企業解説
1. 企業概要
デンカ株式会社は、多角的な化学製品を製造・販売する化学メーカーです。事業は大きく「電子・先端プロダクツ」「ライフイノベーション」「エラストマー・インフラソリューション」「ポリマーソリューション」「その他」の5つのセグメントに分かれています。
- 電子・先端プロダクツ(売上高の約27%):溶融シリカ、球状アルミナ、電子回路基板、ファインセラミックス、電子包装材料、アセチレンブラック、電設資材、接着剤、粘着テープ、半導体工程用材料など、高機能・高付加価値製品が中心です。
- ライフイノベーション(売上高の約11%):ワクチン、抗原迅速診断キット、臨床試薬、がん治療ウイルス製剤など、ヘルスケア分野の製品を手掛けています。
- エラストマー・インフラソリューション(売上高の約25%):クロロプレンゴム、肥料、カーバイド、耐火物、特殊混和材、ポリエチレン製コルゲート管など、インフラ関連や基礎素材を提供しています。
- ポリマーソリューション(売上高の約32%):スチレンモノマー、ABS樹脂、SBC樹脂、N-フェニルマレイミド樹脂、透明樹脂、ポバール、ウィッグ・ヘアピース用合成繊維、食品包装用シートなど、樹脂製品が中心です。
- その他(売上高の約5%):プラントエンジニアリング事業や卸売業などを含みます。
収益は、ポリマーソリューションと電子・先端プロダクツが中心であり、高機能素材からヘルスケア、基礎素材まで幅広い製品群で事業を展開しています。
2. 要点(3行)
デンカは多角的な化学メーカーで、先端素材からヘルスケアまで幅広い製品を展開しています。特定の海外事業での多額の損失計上や過去の品質問題という課題を抱えつつも、経営計画「Mission 2030」に基づき、AI関連やxEV、半導体、医療などの成長分野に注力し、高付加価値事業への転換を図っています。含み益のある投資有価証券や土地、負ののれん発生益など、報告書からは潜在的な価値が読み取れます。
3. 経営者の質
代表取締役は会長の今井俊夫氏と社長の石田郁雄氏の2名体制です。今井会長は、スチレン事業部長、経営企画室長、エラストマー・機能樹脂部門長など多様な事業部門と経営企画の要職を歴任し、デンカグループ全体の戦略立案と実行を牽引してきた経験が豊富です。石田社長は、電子材料事業本部電子材料事業部機能フィルム部長、アドバンストフィラー部長、電子・先端プロダクツ部門長補佐など、技術系の要職を経て現職に至っており、特に電子・先端プロダクツ分野における深い専門性と現場理解を持つことがうかがえます。
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成長性の軌跡
● 売上高(棒、左軸) ● 当期純利益(折れ線、左軸) ● 経常利益率(折れ線、右軸)
資本効率の解剖
ROE
デュポン分解(ROE = 純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ)
還元と評価
■ EPS 1株当たり純利益(棒・左軸) ■ DPS 1株当たり配当(棒・左軸) ● PBR 株価純資産倍率(折れ線・右軸) DPS÷EPS=配当性向
キャッシュフローの質
■ 営業CF(棒・正側) ■ 投資CF(棒・負側) ■ 財務CF(棒・負側に積み上げ) ● 当期純利益(折れ線)
財務諸表
経営指標
| 項目 | 2022年03月期 | 2023年03月期 | 2024年03月期 | 2025年03月期 | 2026年03月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 連結経営指標等 | |||||
| 売上高 | 3848.5億円 | 4075.6億円 | 3892.6億円 | 4002.5億円 | 3842.5億円 |
| 経常利益又は経常損失(△) | 364.7億円 | 280.3億円 | 54.7億円 | 76.2億円 | 192.9億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△) | 260.1億円 | 127.7億円 | 119.5億円 | -123.0億円 | 156.9億円 |
| 包括利益 | 316.6億円 | 209.1億円 | 193.0億円 | -70.9億円 | 191.4億円 |
| 純資産額 | 2920.9億円 | 3003.5億円 | 3169.2億円 | 3083.0億円 | 3388.3億円 |
| 総資産額 | 5576.5億円 | 5921.6億円 | 6162.4億円 | 6555.2億円 | 6810.1億円 |
| 1株当たり純資産額 | 3,345.34円/株 | 3,438.28円/株 | 3,568.69円/株 | 3,436.95円/株 | 3,604.53円/株 |
| 1株当たり当期純利益又は当期純損失(△) | 301.67円/株 | 148.08円/株 | 138.61円/株 | -142.73円/株 | 182.1円/株 |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | — | — | — | — | — |
| 自己資本比率 | 51.7% | 50.1% | 49.9% | 45.2% | 45.6% |
| 自己資本利益率 | 9.4% | 4.4% | 4.0% | -4.1% | 5.2% |
| 株価収益率 | 1130.0% | 1850.0% | 1690.0% | — | 1940.0% |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 426.3億円 | 89.5億円 | 362.6億円 | 186.2億円 | 361.5億円 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | -368.4億円 | -282.7億円 | -225.7億円 | -595.9億円 | -450.2億円 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | -123.4億円 | 183.6億円 | 7.1億円 | 401.2億円 | 76.0億円 |
| 現金及び現金同等物の残高 | 202.1億円 | 202.0億円 | 353.9億円 | 370.0億円 | 352.7億円 |
| 従業員数 | 635800.0% | 640600.0% | 651400.0% | 654200.0% | 645400.0% |
| 平均臨時雇用人員 | 110100.0% | 113600.0% | 106000.0% | 107100.0% | 107100.0% |
貸借対照表
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 貸借対照表 | ||
| 資産の部 | ||
| ▶ 流動資産 | 2704.6億円 | 2600.8億円 |
| ▶ 固定資産 | 3850.7億円 | 4209.3億円 |
| 資産 | 6555.2億円 | 6810.1億円 |
| 負債の部 | ||
| ▶ 流動負債 | 2305.0億円 | 1851.0億円 |
| ▶ 固定負債 | 1167.3億円 | 1570.8億円 |
| 負債 | 3472.3億円 | 3421.8億円 |
| 純資産の部 | ||
| ▶ 株主資本 | 2457.0億円 | 2528.3億円 |
| ▶ 評価・換算差額等 | 504.8億円 | 578.8億円 |
| 非支配株主持分 | 121.1億円 | 281.2億円 |
| 純資産 | 3083.0億円 | 3388.3億円 |
| 負債純資産 | 6555.2億円 | 6810.1億円 |
損益計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 損益計算書 | ||
| 売上高 | 4002.5億円 | 3842.5億円 |
| 売上原価 | 3156.6億円 | 2899.9億円 |
| 売上総利益又は売上総損失(△) | 846.0億円 | 942.6億円 |
| 販売費及び一般管理費 | 701.8億円 | 680.3億円 |
| 営業利益又は営業損失(△) | 144.1億円 | 262.3億円 |
| ▶ 営業外収益 | 42.3億円 | 45.6億円 |
| ▶ 営業外費用 | 110.2億円 | 114.9億円 |
| 経常利益又は経常損失(△) | 76.2億円 | 192.9億円 |
| ▶ 特別利益 | 3.7億円 | 280.5億円 |
| ▶ 特別損失 | 250.7億円 | 259.9億円 |
| 税引前当期純利益又は税引前当期純損失(△) | -170.8億円 | 213.6億円 |
| 法人税、住民税及び事業税 | 29.9億円 | 80.5億円 |
| 法人税等調整額 | -30.2億円 | 20.6億円 |
| 法人税等 | -0.3億円 | 101.0億円 |
| 当期純利益又は当期純損失(△) | -170.6億円 | 112.5億円 |
| 非支配株主に帰属する当期純利益又は非支配株主に帰属する当期純損失(△) | -47.6億円 | -44.4億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△) | -123.0億円 | 156.9億円 |
キャッシュフロー計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| キャッシュ・フロー計算書 | ||
| ▶ 営業活動によるキャッシュ・フロー | 186.2億円 | 361.5億円 |
| ▶ 投資活動によるキャッシュ・フロー | -595.9億円 | -450.2億円 |
| ▶ 財務活動によるキャッシュ・フロー | 401.2億円 | 76.0億円 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | 24.6億円 | -4.7億円 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | 16.2億円 | -17.3億円 |
| 現金及び現金同等物の残高 | 370.0億円 | 352.7億円 |
| 現金及び現金同等物の残高 | 370.0億円 | 352.7億円 |