企業解説
1. 企業概要
協和キリン株式会社は、キリンホールディングスを親会社(所有割合55.2%)に持つ、日本発のグローバル・スペシャリティファーマです。独自の抗体技術を核とした創薬に強みを持ち、「骨・ミネラル」「血液がん・難治性血液疾患」「希少疾患」の3領域に注力しています。
- 主要製品: クリースビータ(FGF23関連疾患)、ポテリジオ(血液がん)、ジーラスタ(がん化学療法副作用抑制)など。
- 主要顧客: 米国のCVS Caremark社への売上高が585億円(連結売上高の11.8%)を占めるなど、海外市場への依存度が高まっています。
- 競合環境: グローバル市場ではメガファーマとの新薬開発・シェア争いに晒されており、日本国内では薬価引き下げやバイオ後続品(BS)の浸透が逆風となっています。
2. 要点(3行要約)
- 連結売上高はグローバル戦略品の伸長により4,956億円(前年比12.1%増)と過去最高を更新したが、積極的な研究開発費投入により当期利益は599億円(同26.3%減)と減益。
- 英国Orchard Therapeutics社の買収(約571億円)を完了し、造血幹細胞遺伝子治療プラットフォームを獲得。次世代の成長に向けたモダリティ転換を加速。
- 配当性向47.8%への引き上げと400億円の大規模自社株買い・消却を実施し、ROE低下(7.1%)局面においても強力な株主還元姿勢を鮮明にした。
3. 業績・収益性のトレンド
売上高は4,956億円(前年比12.1%増)と2桁成長を維持しました。しかし、収益性指標は悪化傾向にあります。
- 利益面: コア営業利益は954億円(前年比1.4%減)。研究開発費が1,035億円(前年比314億円増)と大幅に増加したことが主因です。
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プランをアップグレード業績チャート
成長性の軌跡
● 売上高(棒、左軸) ● 当期純利益(折れ線、左軸) ● 経常利益率(折れ線、右軸)
資本効率の解剖
ROE
デュポン分解(ROE = 純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ)
還元と評価
■ EPS 1株当たり純利益(棒・左軸) ■ DPS 1株当たり配当(棒・左軸) ● PBR 株価純資産倍率(折れ線・右軸) DPS÷EPS=配当性向
キャッシュフローの質
■ 営業CF(棒・正側) ■ 投資CF(棒・負側) ■ 財務CF(棒・負側に積み上げ) ● 当期純利益(折れ線)
財務諸表
経営指標
| 項目 | 2020年12月期 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 連結経営指標等 | |||||
| 売上収益 | 3183.5億円 | 3522.5億円 | 3983.7億円 | 4422.3億円 | 4955.6億円 |
| 税引前利益又は税引前損失(△) | 522.6億円 | 600.5億円 | 675.7億円 | 972.5億円 | 834.5億円 |
| 当期利益又は当期損失(△):親会社の所有者に帰属 | 470.3億円 | 523.5億円 | 535.7億円 | 811.9億円 | 598.7億円 |
| 当期包括利益:親会社の所有者に帰属 | 436.1億円 | 627.5億円 | 506.5億円 | 1022.0億円 | 853.1億円 |
| 親会社の所有者に帰属する持分 | 6984.0億円 | 7371.6億円 | 7628.3億円 | 8364.2億円 | 8508.1億円 |
| 総資産額 | 8012.9億円 | 9218.7億円 | 9398.8億円 | 10259.4億円 | 10673.6億円 |
| 1株当たり親会社所有者帰属持分 | 1,300.12円/株 | 1,371.9円/株 | 1,419.27円/株 | 1,555.81円/株 | 1,625.68円/株 |
| 基本的1株当たり利益又は損失(△) | 87.56円/株 | 97.43円/株 | 99.68円/株 | 151.03円/株 | 113.06円/株 |
| 希薄化後1株当たり利益又は損失(△) | 87.5円/株 | 97.39円/株 | 99.66円/株 | 151.01円/株 | 113.06円/株 |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 87.2% | 80.0% | 81.2% | 81.5% | 79.7% |
| 親会社所有者帰属持分利益率 | 6.8% | 7.3% | 7.1% | 10.2% | 7.1% |
| 株価収益率 | 3210.0% | 3220.0% | 2940.0% | 1570.0% | 2100.0% |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 395.0億円 | 865.5億円 | 486.7億円 | 1155.5億円 | 678.8億円 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | 2525.6億円 | -113.6億円 | -171.8億円 | -203.8億円 | -1423.9億円 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | -260.0億円 | -284.5億円 | -290.3億円 | -325.4億円 | -847.0億円 |
| 現金及び現金同等物 | 2870.2億円 | 3350.8億円 | 3391.9億円 | 4030.8億円 | 2446.8億円 |
| 従業員数 | 542300.0% | 575200.0% | 598200.0% | 597400.0% | 566900.0% |
貸借対照表
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 財政状態計算書 | ||
| 資産 | 10259.4億円 | 10673.6億円 |
| ▶ 非流動資産 | 4148.2億円 | 5633.4億円 |
| ▶ 流動資産 | 6111.2億円 | 5040.3億円 |
| 資産 | 10259.4億円 | 10673.6億円 |
| 資本 | 8364.2億円 | 8508.1億円 |
| 資本金 | 267.4億円 | 267.4億円 |
| 資本剰余金 | 4647.3億円 | 4277.3億円 |
| 自己株式 | -29.3億円 | -58.9億円 |
| 利益剰余金 | 3387.6億円 | 3710.5億円 |
| その他の資本の構成要素 | 91.1億円 | 311.7億円 |
| 親会社の所有者に帰属する持分 | 8364.2億円 | 8508.1億円 |
| 資本 | 8364.2億円 | 8508.1億円 |
| 負債 | 1895.2億円 | 2165.5億円 |
| ▶ 非流動負債 | 562.9億円 | 518.8億円 |
| ▶ 流動負債 | 1332.4億円 | 1646.8億円 |
| 負債 | 1895.2億円 | 2165.5億円 |
| 資本及び負債合計 | 10259.4億円 | 10673.6億円 |
損益計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 損益計算書 | ||
| 継続事業 | ||
| 当期利益(△損失) | 811.9億円 | 598.7億円 |
| 当期利益(△損失)の帰属 | ||
| 1株当たり当期利益(△損失) | ||
キャッシュフロー計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| キャッシュ・フロー計算書 | ||
| ▶ 営業活動によるキャッシュ・フロー | 1155.5億円 | 678.8億円 |
| ▶ 投資活動によるキャッシュ・フロー | -203.8億円 | -1423.9億円 |
| ▶ 財務活動によるキャッシュ・フロー | -325.4億円 | -847.0億円 |
| 現金及び現金同等物の為替変動による影響 | 12.6億円 | 8.0億円 |
| 現金及び現金同等物の増減額(減少) | 638.9億円 | -1584.0億円 |
| 現金及び現金同等物の期首残高(連結財政状態計算書計上額) | 4030.8億円 | 2446.8億円 |
| 現金及び現金同等物の期首残高(連結財政状態計算書計上額) | 4030.8億円 | 2446.8億円 |