PER・PBRとは?割安株の見つけ方と注意点を解説

PER と PBR は株価の割高・割安を測るバリュエーション指標の代表格です。株価そのものは企業間で比較できませんが、これらの指標を使うことで「市場が企業をどう評価しているか」を比較できます。


PER(株価収益率)

PER = 株価 ÷ EPS(1株当たり利益)

現在の株価が1株当たり利益の何倍かを示します。「今の利益水準が続いた場合、何年で投資回収できるか」という目安とも解釈できます。

目安

水準一般的な解釈
10倍未満割安の可能性。ただし業績悪化懸念が織り込まれている場合も
10〜15倍成熟企業の平均的な水準
15〜25倍やや割高〜適正。安定成長企業の水準
25〜50倍高い成長期待が反映されている
50倍超非常に高い成長期待。グロース株に多い

PERの注意点

  • PER は利益が黒字でないと計算できません。赤字企業には使えません
  • 業種によって「適正」な水準が大きく異なります(成熟製造業 vs ソフトウェア等)
  • 成長性の高い企業は高 PER になりやすいです。PER だけで割安・割高を判断するのは危険です
  • 一時的な利益の増減が EPS に影響すると、PER も歪みます

PBR(株価純資産倍率)

PBR = 株価 ÷ BPS(1株当たり純資産)

現在の株価が1株当たり純資産の何倍かを示します。理論上、PBR が1倍を下回ると「今すぐ解散して資産を分配した方が株主に有利」という状態です。

決算ノートでは有報の数値から次の式で PBR を算出しています。

PBR = PER × EPS ÷ BPS

目安

水準一般的な解釈
1倍未満理論上は割安。ただし「低 PBR ≠ 買い」に注意
1〜2倍平均的な水準
2〜5倍ブランド・技術等の無形資産価値が評価されている
5倍超高い成長期待または強いブランド力

PBR 1倍割れの問題

東証は2023年から「PBR 1倍割れ企業への改善要請」を続けています。PBR 1倍割れは資本効率の低さを示すとされ、自己株買い・増配・ROE改善などの対策が求められています。

PBRの注意点

  • 純資産は帳簿上の価値であり、ブランド・特許・人材などの無形資産が反映されにくいです
  • 設備・土地が多い業種(製造業・不動産)は純資産が大きく PBR が低めに出やすい
  • ソフトウェア・サービス業は有形資産が少なく PBR が高くなりやすい

PERとPBRの関係

PBR = PER × ROE / 100

PBR は PER と ROE の積で表せます。つまり高 ROE の企業は PBR も高くなりやすいという構造があります。

ケース意味
高 PER × 高 PBR高成長 × 高収益の優良企業として市場が評価
低 PER × 低 PBR低成長・低収益。または市場が何らかの懸念を持っている
高 PER × 低 PBR今期利益は少ないが将来期待が高い(赤字成長企業等)
低 PER × 高 PBR今期利益は多いが純資産が少ない(ファブレス・サービス系)

決算ノートでバリュエーションを確認する

  • 割安ランキング:PER・PBR で割安な企業を一覧できます
  • デュポン分析マップ:散布図の各ポイントが PER または PBR で色分けされており、収益性と割安度を同時に確認できます
  • 企業詳細ページ:過去のPER・PBR水準も含めて確認できます