企業解説
1. 企業概要
大日精化工業は、顔料(色の粉)の合成から出発し、その分散技術や樹脂合成技術を核として多角化した化学メーカーです。ビジネスモデルは、化学品の上流(顔料合成)から中流(着色剤・樹脂コンパウンド・インキ)を担い、自動車、情報電子、包装材料といった幅広い産業に高機能な中間素材を提供することで収益を得る構造です。
収益の柱は「カラー&ファンクショナル プロダクト(着色剤など)」、「ポリマー&コーティング マテリアル(合成樹脂など)」、「グラフィック&プリンティング マテリアル(印刷インキ)」の3セグメントで構成されています。単に「色」を付けるだけでなく、耐熱性、導電性、環境対応(バイオマス化)といった「機能」を付加することで、付加価値を高めています。
2. 要点(3行)
- 有機・無機合成、分散加工、樹脂合成の「3つのコア技術」を基盤に、自動車やIT・エレクトロニクスといった高成長・高付加価値領域へ経営資源を集中させている。
- 旧来の商業印刷用インキの市場縮小に対し、拠点の集約(坂東製造事業所への移転)と不採算事業の整理を進め、収益構造の抜本的な改善を図っている。
- 政策保有株式の縮減や遊休不動産(旧川口製造事業所跡地など)の売却を断行し、得られた資金を次世代材料(HPU等)の研究開発と積極的な株主還元に充てる資本効率重視の姿勢を強めている。
3. 経営者の質
代表取締役社長の高橋弘二氏は、1993年に入社以来、内部昇進で2011年から社長を務めています。創業者・高橋義博氏が定めた社是「必達」を精神的支柱としつつ、2015年には現代の社会環境に合わせた「企業理念」を新設するなど、伝統と変革のバランスを重視する経営姿勢が見て取れます。
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成長性の軌跡
● 売上高(棒、左軸) ● 当期純利益(折れ線、左軸) ● 経常利益率(折れ線、右軸)
資本効率の解剖
ROE
デュポン分解(ROE = 純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ)
還元と評価
■ EPS 1株当たり純利益(棒・左軸) ■ DPS 1株当たり配当(棒・左軸) ● PBR 株価純資産倍率(折れ線・右軸) DPS÷EPS=配当性向
キャッシュフローの質
■ 営業CF(棒・正側) ■ 投資CF(棒・負側) ■ 財務CF(棒・負側に積み上げ) ● 当期純利益(折れ線)
財務諸表
経営指標
| 項目 | 2021年03月期 | 2022年03月期 | 2023年03月期 | 2024年03月期 | 2025年03月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 連結経営指標等 | |||||
| 売上高 | 1384.9億円 | 1219.3億円 | 1220.0億円 | 1198.2億円 | 1247.6億円 |
| 経常利益又は経常損失(△) | 56.1億円 | 83.2億円 | 33.7億円 | 50.0億円 | 77.6億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△) | 63.4億円 | 61.7億円 | 20.1億円 | 36.6億円 | 102.9億円 |
| 包括利益 | 91.7億円 | 82.1億円 | 53.4億円 | 92.4億円 | 140.1億円 |
| 純資産額 | 1036.6億円 | 1104.9億円 | 1143.0億円 | 1191.7億円 | 1305.0億円 |
| 総資産額 | 1977.2億円 | 1967.1億円 | 1927.7億円 | 1948.5億円 | 1967.8億円 |
| 1株当たり純資産額 | 5,516.08円/株 | 5,868.51円/株 | 6,060.11円/株 | 6,804.81円/株 | 7,459.16円/株 |
| 1株当たり当期純利益又は当期純損失(△) | 341.95円/株 | 333.7円/株 | 108.58円/株 | 207.95円/株 | 599.63円/株 |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | — | — | — | — | — |
| 自己資本比率 | 51.5% | 55.1% | 58.1% | 59.9% | 65.0% |
| 自己資本利益率 | 6.5% | 5.9% | 1.8% | 3.2% | 8.4% |
| 株価収益率 | 720.0% | 620.0% | 1640.0% | 1440.0% | 500.0% |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 115.2億円 | 75.8億円 | 30.0億円 | 90.2億円 | 41.6億円 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | -37.7億円 | -66.4億円 | -21.9億円 | -14.4億円 | 14.2億円 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | -3.6億円 | -114.2億円 | -38.4億円 | -102.1億円 | -70.0億円 |
| 現金及び現金同等物の残高 | 344.4億円 | 248.8億円 | 231.0億円 | 214.3億円 | 217.0億円 |
| 従業員数 | 380900.0% | 375000.0% | 366600.0% | 363400.0% | 359400.0% |
| 平均臨時雇用人員 | — | — | 27300.0% | 28600.0% | 26600.0% |
貸借対照表
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 貸借対照表 | ||
| 資産の部 | ||
| ▶ 流動資産 | 1096.3億円 | 1101.5億円 |
| ▶ 固定資産 | 852.3億円 | 866.4億円 |
| 資産 | 1948.5億円 | 1967.8億円 |
| 負債の部 | ||
| ▶ 流動負債 | 561.0億円 | 500.7億円 |
| ▶ 固定負債 | 195.9億円 | 162.2億円 |
| 負債 | 756.9億円 | 662.9億円 |
| 純資産の部 | ||
| ▶ 株主資本 | 1007.0億円 | 1086.7億円 |
| ▶ 評価・換算差額等 | 160.5億円 | 193.3億円 |
| 非支配株主持分 | 24.2億円 | 24.9億円 |
| 純資産 | 1191.7億円 | 1305.0億円 |
| 負債純資産 | 1948.5億円 | 1967.8億円 |
損益計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 損益計算書 | ||
| 売上高 | 1198.2億円 | 1247.6億円 |
| 売上原価 | 974.7億円 | 995.4億円 |
| 売上総利益又は売上総損失(△) | 223.6億円 | 252.2億円 |
| ▶ 販売費及び一般管理費 | 178.1億円 | 182.2億円 |
| 営業利益又は営業損失(△) | 45.5億円 | 70.0億円 |
| ▶ 営業外収益 | 14.1億円 | 17.1億円 |
| ▶ 営業外費用 | 9.6億円 | 9.6億円 |
| 経常利益又は経常損失(△) | 50.0億円 | 77.6億円 |
| ▶ 特別利益 | 28.3億円 | 81.1億円 |
| ▶ 特別損失 | 24.9億円 | 15.0億円 |
| 税引前当期純利益又は税引前当期純損失(△) | 53.4億円 | 143.7億円 |
| 法人税、住民税及び事業税 | 15.1億円 | 20.3億円 |
| 法人税等調整額 | 0.3億円 | 18.6億円 |
| 法人税等 | 15.5億円 | 38.8億円 |
| 当期純利益又は当期純損失(△) | 37.9億円 | 104.9億円 |
| 非支配株主に帰属する当期純利益又は非支配株主に帰属する当期純損失(△) | 1.3億円 | 2.0億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△) | 36.6億円 | 102.9億円 |
キャッシュフロー計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| キャッシュ・フロー計算書 | ||
| ▶ 営業活動によるキャッシュ・フロー | 90.2億円 | 41.6億円 |
| ▶ 投資活動によるキャッシュ・フロー | -14.4億円 | 14.2億円 |
| ▶ 財務活動によるキャッシュ・フロー | -102.1億円 | -70.0億円 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | 9.5億円 | 16.9億円 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | -16.8億円 | 2.7億円 |
| 現金及び現金同等物の残高 | 214.3億円 | 217.0億円 |
| 現金及び現金同等物の残高 | 214.3億円 | 217.0億円 |