド空港を攻撃し、 原油先物が 2 週間ぶりの高値を付けている。石油関連が上げたのはこのため。

10-15 は、9 月の米消費者物価指数が予想を上回って追加利上げの観測が強まり、米半導体株指数の 下げが国内に波及した。AI 関連企業の巨額投資と資金調達の負担への警戒も挙がっている。業種では 非鉄金属、電気機器、ガラス・土石製品が下げ、医薬品、不動産業、小売業は上げた。アドバンテストは この日 40,380 円から 34,340 円 (-15.0%)、キオクシアは 14,690 円から 12,880 円 (-12.3%) だった。 資金調達への警戒の中身は、米 AI クラウドのコアウィーブの社債が急落し、株価も 15% 超下げたこと。 同社への懸念がほかの AI 関連にも波及した。

10-16 は米国株の反発を受けて買い戻しが広がり、898.34 円高の 65,324.29 円で引けた。プライムの 83.2% が上げ、電気・ガス業を除く 32 業種が上げた。ただし半導体の戻りは小さく、アドバンテストは +0.6%、キオクシアは +3.8% にとどまる。前日に信用不安から急落した米 AI クラウドのコアウィーブが 反発したことも、買い戻しのきっかけに挙がっている。

半導体の戻りが小さかった — AI 投資の採算への警戒

10-16 に半導体株が戻したのは、前日の下げのごく一部だった。10-14 の終値と比べると、主な銘柄は まだ 5〜15% 下にある。

コード 銘柄 10-16 の騰落 10-14 の終値比
6857 アドバンテスト +0.6% -14.5%
5803 フジクラ -0.8% -13.4%
3436 SUMCO +1.9% -12.2%
6525 KOKUSAI ELECTRIC +2.8% -11.0%
285A キオクシアホールディングス +3.8% -9.0%
6920 レーザーテック +5.0% -9.2%
9984 ソフトバンクグループ +1.9% -7.6%
8035 東京エレクトロン +2.6% -5.4%

日経平均も、前日の下げ幅の約 27% を戻したにとどまる。日経半導体株指数は +2.14% だった。記事は、 AI インフラへの巨額投資が収益の拡大に結び付くかという課題を挙げ、コアウィーブの資金調達を巡る 不安が広がったとしている。採算への警戒が再燃すれば、買い戻しが一巡したあとの上値は重くなりかねない との見方も添えている。米 10 年債利回りは 5.1% 近辺に下がっており、金利は戻りの支えになっていた。

銀行 — 米大手金融機関の決算後の株安が波及

10-14 はメガバンク 3 社が日経平均に逆行して軟調だった。ゴールドマン・サックス、シティグループ、 ウェルズ・ファーゴなど米大手金融機関の決算発表後の株安が波及した。国内の 10 年債利回りは 前週から低下傾向にあるとされる。

10-15 の銀行業の中央値 -2.68% は、33 業種で 4 番目に大きい下げで、全体の中央値 -1.01% より深い。 地銀の下げが大手より大きかった。

コード 銘柄 10-15 の騰落
5831 しずおかフィナンシャルグループ -3.95%
8331 千葉銀行 -3.70%
8411 みずほフィナンシャルグループ -2.84%
8308 りそなホールディングス -2.78%
8306 三菱UFJフィナンシャル・グループ -1.98%
8316 三井住友フィナンシャルグループ -1.92%

この日の銀行に触れた記事は見つからなかった。同じ日の市況の記事は、米 CPI の上振れで月内の利上げの 可能性が高まったとしている。米国の利上げ観測は本来、金利の上昇を通じて銀行には追い風になる。 それでも下げた理由は分かっていない。

決算で動いた銘柄

今週は 2 月期・8 月期決算の会社の発表が重なった。

コード 銘柄 開示 内容 翌営業日
4714 リソー教育グループ 10-13 中間期の営業利益 16.6 億円、前年同期の 7.8 億円から 2.1 倍 +37.2%
3922 PR TIMES 10-14 中間期の営業利益 17.5 億円、前年同期の 18.9 億円から 7% 減 +21.9%
7453 良品計画 10-14 2026/8 期の営業利益 1,034 億円、前期の 738 億円から 40% 増 +9.5%
8267 イオン 10-13 中間期の営業利益 1,307 億円、前年同期の 1,181 億円から 11% 増 -6.2%

数字は各社の決算短信による。リソー教育はプライムの週間上昇 1 位 (+40.7%)。PR TIMES は減益で 上げ、イオンは増益で下げた。どちらも値動きの理由は本文に当たっていない。

クラスターテクノロジー — エプソンの第三者割当

週間 +188.1%、全銘柄で最も上げた。10-13 の場中に、セイコーエプソンとの資本業務提携を発表した。 エプソンが第三者割当で 99 万 6,677 株を 1 株 301 円 (総額約 3 億円) で引き受け、14.91% を持つ 筆頭株主になる。業務では、エプソン製品向け部品の長期安定供給の体制強化と、樹脂複合材料・成形 加工技術を使った共同開発を進める。

日 終値 出来高
10-09 302 7,700 株
10-13 382 3 万 1,900 株
10-14 462 2 万 2,400 株
10-15 730 395 万 7,900 株
10-16 870 410 万 400 株

10-13 と 10-14 はストップ高に張り付き、商いが細い。10-15 は前日比 +268 円と、通常の制限値幅 (80 円) を超えて引けた。値幅の上限が広げられた日で、出来高も前日の 176 倍に膨らんだ。払込価格 301 円は、発表前日の終値 302 円とほぼ同じ。株価は発表前の 2.9 倍になった。

ウインテスト — 海外の大手半導体企業と NDA

週間 +112.7%、全銘柄で 2 番目。10-15 に、半導体の前工程検査装置について、海外の大手 半導体関連企業と秘密保持契約を結び、装置の仕様と導入時期の協議を始めたと発表した。

日 終値 出来高
10-07 65 13 万株
10-08 78 2,081 万株
10-09 71 331 万株
10-13 78 436 万株
10-14 71 148 万株
10-15 101 882 万株
10-16 151 3,681 万株

10-15 と 10-16 は 2 日続けてストップ高で引けた。10-16 には新しい開示が見当たらず、NDA の材料が 続いたと読める。週の前から開示が続いていた。10-08 の場中には液体レンズの産業用製品への採用を 発表し、この日も +20% 上げている。10-13 の 15:10 にはシリコンキャパシター向けのウエハ検査装置の 販売開始を発表したが、翌 10-14 は 9% 下げた。株価は 100 円前後の低位株で、第三者割当の新株予約権の 行使が続いている。

出し方

週次市況の出し方 v2 に従った。この週に固有の値だけ書く。

  • 期間は 2026-10-09 の終値から 2026-10-16 の終値まで。10-12 (スポーツの日) をはさみ、営業日は 4 日
  • 母集団は 3625 銘柄
  • 業種は 20 銘柄以上の 26 業種が残った
  • 日経平均の終値と前日比は、上に挙げた記事から引いた。10-14 は逆算
  • 業種の寄与は、銘柄ごとの「前週末の時価総額 × 週間騰落」を業種で足し、全体の前週末の時価総額で割った
  • 電気機器を除いた時価総額加重は、全体と電気機器の寄与から逆算した概算

未確定

  • 10-15 に銀行業が -2.68% 下げた理由。全体より深く下げ、地銀ほど深い。米 CPI の上振れで利上げ観測が 強まった日で、金利の面では追い風のはずだった。銀行に触れた記事は 2 回探して見つからなかった
  • 10-16 に宝ホールディングスが +14.3% 上げた理由。決算短信は出ておらず、記事も本文に当たれなかった
  • PR TIMES が減益の決算で +21.9% 上げ、イオンが増益の決算で -6.2% 下げた理由。予想の修正や 還元策の有無を見ていない
  • クラスターテクノロジーの 10-15 の値幅の上限がいくらだったか。取引所の公表に当たれていない
  • ウインテストの NDA の相手と、導入先の工場。開示の本文に当たれていない
  • コアウィーブの資金調達の不安が、どこまで続くか。社債の急落がその後どう動いたかを見ていない
  • 13 日の CXMT の次世代 DRAM の方針が、キオクシアの下げにどれだけ効いたか。15 日以降は AI 投資の 採算の話に移っていて、メモリーの競争の話と切り分けられていない
  • 前週からの持ち越し: 10-08 に国内の長期金利が下がった理由。銀行の下げが 2 週続いており、今週の 記事も 10 年債利回りの低下傾向に触れている
  • 前週からの持ち越し: 地銀の下げが大手より深い理由。今週は確かめていない
  • 前週からの持ち越し: セキュリティ株の物色がどれだけ続くか。サイバーセキュリティクラウドは止まり、 サイバートラストとセキュアヴェイルに移った