企業解説
1. 企業概要
住友ファーマ株式会社は、医療用医薬品を主軸とする研究開発型製薬企業です。住友化学が議決権の51.78%を保有する親会社です。
- 事業内容: 医療用医薬品の製造・販売。精神神経領域、がん領域、再生・細胞医薬を重点領域としています。
- 主要製品: 北米での基幹3製品「オルゴビクス」(前立腺がん)、「マイフェンブリー」(子宮筋腫等)、「ジェムテサ」(過活動膀胱)。国内では「ツイミーグ」(2型糖尿病)や「ラツーダ」(非定型抗精神病薬)など。
- 主要顧客: 米国の医薬品卸大手3社(Cencora、McKesson、Cardinal Health)への売上合計が連結売上高の約50%を占めます。
- 競合環境: 「ラツーダ」の米国独占販売期間終了(パテントクリフ)の影響を、北米の新製品群と構造改革で補う局面です。
2. 要点(3行)
- 2024年度は北米基幹製品の伸長と大規模な構造改革により、純利益236億円と黒字浮上を達成し、「継続企業の前提に関する重要事象」を解消した。
- 資産売却(Roivant社株式等)によるキャッシュ確保で有利子負債を削減したものの、自己資本比率は22.8%と依然低水準で、財務基盤の再構築が急務である。
- 新中期経営計画「Reboot 2027」を始動したが、2025年度も無配を予定しており、成長投資と負債削減のバランスが投資判断の焦点となる。
3. 業績・収益性のトレンド
- 売上収益: 3,988億円(前期比26.8%増)。北米基幹3製品の成長と、円安による為替換算増(約260億円の影響)が寄与しました。
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プランをアップグレード業績チャート
成長性の軌跡
● 売上高(棒、左軸) ● 当期純利益(折れ線、左軸) ● 経常利益率(折れ線、右軸)
資本効率の解剖
ROE
デュポン分解(ROE = 純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ)
還元と評価
■ EPS 1株当たり純利益(棒・左軸) ■ DPS 1株当たり配当(棒・左軸) ● PBR 株価純資産倍率(折れ線・右軸) DPS÷EPS=配当性向
キャッシュフローの質
■ 営業CF(棒・正側) ■ 投資CF(棒・負側) ■ 財務CF(棒・負側に積み上げ) ● 当期純利益(折れ線)
財務諸表
経営指標
| 項目 | 2021年03月期 | 2022年03月期 | 2023年03月期 | 2024年03月期 | 2025年03月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 連結経営指標等 | |||||
| 売上収益 | 5159.5億円 | 5600.4億円 | 5555.4億円 | 3145.6億円 | 3988.3億円 |
| 税引前利益又は税引前損失(△) | 778.5億円 | 829.6億円 | -479.2億円 | -3231.1億円 | 176.1億円 |
| 当期利益又は当期損失(△):親会社の所有者に帰属 | 562.2億円 | 564.1億円 | -745.1億円 | -3149.7億円 | 236.3億円 |
| 当期包括利益:親会社の所有者に帰属 | 610.1億円 | 375.7億円 | -199.1億円 | -2503.8億円 | 134.2億円 |
| 親会社の所有者に帰属する持分 | 5805.7億円 | 6078.9億円 | 4067.5億円 | 1560.6億円 | 1694.8億円 |
| 総資産額 | 13081.3億円 | 13080.1億円 | 11347.4億円 | 9075.1億円 | 7426.0億円 |
| 1株当たり親会社所有者帰属持分 | 1,461.31円/株 | 1,530.08円/株 | 1,023.8円/株 | 392.82円/株 | 426.59円/株 |
| 基本的1株当たり利益又は損失(△) | 141.5円/株 | 141.99円/株 | -187.55円/株 | -792.79円/株 | 59.49円/株 |
| 希薄化後1株当たり利益又は損失(△) | — | — | — | — | — |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 44.4% | 46.5% | 35.8% | 17.2% | 22.8% |
| 親会社所有者帰属持分利益率 | 10.1% | 9.5% | -14.7% | -111.9% | 14.5% |
| 株価収益率 | 1360.0% | 850.0% | — | — | 1230.0% |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 1356.0億円 | 312.4億円 | 119.4億円 | -2418.9億円 | 165.0億円 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | 88.8億円 | -182.8億円 | 524.2億円 | 330.4億円 | 997.5億円 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | -572.1億円 | -214.3億円 | -1468.2億円 | 778.5億円 | -1088.4億円 |
| 現金及び現金同等物 | 1937.0億円 | 2029.8億円 | 1434.8億円 | 290.5億円 | 231.2億円 |
| 従業員数 | 682200.0% | 698700.0% | 625000.0% | 498000.0% | 383200.0% |
貸借対照表
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 財政状態計算書 | ||
| 資産 | 9075.1億円 | 7426.0億円 |
| ▶ 非流動資産 | 6379.4億円 | 4894.4億円 |
| ▶ 流動資産 | 2695.7億円 | 2531.7億円 |
| 資産 | 9075.1億円 | 7426.0億円 |
| 負債及び資本 | 9075.1億円 | 7426.0億円 |
| ▶ 負債 | 7513.7億円 | 5731.3億円 |
| ▶ 資本 | 1561.4億円 | 1694.8億円 |
| 負債及び資本 | 9075.1億円 | 7426.0億円 |
損益計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 損益計算書 | ||
| 合計 | 3145.6億円 | 3988.3億円 |
| 売上原価 | 1265.8億円 | 1534.4億円 |
| 売上総利益 | 1879.8億円 | 2453.9億円 |
| 販売費及び一般管理費 | 4295.4億円 | 1806.0億円 |
| 研究開発費 | 1126.4億円 | 498.6億円 |
| その他の収益 | 74.9億円 | 183.6億円 |
| その他の費用 | 81.3億円 | 35.7億円 |
| 持分法による投資損益(△は損失) | -0.2億円 | -9.1億円 |
| セグメント利益(コアセグメント利益) | -3548.6億円 | 288.0億円 |
| 金融収益 | 360.2億円 | 23.1億円 |
| 金融費用 | 42.8億円 | 135.0億円 |
| 税引前利益(△損失) | -3231.1億円 | 176.1億円 |
| 法人所得税費用 | -81.8億円 | -60.2億円 |
| 当期利益(△損失) | -3149.3億円 | 236.3億円 |
| 当期利益(△損失)の帰属 | ||
| 1株当たり当期利益(△損失) | ||
キャッシュフロー計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| キャッシュ・フロー計算書 | ||
| ▶ 営業活動によるキャッシュ・フロー | -2418.9億円 | 165.0億円 |
| ▶ 投資活動によるキャッシュ・フロー | 330.4億円 | 997.5億円 |
| ▶ 財務活動によるキャッシュ・フロー | 778.5億円 | -1088.4億円 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | -1310.1億円 | 74.2億円 |
| 現金及び現金同等物 | 290.5億円 | 231.2億円 |
| 現金及び現金同等物の為替変動による影響 | 154.4億円 | -1.8億円 |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 279.1億円 | 362.9億円 |
| 売却目的で保有する資産への振替に伴う現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | 11.3億円 | -131.7億円 |
| 現金及び現金同等物 | 290.5億円 | 231.2億円 |