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国産 AI ハードウェアの地図 — AI チップを国内で設計し、作り、つなぐ工程

AI の計算を国内で賄うには、チップの設計、最先端の前工程 (ラピダス)、後工程と基板、装置と検査、光でつなぐ部品が要る。成長戦略は「フィジカル・インテリジェント・システムの中核を担う半導体」で国内生産の半導体売上を 2030 年 15 兆円と置く。有報を横断すると、日本の上場企業が厚いのは後工程・基板と装置、光の部品で、チップを設計する側は薄い。設計の小型株 (メガチップス、DMP、ザイン) は足切りの営業赤字で落ち、残るのはソシオネクストと大手だけだった。推論に特化した PFN の MN-Core は非上場で、上場企業で有報に関係を書くのはさくらインターネットだけ。PFN の筋に乗るなら、ラピダスに出資・納入する材料と装置の会社になる。次に企業レポートにする候補は、ソシオネクスト、TOPPAN、精工技研。

問い

AI の学習と推論は NVIDIA の GPU に頼っている。先週の市況 では、 NVIDIA の CEO が「イビデンに頼るしかない」と言ったと報じられ、イビデンが週間 +19.4% 上げた。 逆向きに、日本の側で AI のハードウェアを作る動きはどこにあるか。チップを設計する会社、作る工場、 その周りの材料・装置・部品を、工程ごとに洗い出す。

とくに見たいのは推論に特化したチップの筋になる。Preferred Networks (PFN) が推論向けの 「MN-Core L1000」を開発中で、ラピダスとさくらインターネットと組んでいる。

成長戦略での位置

日本成長戦略 (2026-07-21) は、このテーマを 3 つの 項目で扱っている。

項目 何と書いているか 目標
フィジカル・インテリジェント・システムの中核を担う半導体 先端・次世代半導体に加え、センサーやマイコンも重要になる。必要なチップの機能から逆算して設計・製造し、システム全体を最適統合する能力 (System to Silicon) の確保が急務 国内生産の半導体売上を 2030 年 15 兆円、2040 年 40 兆円
クラウド・データセンター AI の普及で計算需要が増え、信頼できる国内供給の確保が重要。データセンターを支える先端技術の研究開発・生産基盤を整備する 国内クラウド市場を 2035 年までに 30 兆円
オール光ネットワーク AI でデータ量が急増し、光通信関連市場は 2030 年に約 53 兆円との予測。ハイパースケーラーの要求仕様を先読みした研究開発を支援する 光伝送装置で 2030 年に世界シェア 10%

施策には「最先端半導体の国内需要を創出する」「半導体設計開発支援の強化や設計人材の育成」とある。 国は製造だけでなく、設計する側を育てたいと書いている。

工程

AI チップが国内で動くまでを 6 つに割った。

工程 何をするか
設計 AI チップ、顧客ごとの専用チップ (カスタム SoC)、端末側で AI を動かすエッジ AI 半導体
前工程 最先端ロジックの製造。国内ではラピダスが 2nm を担う。材料、マスク、工場の建設を含む
後工程・基板 チップを積み重ね、つなぎ、パッケージ基板に載せる。HBM の積層、チップレット
装置・検査 前工程と後工程の製造装置、テスター、プローブカード
光 GPU やサーバーの間を電気でなく光でつなぐ。光電融合、CPO (Co-Packaged Optics)、シリコンフォトニクス
サーバー部品 AI サーバーの電源、コンデンサ、冷却

PFN の筋

PFN は非上場で、この地図の外にいる。ただ、推論向けのチップを国内で作る話として、筋を先に 押さえておく。

PFN の AI 半導体の事業ページ では、MN-Core L1000 は 「生成 AI の推論処理に特化」した開発中の製品になっている。メモリを三次元に積み、GPU の HBM より 広いメモリ帯域を確保して、既存のプロセッサーの最大 10 倍の速さを狙うとある。学習向けの MN-Core 2 は、サーバーと開発キットとしてすでに売っている。

2025-01-08 に、PFN、ラピダス、さくらインターネットの 3 社が 基本合意 を結んだ。PFN が MN-Core シリーズの最先端モデルを設計し、ラピダスが最先端ロジックと先端パッケージで 作り、さくらインターネットが省電力のデータセンターとクラウドで使う。時期は書かれていない。

上場企業の有報で PFN との関係を書いていたのは 3 社だった。ハードウェアの話はさくらインターネット だけで、ENEOS は素材探索の協業、ワコムは AI 技術のパートナーとしての記載になる。さくら インターネットは直近の通期が営業赤字で、下の足切りで落ちる。したがって上場企業で PFN の筋に 乗るなら、ラピダスに出資・納入する会社 (前工程の表) を経由することになる。

工程ごとの上場企業

各社の最新の有価証券報告書から、「事業の内容」と「事業の状況」に工程ごとの語が出る会社を 拾い、文を読んで工程に割った。時価総額は億円、高値比は直近の終値を 250 日の高値で割ったもの、 営業利益は直近 2 期の通期で億円。太字は下の足切りで落ちた数字。

設計

コード 銘柄 何を持っているか 時価総額 高値比 営業利益 前期 → 当期
6526 ソシオネクスト 顧客ごとのカスタム SoC を設計するファブレス。データセンターと AI アクセラレータを注力分野に置き、2nm・1.4nm、チップレット、CPO の開発に投資 3,933 64% 250.0 → 123.5
6702 富士通 2nm の CPU「FUJITSU-MONAKA」。富岳の次世代 (富岳 NEXT) の基本設計を受注。ラピダスに出資 69,877 87% 2,650.9 → 3,483.3
6723 ルネサスエレクトロニクス 「マイコンで AI」。AI アクセラレーションを載せたマイコン RA8P1 63,068 68% 2,229.8 → 2,011.7
9984 ソフトバンクグループ AI モデル、AI チップ、AI インフラ、フィジカル AI に投資。子会社 Arm が AI データセンター向け CPU を 2026 年 3 月に発表 350,484 71% —
3687 フィックスターズ 次世代 AI チップ向けの開発環境の研究開発と開発支援 717 61% 23.0 → 25.8
6875 メガチップス ASIC 事業を柱の一つに置く。AI は通信・画像向けの先端回路として触れる程度 1,668 85% 21.9 → -1.7
3652 ディジタルメディアプロフェッショナル エッジ AI 向け SoC「Di1」(2025 年 5 月発表)。AI プロセッサーの IP「ZIA」 97 81% 2.6 → -3.1
6769 ザインエレクトロニクス NPU 付きの LSI を載せたエッジ AI 機器の開発支援 135 96% 0.3 → -3.4

ソフトバンクグループは営業利益を開示していないので空けた。当期純利益は 11,533 → 50,023 億円。

前工程 (ラピダスとその周り)

コード 銘柄 ラピダスとの関係、何を持っているか 時価総額 高値比 営業利益 前期 → 当期
4901 富士フイルムホールディングス 2026 年 2 月にラピダスへ 50 億円を出資。半導体材料を供給し、次世代プロセスを共同で磨く 41,572 89% 3,301.6 → 3,502.1
5016 JX 金属 2026 年 2 月のラピダスの資金調達に参画して出資。スパッタリングターゲットを供給 32,924 62% 1,124.8 → 1,749.7
7912 大日本印刷 ラピダスへ出資 13,012 91% 936.1 → 1,010.4
429A テクセンドフォトマスク IBM と 2nm ロジック向けフォトマスクの共同開発 (2024 年 2 月から 5 年) 3,854 75% 282.0 → 275.3
4044 セントラル硝子 2nm 世代以降の GAA 構造向けのエッチングガス 1,149 99% 106.3 → 100.3
8012 長瀬産業 ラピダスの材料輸送の取りまとめ業者に選ばれた 4,831 93% 390.8 → 447.3
6383 ダイフク 2 ナノ向け工場への搬送システムの納入実績 20,404 72% 715.5 → 1,008.2
1969 高砂熱学工業 前期の完成工事高の 13.7% がラピダス向け 6,181 83% 324.2 → 477.5
1980 ダイダン 第 96 期の完成工事高の 10.1% がラピダス向け 3,810 80% 230.4 → 344.8
1812 鹿島建設 工事の一覧に「Rapidus 新工場 IIM-1」を挙げる 22,873 64% 1,518.8 → 2,407.8

ラピダス自身の発表と、経済産業省が公開した実施計画で、進み具合を確かめた。

  • 実施計画 (2025-11-21 公開) では、2027 年度後半に 2nm の量産を始め、その後 2〜3 年ごとに 1.4nm、1.0nm へ進む。営業キャッシュフローの黒字化は 2029 年度頃、フリーキャッシュフローの黒字化と 株式の上場は 2031 年度頃を目指す。最初の顧客は、AI データセンター向けのカスタム半導体を設計する ファブレス企業に置き、その後に自動車やロボットの端末向けへ広げる (EE Times Japan、2025-11-21)
  • 2026-02-27 に、国 (情報処理推進機構) から 1,000 億円、民間 32 社から 1,676 億円、合計 2,676 億円を 調達した。民間の出資者には、上の表の富士フイルム、JX 金属、大日本印刷、長瀬産業、富士通に加え、 トヨタ、ソニーグループ、NTT、ソフトバンク、キヤノン、京セラ、セイコーエプソン、NEC、デンソー、 ホンダ、キオクシア、古河電気工業、ウシオ電機、日本通運、能美防災などが並ぶ (ラピダスの発表)
  • 2026-06-05 に、情報処理推進機構から追加で 1,500 億円を調達した。資本金は資本準備金を含めて 4,249.5 億円になった (ラピダスの発表)
  • 2026 年度の計画 (2026-04-11 に NEDO が承認) は、顧客が設計に使う PDK を一般に公開すること、 後工程のパイロットラインを本格的に動かし、2.xD と 3D のパッケージの製造工程を検証すること。 2025 年度には、600mm 角のパネルで有機絶縁膜の RDL インターポーザを試作したとある (ラピダスの発表)

量産の目標は 2027 年度後半のまま動いていない。ただ、どの発表にも顧客の名前は出てこない。PFN との 基本合意が、公に確かめられる数少ない顧客候補になる。

後工程・基板

コード 銘柄 何を持っているか 時価総額 高値比 営業利益 前期 → 当期
4062 イビデン IC パッケージ基板。NVIDIA 向けが販売実績の 29.4% 65,190 88% 476.2 → 620.3
7911 TOPPAN ホールディングス パッケージ基板 FC-BGA で先端品の認定を複数取得。次世代のガラスコア基板とインターポーザ 13,866 84% 850.7 → 671.1
4004 レゾナック・ホールディングス AI 半導体向けの基板材料、絶縁接着フィルム、放熱シート。有機インターポーザ向けの感光性フィルム 27,075 77% 890.4 → 466.8
2802 味の素 パッケージ基板のビルドアップ層の絶縁材「ABF」 48,411 82% 1,139.7 → 1,994.1
4626 太陽ホールディングス パッケージ基板用の部材 (ソルダーレジストなど)。販売数量の増加で電子事業は +16.6% 5,319 78% 220.7 → 325.3
4966 上村工業 パッケージ基板向けのめっき薬品。生成 AI 用サーバー向けが好調 3,226 71% 188.3 → 213.3
4975 JCU パッケージ基板向けのめっき薬品 1,445 73% 105.1 → 121.6
6227 AI メカテック HBM のダイを積層するための仮貼り・剥離の装置 (TB/DB) 1,245 79% 21.0 → 58.1
6590 芝浦メカトロニクス 生成 AI 用 GPU の先端パッケージ向け装置。受注が大幅に増加 2,484 63% 141.4 → 152.6
6925 ウシオ電機 先端パッケージ基板向けの露光装置 (投影式、直描式) 3,202 83% 88.3 → 119.6
6338 タカトリ CoWoS とチップレットで要る高精度の貼り合わせ装置を開発予定 92 87% 27.9 → 8.2
6832 アオイ電子 パネルレベルパッケージ「FOLP」をチップレット集積向けに開発 277 79% 4.4 → 3.1
4971 メック コンピューター用パッケージ基板向けの薬品で高いシェア 1,229 58% 45.6 → 57.5
3110 日東紡績 パッケージ基板向けの低熱膨張ガラスクロス。AI サーバー向けで好調 1,085 47% 164.5 → 208.2
6278 ユニオンツール AI サーバー向けの基板に穴をあけるドリル 2,494 54% 68.8 → 87.3
6656 インスペック データセンター向けのパッケージ基板の検査装置 32 58% 1.1 → 1.1

装置・検査

コード 銘柄 何を持っているか 時価総額 高値比 営業利益 前期 → 当期
6857 アドバンテスト 半導体テスター。シリコンフォトニクス向けのテストで初受注 246,675 90% 2,281.6 → 4,991.2
8035 東京エレクトロン 前工程の製造装置。微細化と先端パッケージングの両方に製品を持つ 257,081 72% 6,973.2 → 6,249.4
6146 ディスコ 切る・削る・磨く装置。先端ロジックと HBM の投資が追い風 58,808 61% 1,668.3 → 1,849.9
7729 東京精密 HBM 向けのプローバと、AI パッケージング工程向けのグラインダ 7,174 84% 297.0 → 337.4
6871 日本マイクロニクス HBM 向けのメモリ用プローブカード 5,361 78% 125.7 → 165.4
7735 SCREEN ホールディングス 洗浄装置。先端パッケージを新規事業に置く 25,981 70% 1,356.8 → 1,225.2
6728 アルバック 成膜装置。先端ロジック、HBM、先端パッケージの投資が牽引 3,742 67% 265.2 → 196.0

光

コード 銘柄 何を持っているか 時価総額 高値比 営業利益 前期 → 当期
9432 NTT 光電融合の IOWN。GPU・ネットワーク・電力を最適化する「AIOWN」への転換 143,387 98% 16,495.7 → 17,062.2
6503 三菱電機 GPU パッケージ間の通信を光に置き換える光電融合の研究開発 107,213 80% 3,918.5 → 4,331.0
5803 フジクラ CPO 向けの光ファイバ技術。マルチコア、ホローコアで細く低損失に。本業はデータセンター向けの光配線 82,551 63% 1,355.2 → 1,887.1
5802 住友電気工業 データセンター向けの大容量・高密度の光配線製品 17,244 63% 3,206.6 → 4,181.7
5801 古河電気工業 CPO (光電融合) に先行して取り組む 2,692 64% 470.3 → 638.6
6703 沖電気工業 シリコンフォトニクスと光ファイバー部品で光電融合市場に参入。AI 半導体の検査装置向けの 124 層基板 2,407 72% 186.3 → 188.4
4980 デクセリアルズ 光半導体と光トランシーバー関連製品 5,158 61% 397.4 → 381.0
6777 santec Holdings シリコンフォトニクスと CPO 向けの測定器 2,572 66% 74.3 → 103.3
6834 精工技研 CPO 関連の技術開発 544 86% 28.2 → 77.3
6524 湖北工業 光電融合向けの PLZT 光デバイスを開発 1,386 76% 39.4 → 46.2
6754 アンリツ 800G・1.6T の光トランシーバー向けの測定器 4,352 71% 121.2 → 148.3
6890 フェローテック 光トランシーバー内の熱対策にサーモモジュール 4,984 92% 240.9 → 275.6
6235 オプトラン 光学薄膜の装置。シリコンフォトニクスの売上比率 20% 以上を目標に置く 1,020 53% 65.7 → 33.3
6961 エンプラス 光トランシーバー用のレンズ 894 56% 52.9 → 61.6
6613 QD レーザ シリコンフォトニクス用の量子ドットレーザ 939 68% -4.5 → -3.3

サーバー部品

AI サーバーの需要を有報で挙げる電子部品の会社は多い。チップではないので表にせず、目立った ものだけ並べる。ニデック (6594) は AI サーバー向けの水冷モジュールを成長事業に置く。村田製作所 (6981)、ニチコン (6996)、日本ケミコン (6997) はコンデンサ、ローム (6963) は AI サーバー市場向けの 組織を作った。ミネベアミツミ (6479) は冷却ファン用の軸受。ニチコンと日本ケミコンは高値比、 ロームは 2 期続けての最終赤字で、下の足切りにかかる。

足切り

プライベートなナレッジ基盤の地図 と同じ線を使った。

  • 高値比が 60% 未満 (250 日の高値から 4 割以上下げている)
  • 直近の通期が営業赤字、または 2 期続けて最終赤字

60% の線は、今回も置いたもの。検証してはいない。

表の中で落ちたのは 10 社。メガチップス、ディジタルメディアプロフェッショナル、ザインエレクトロニクス、 メック、日東紡績、ユニオンツール、インスペック、オプトラン、エンプラス、QD レーザ。PFN の節で 触れたさくらインターネットも営業赤字で落ちる。表の太字が落ちた理由になる。

読み

日本が厚いのは、チップの周りであってチップそのものではない。 後工程・基板と光の表にはそれぞれ 15 社以上が並び、装置・検査を合わせて多くが足切りを通った。一方で設計の表は 8 社で、AI 向けのチップを 本業にしているのはソシオネクストくらいだった。成長戦略が「設計人材の育成」を施策に入れて いるのは、この薄さの裏返しに見える。

設計の小型株は、そろって赤字で落ちた。 メガチップス、DMP、ザインは、エッジ AI 向けの SoC や IP を持つ。ただ、直近の通期はどれも営業赤字だった。ソシオネクストも営業利益が 250 → 124 億円と 半分になり、高値比は 64% で線の近くにいる。カスタム SoC は開発費が先に出て、量産の売上が後から 来る。いまはその谷にいる可能性がある。

PFN の筋に上場企業で乗るなら、ラピダスの出資者と納入先になる。 富士フイルム、JX 金属、 大日本印刷、富士通が出資し、テクセンドフォトマスクとセントラル硝子が 2nm 向けの材料を持つ。 高砂熱学工業とダイダンは、ラピダスの工場だけで完成工事高の 1 割を超えた年がある。ただ、どれも ラピダス向けは事業の一部で、PFN のチップが量産されるかどうかで業績が大きく動く会社ではない。 出資者の顔ぶれは、自動車、電機、通信、銀行まで 32 社に広がった。国産の最先端ロジックは、特定の 業界ではなく日本の産業界全体で支える形になっている。

推論向けチップの差は、メモリとの距離で決まりつつある。 MN-Core L1000 はメモリを三次元に 積んで帯域を稼ぐ。後工程の表に並ぶ HBM の積層装置 (AI メカテック)、チップレットの貼り合わせ (タカトリ)、ガラスコア基板 (TOPPAN) は、NVIDIA 向けでも PFN 向けでも要る。どのチップが勝っても 売れる側という意味で、後工程は設計より賭けが小さい。

光は、次の世代の本命で、まだ研究開発の段階にある。 GPU の間を光でつなぐ CPO に、NTT、 三菱電機、フジクラ、古河電工、沖、精工技研が取り組んでいる。有報の書きぶりは「研究開発を進める」 「先行的な取り組み」が多く、売上に効いているのは光トランシーバー向けの部品 (フェローテック、 アンリツ、エンプラス) のほうだった。

次に企業レポートにする候補

足切りを通り、工程の中で事業の純度が高い会社から 3 つ選んだ。

コード 銘柄 工程 選んだ理由
6526 ソシオネクスト 設計 AI 向けチップを設計する側で唯一足切りを通った。減益の谷がどこで終わるかを見たい
7911 TOPPAN ホールディングス 後工程・基板 イビデンの次の基板メーカー。ガラスコアで次の世代を取りにいく
6834 精工技研 光 時価総額 544 億円で CPO に取り組む小型株。営業利益が 28 → 77 億円に伸びた

出し方

  • 母集団は、2025-06-01 以降に提出された各社の最新の有価証券報告書 3,932 社。「企業の概況」と 「事業の状況」の本文を読み、工程ごとの語 (AI チップ、AI 半導体、NPU、カスタム SoC、ASIC、 エッジ AI、2nm、ラピダス、ファウンドリ、チップレット、パッケージ基板、HBM、CoWoS、光電融合、 CPO、シリコンフォトニクス、IOWN、AI サーバー、液冷、Preferred Networks、MN-Core など) の 出現を数えた。何か 1 つでも出たのは 301 社
  • 出た工程の数と回数で並べ、上位からおよそ 100 社の文を読んで、提供する側かどうかを判断した。 語が別の意味で出た会社 (広告の CPO、子会社名の NPU など) と、市況の説明に語が出ただけの会社は 外した。読んでいない会社がある
  • 時価総額は 2026-09-25 の終値と、直近の通期の決算短信の表紙にある期末の発行済株式数 (自己株式を 除く) から出した。高値比は東証の日々の終値 (株式分割を調整した値) で、直近 250 日の高値に対する比
  • 営業利益は有価証券報告書と決算短信の通期の実績。決算期は会社ごとに違う
  • 成長戦略の項目は、内閣官房の日本成長戦略 (2026-07-21) の本文「フィジカル・インテリジェント・ システムの中核を担う半導体」「クラウド・データセンター、蓄電池」「オール光ネットワーク」から引いた
  • PFN の製品は、PFN の AI 半導体の事業ページと 2025-01-08 のプレスリリースを 2026-09-27 に読んだ

未確定

  • MN-Core L1000 の量産の時期と、どこで作るか。 事業ページは「開発中」で、ラピダスとの基本合意 にも時期が無い。PFN がサムスンの 2nm も使うという報道や、2028〜2030 年の上場を目指すという報道が あるが、一次資料に当たっていない
  • ラピダスの顧客。 実施計画は AI データセンター向けのファブレスを最初の客に置くが、確定した 顧客の名前は発表に無い。Broadcom へのサンプル供給や Tenstorrent との協業の報道は、一次資料に 当たっていない
  • ラピダスの PDK が 2026 年度中に一般公開されたか。2026-09-27 時点の発表では確かめていない
  • ソニー、キオクシア、NEC の AI ハードウェア。 ソニーの AI 処理を載せたイメージセンサー、 キオクシアの AI サーバー向け SSD、NEC のサーバーは、今回の語では拾えなかったか、文を読んで いない。キオクシアはプライベートなナレッジ基盤の地図で、高値比 51% で落ちている
  • 新光電気工業 (パッケージ基板) は非上場化していて、この地図の外にある。富士通の有報に株式売却の 記載がある
  • 工程ごとの売上の規模。AI 向けの売上をセグメントで分けている会社はほとんど無く、純度は有報の 書きぶりから判断した
  • 足切りの線 (高値比 60%) を検証していない

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