企業解説
1. 企業概要
株式会社トリケミカル研究所は、半導体製造プロセス等で使用される「高純度化学化合物」の研究開発・製造・販売を主軸とする企業です。特に、ウェハ上に薄膜を形成するCVD(化学気相成長)工程、エッチング工程、不純物拡散工程に欠かせない特殊材料に特化しています。
同社のビジネスモデルは、大手化学メーカーが敬遠する「少量・多品種・高純度」のニッチ領域に特化している点が特徴です。顧客(半導体メーカー)の次世代技術開発に密着し、材料の提案から受託合成、評価試験までを一貫して行うことで、高付加価値な収益構造を実現しています。売上の約8割が海外ユーザー向けであり、グローバルな半導体サプライチェーンにおいて不可欠な材料サプライヤーとしての地位を確立しています。
2. 要点(3行)
- 半導体の微細化・高性能化に不可欠な特殊材料を「少量・多品種」で供給するニッチトップのビジネスモデルを展開。
- 創業者が筆頭株主として経営に関与し、研究開発と生産設備(南アルプス、台湾等)への積極投資を継続する成長志向の経営。
- 特定の先端材料(High-k等)への依存や特定仕入先への依存といったリスクを抱えつつも、高い技術的参入障壁と強固な顧客関係を武器に高収益を維持。
3. 経営者の質
代表取締役会長の竹中潤平氏は、1978年に同社を設立した創業者です。現在も個人で発行済株式の12.81%を保有する筆頭株主であり、オーナー経営の色彩を残しています。代表取締役社長執行役員の太附聖氏は、1987年に入社し、営業部門を中心にキャリアを積んだ生え抜きであり、現場のニーズと事業特性を深く理解しています。
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成長性の軌跡
● 売上高(棒、左軸) ● 当期純利益(折れ線、左軸) ● 経常利益率(折れ線、右軸)
資本効率の解剖
ROE
デュポン分解(ROE = 純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ)
還元と評価
■ EPS 1株当たり純利益(棒・左軸) ■ DPS 1株当たり配当(棒・左軸) ● PBR 株価純資産倍率(折れ線・右軸) DPS÷EPS=配当性向
キャッシュフローの質
■ 営業CF(棒・正側) ■ 投資CF(棒・負側) ■ 財務CF(棒・負側に積み上げ) ● 当期純利益(折れ線)
財務諸表
経営指標
| 項目 | 2022年01月期 | 2023年01月期 | 2024年01月期 | 2025年01月期 | 2026年01月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 連結経営指標等 | |||||
| 売上高 | 115.7億円 | 138.0億円 | 112.5億円 | 189.1億円 | 238.8億円 |
| 経常利益又は経常損失(△) | 52.9億円 | 61.9億円 | 32.8億円 | 65.8億円 | 70.9億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△) | 41.0億円 | 48.3億円 | 24.7億円 | 49.6億円 | 55.2億円 |
| 包括利益 | 43.1億円 | 52.1億円 | 26.7億円 | 49.9億円 | 57.0億円 |
| 純資産額 | 213.2億円 | 258.8億円 | 275.7億円 | 315.9億円 | 361.5億円 |
| 総資産額 | 282.9億円 | 321.2億円 | 318.6億円 | 369.4億円 | 472.7億円 |
| 1株当たり純資産額 | 656.07円/株 | 796.26円/株 | 848.4円/株 | 972.02円/株 | 1,112.41円/株 |
| 1株当たり当期純利益又は当期純損失(△) | 126.33円/株 | 148.7円/株 | 76.03円/株 | 152.69円/株 | 169.72円/株 |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | — | — | — | — | — |
| 自己資本比率 | 75.4% | 80.6% | 86.5% | 85.5% | 76.5% |
| 自己資本利益率 | 24.1% | 20.5% | 9.2% | 16.8% | 16.3% |
| 株価収益率 | 2430.0% | 1570.0% | 4850.0% | 2140.0% | 1940.0% |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 36.4億円 | 63.9億円 | 29.7億円 | 36.8億円 | 38.0億円 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | -9.3億円 | -15.6億円 | -17.8億円 | -31.2億円 | -70.5億円 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 35.9億円 | -17.0億円 | -18.6億円 | -16.2億円 | 10.9億円 |
| 現金及び現金同等物の残高 | 80.3億円 | 111.4億円 | 105.0億円 | 94.4億円 | 72.8億円 |
| 従業員数 | 21100.0% | 24200.0% | 25600.0% | 27400.0% | 31300.0% |
| 平均臨時雇用人員 | 2400.0% | 2400.0% | 2400.0% | 2100.0% | 2200.0% |
貸借対照表
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 貸借対照表 | ||
| 資産の部 | ||
| ▶ 流動資産 | 214.6億円 | 232.5億円 |
| ▶ 固定資産 | 154.9億円 | 240.2億円 |
| 資産 | 369.4億円 | 472.7億円 |
| 負債の部 | ||
| ▶ 流動負債 | 41.8億円 | 76.0億円 |
| ▶ 固定負債 | 11.7億円 | 35.2億円 |
| 負債 | 53.6億円 | 111.3億円 |
| 純資産の部 | ||
| ▶ 株主資本 | 307.5億円 | 351.3億円 |
| ▶ 評価・換算差額等 | 8.4億円 | 10.2億円 |
| 純資産 | 315.9億円 | 361.5億円 |
| 負債純資産 | 369.4億円 | 472.7億円 |
損益計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 損益計算書 | ||
| 売上高 | 189.1億円 | 238.8億円 |
| 売上原価 | 108.9億円 | 148.6億円 |
| 売上総利益又は売上総損失(△) | 80.1億円 | 90.2億円 |
| 販売費及び一般管理費 | 27.6億円 | 31.2億円 |
| 営業利益又は営業損失(△) | 52.6億円 | 59.0億円 |
| ▶ 営業外収益 | 13.5億円 | 13.4億円 |
| ▶ 営業外費用 | 0.3億円 | 1.6億円 |
| 経常利益又は経常損失(△) | 65.8億円 | 70.9億円 |
| 税引前当期純利益又は税引前当期純損失(△) | 65.8億円 | 70.9億円 |
| 法人税、住民税及び事業税 | 16.7億円 | 15.9億円 |
| 法人税等調整額 | -0.5億円 | -0.2億円 |
| 法人税等 | 16.2億円 | 15.7億円 |
| 当期純利益又は当期純損失(△) | 49.6億円 | 55.2億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△) | 49.6億円 | 55.2億円 |
キャッシュフロー計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| キャッシュ・フロー計算書 | ||
| ▶ 営業活動によるキャッシュ・フロー | 36.8億円 | 38.0億円 |
| ▶ 投資活動によるキャッシュ・フロー | -31.2億円 | -70.5億円 |
| ▶ 財務活動によるキャッシュ・フロー | -16.2億円 | 10.9億円 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | 0.0億円 | 0.1億円 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | -10.6億円 | -21.6億円 |
| 現金及び現金同等物の残高 | 94.4億円 | 72.8億円 |
| 現金及び現金同等物の残高 | 94.4億円 | 72.8億円 |