総資産回転率・投下資本回転率とは?計算式と読み方を解説
効率性指標は、企業が保有する資産や資本をどれだけ効率よく使って売上を生み出しているかを測ります。代表的な指標として総資産回転率と投下資本回転率があります。
総資産回転率
総資産回転率 = 売上高 ÷ 総資産(平均)総資産は当期末と前期末の平均値を使います。単位は「回」で、1年間に総資産が何回分の売上を生み出したかを示します。
目安
| 水準 | 評価 |
|---|---|
| 0.5回未満 | 低い。資産集約的な業種に多い |
| 0.5〜1.0回 | 平均的 |
| 1.0〜2.0回 | 良好 |
| 2.0回超 | 高い。資産が軽いビジネスモデル |
業種ごとの特徴
| 業種 | 傾向 | 理由 |
|---|---|---|
| 小売・商社・食品 | 高め | 棚卸資産の回転が速い |
| 不動産・電力・鉄道 | 低め | 固定資産が重く、売上に対して資産規模が大きい |
| ソフトウェア・サービス | 中〜高め | 有形資産が少ない |
総資産回転率は同業他社との比較が重要です。業種が異なると構造的な差があるため、そのまま横比較はできません。
ROAとの関係
ROA = 営業利益率 × 総資産回転率ROA が低い原因を「利益率の問題か、回転率の問題か」を切り分けるのに使います。利益率が高くても回転率が低ければ ROA は上がらず、逆もしかりです。
投下資本回転率
投下資本回転率 = 売上高 ÷ 投下資本- 投下資本 = 自己資本 + 有利子負債(期末時点)
総資産回転率との違いは、分母が「現金・遊休資産を含む全資産」ではなく「事業に投じた資本のみ」という点です。本業に使っている資本の効率を、より純粋に測れます。
ROICとの関係
ROIC = 税引後営業利益率 × 投下資本回転率投下資本回転率は ROIC の分解要素です。ROIC が低い場合、利益率の問題か回転率の問題かを特定するのに役立ちます。
2つの回転率の使い分け
| 指標 | 分母 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| 総資産回転率 | 総資産(平均) | 資産全体の活用効率を見る。ROA分解に使う |
| 投下資本回転率 | 投下資本(期末) | 事業に投じた資本の効率を見る。ROIC分解に使う |