企業解説
1. 企業概要
株式会社奥村組は、1907年創業の準大手ゼネコンです。トンネル工事の「シールド工法」に強みを持つ土木事業、免震技術を核とした建築事業、そして不動産開発や再生可能エネルギー発電を行う投資開発事業を3つの柱としています。主要顧客は国土交通省などの官公庁から民間企業まで幅広く、国内を主戦場としています。競合環境としては、資材高騰や労務費上昇といったコストプッシュ圧力、および技能労働者不足による施工能力の制約が業界全体の共通課題となっています。
2. 要点(3行)
- 利益の激減と巨額減損: 売上高は2,982億円(前期比3.5%増)と堅調だったが、土木事業の採算悪化とバイオマス発電所の爆発事故に伴う減損損失132億円計上により、純利益は27億円(同78.2%減)に沈んだ。
- 不適切会計の発覚: 受注工事間での原価付替えという不適切な原価管理が判明し、ガバナンスと内部統制に対する市場の信頼が揺らいでいる(財務的影響は軽微)。
- 還元姿勢の強化で株価下支え: 業績不振の中でも年間配当216円(配当性向292.1%)を維持し、次期中計では連結配当性向70%以上という極めて高い還元方針を打ち出した。
3. 業績・収益性のトレンド
売上高は2,982億円(前年同期比3.5%増)と増収を確保しましたが、利益面は極めて厳しい結果となりました。
- 営業利益: 97億円(同29.0%減)
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プランをアップグレード業績チャート
成長性の軌跡
● 売上高(棒、左軸) ● 当期純利益(折れ線、左軸) ● 経常利益率(折れ線、右軸)
資本効率の解剖
ROE
デュポン分解(ROE = 純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ)
還元と評価
■ EPS 1株当たり純利益(棒・左軸) ■ DPS 1株当たり配当(棒・左軸) ● PBR 株価純資産倍率(折れ線・右軸) DPS÷EPS=配当性向
キャッシュフローの質
■ 営業CF(棒・正側) ■ 投資CF(棒・負側) ■ 財務CF(棒・負側に積み上げ) ● 当期純利益(折れ線)
財務諸表
経営指標
| 項目 | 2021年03月期 | 2022年03月期 | 2023年03月期 | 2024年03月期 | 2025年03月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 連結経営指標等 | |||||
| 売上高 | 2207.1億円 | 2424.6億円 | 2494.4億円 | 2881.5億円 | 2982.2億円 |
| 経常利益又は経常損失(△) | 147.8億円 | 140.1億円 | 129.1億円 | 148.8億円 | 89.3億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△) | 102.8億円 | 125.4億円 | 112.6億円 | 124.9億円 | 27.2億円 |
| 包括利益 | 167.2億円 | 85.8億円 | 113.4億円 | 269.0億円 | -63.7億円 |
| 純資産額 | 1679.6億円 | 1674.3億円 | 1732.2億円 | 1915.7億円 | 1724.5億円 |
| 総資産額 | 3290.1億円 | 3323.5億円 | 3437.3億円 | 3847.5億円 | 3934.7億円 |
| 1株当たり純資産額 | 4,471.4円/株 | 4,540.26円/株 | 4,673.68円/株 | 5,123.61円/株 | 4,894.08円/株 |
| 1株当たり当期純利益又は当期純損失(△) | 271.89円/株 | 334.1円/株 | 306.07円/株 | 339.3円/株 | 74円/株 |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | — | — | — | — | — |
| 自己資本比率 | 51.4% | 50.2% | 50.0% | 49.0% | 45.1% |
| 自己資本利益率 | 6.3% | 7.5% | 6.6% | 6.9% | 1.5% |
| 株価収益率 | 1080.0% | 890.0% | 1020.0% | 1500.0% | 5740.0% |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 0.2億円 | 182.9億円 | 179.0億円 | -171.4億円 | -118.3億円 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | -89.6億円 | -27.5億円 | 7.7億円 | 14.6億円 | -14.9億円 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 17.2億円 | -42.1億円 | -15.7億円 | -43.0億円 | 120.7億円 |
| 現金及び現金同等物の残高 | 201.3億円 | 316.2億円 | 487.9億円 | 289.2億円 | 274.4億円 |
| 従業員数 | 213800.0% | 219400.0% | 228100.0% | 234400.0% | 250500.0% |
| 平均臨時雇用人員 | 46900.0% | 43600.0% | 40400.0% | 39700.0% | 30400.0% |
貸借対照表
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 貸借対照表 | ||
| 資産の部 | ||
| ▶ 流動資産 | 2204.2億円 | 2411.3億円 |
| ▶ 固定資産 | 1643.3億円 | 1523.3億円 |
| 資産 | 3847.5億円 | 3934.7億円 |
| 負債の部 | ||
| ▶ 流動負債 | 1463.7億円 | 1749.7億円 |
| ▶ 固定負債 | 468.1億円 | 460.4億円 |
| 負債 | 1931.8億円 | 2210.1億円 |
| 純資産の部 | ||
| ▶ 株主資本 | 1486.7億円 | 1386.5億円 |
| ▶ 評価・換算差額等 | 400.2億円 | 386.3億円 |
| 非支配株主持分 | 28.8億円 | -48.3億円 |
| 純資産 | 1915.7億円 | 1724.5億円 |
| 負債純資産 | 3847.5億円 | 3934.7億円 |
損益計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 損益計算書 | ||
| ▶ 売上高 | 2881.5億円 | 2982.2億円 |
| ▶ 売上原価 | 2529.5億円 | 2665.3億円 |
| 売上総利益 | ||
| 販売費及び一般管理費 | 214.8億円 | 219.6億円 |
| 営業利益又は営業損失(△) | 137.1億円 | 97.3億円 |
| ▶ 営業外収益 | 18.9億円 | 17.6億円 |
| ▶ 営業外費用 | 7.2億円 | 25.6億円 |
| 経常利益又は経常損失(△) | 148.8億円 | 89.3億円 |
| ▶ 特別利益 | 39.1億円 | 36.2億円 |
| ▶ 特別損失 | 6.2億円 | 139.8億円 |
| 税引前当期純利益又は税引前当期純損失(△) | 181.7億円 | -14.3億円 |
| 法人税、住民税及び事業税 | 57.7億円 | 49.6億円 |
| 法人税等調整額 | 2.4億円 | 1.6億円 |
| 法人税等 | 60.1億円 | 51.2億円 |
| 当期純利益又は当期純損失(△) | 121.6億円 | -65.5億円 |
| 非支配株主に帰属する当期純利益又は非支配株主に帰属する当期純損失(△) | -3.3億円 | -92.7億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△) | 124.9億円 | 27.2億円 |
キャッシュフロー計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| キャッシュ・フロー計算書 | ||
| ▶ 営業活動によるキャッシュ・フロー | -171.4億円 | -118.3億円 |
| ▶ 投資活動によるキャッシュ・フロー | 14.6億円 | -14.9億円 |
| ▶ 財務活動によるキャッシュ・フロー | -43.0億円 | 120.7億円 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | 1.1億円 | -2.3億円 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | -198.8億円 | -14.8億円 |
| 現金及び現金同等物の残高 | 289.2億円 | 274.4億円 |
| 現金及び現金同等物の残高 | 289.2億円 | 274.4億円 |