ROEとは?計算式・目安・ROAとの違いをわかりやすく解説
ROE(Return on Equity)は、株主が投じた資本に対してどれだけの利益を生み出したかを示す指標です。日本では「自己資本利益率」と訳されます。
ROEの計算式
ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本(平均)× 100自己資本は当期末と前期末の平均値を使います。たとえば純利益 50億円、平均自己資本 500億円の企業なら ROE = 10% です。
決算ノートでは、ROEをさらに3つの要素に分解して表示しています。
ROE = 純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジこの分解により、「なぜ ROE が高いのか・低いのか」の構造がわかります(詳しくはデュポン分析の読み方)。
ROEの目安
| 水準 | 評価 |
|---|---|
| 5%未満 | 低い。資本コストを下回っている可能性 |
| 5〜10% | 平均的 |
| 10〜20% | 良好。優良企業の水準 |
| 20%超 | 非常に高い。ただし財務レバレッジによる水増しに注意 |
日本企業の ROE は長年「低すぎる」と指摘されてきましたが、東証による資本効率改善要請もあり 2023年以降は改善傾向にあります。
ROEが高い理由を3つのパターンで見る
同じ ROE 20% でも、稼ぎ方はまったく異なる場合があります。
| パターン | 特徴 | 業種例 |
|---|---|---|
| 高純利益率型 | 価格支配力が高く、利益率で稼ぐ | 製薬・ソフトウェア |
| 高回転率型 | 薄利多売。資産を素早く回転させる | 小売・商社 |
| 高レバレッジ型 | 借入を使って自己資本を増幅する | 銀行・不動産 |
レバレッジ型は ROE が高くても財務リスクを伴うため、自己資本比率も合わせて確認することが重要です。
ROEとROAの違い
| 指標 | 分母 | 特徴 |
|---|---|---|
| ROE | 自己資本 | 株主視点の収益効率。レバレッジの影響を受ける |
| ROA | 総資産(平均) | 財務戦略に左右されない本業の資産効率 |
ROE は財務レバレッジで高められるため、借入が多い企業では ROE だけを見ると実力を過大評価してしまうことがあります。ROA と合わせて見ることで、より正確な収益力の評価ができます。
ROEとROICの違い
ROE は株主資本のみを対象としますが、ROIC は有利子負債を含む「投じた全資本」に対する収益率です。資本コスト(WACC)と比較するうえでは ROIC の方が適しています。