企業解説
1. 企業概要
杏林製薬株式会社(2023年4月にキョーリン製薬ホールディングスから商号変更)は、新薬事業を中核とする医薬品メーカーです。
- 事業内容: 医療用医薬品の製造・販売を主軸とし、特に「呼吸器」「耳鼻科」「泌尿器」の3領域に注力しています。
- 主要製品: 過活動膀胱治療剤「ベオーバ」、抗菌剤「ラスビック」、喘息治療配合剤「フルティフォーム」など。
- 主要顧客: アルフレッサ ホールディングス(売上比率16.5%)、メディパルホールディングス(16.3%)、スズケン(13.8%)など、大手医薬品卸への販売が中心です。
- 競合環境: 薬価改定(当期は7%台の影響)による市場圧縮に加え、特許切れに伴うジェネリック医薬品の参入や、長期収載品に対する選定療養制度の影響など、厳しい環境にあります。
2. 要点(3行)
- 大幅な増益: 自社創製化合物の導出に伴う一時金(約82億円)の計上と新薬の伸長により、営業利益は前期比101.6%増の125億円と急拡大。
- 積極的な株主還元: 年間配当を57円(特別配当5円含む)へ増額し、発行済株式総数の7.2%に相当する大規模な自己株式消却を実施。
- キャッシュフローと在庫の課題: 安定供給確保を優先した原材料等の積み増しにより、棚卸資産が123億円増加。営業CFが大幅に抑制されている点は留意が必要。
3. 業績・収益性のトレンド
- 売上高: 1,300億円(前期比8.8%増)。薬価改定の影響(約7%)を跳ね返し、増収を確保。
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プランをアップグレード業績チャート
成長性の軌跡
● 売上高(棒、左軸) ● 当期純利益(折れ線、左軸) ● 経常利益率(折れ線、右軸)
資本効率の解剖
ROE
デュポン分解(ROE = 純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ)
還元と評価
■ EPS 1株当たり純利益(棒・左軸) ■ DPS 1株当たり配当(棒・左軸) ● PBR 株価純資産倍率(折れ線・右軸) DPS÷EPS=配当性向
キャッシュフローの質
■ 営業CF(棒・正側) ■ 投資CF(棒・負側) ■ 財務CF(棒・負側に積み上げ) ● 当期純利益(折れ線)
財務諸表
経営指標
| 項目 | 2021年03月期 | 2022年03月期 | 2023年03月期 | 2024年03月期 | 2025年03月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 連結経営指標等 | |||||
| 売上高 | 1029.0億円 | 1055.3億円 | 1132.7億円 | 1195.3億円 | 1300.9億円 |
| 経常利益又は経常損失(△) | 64.5億円 | 55.7億円 | 58.3億円 | 68.2億円 | 132.2億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△) | 61.3億円 | 39.3億円 | 47.2億円 | 54.8億円 | 90.9億円 |
| 包括利益 | 62.8億円 | 36.3億円 | 39.9億円 | 81.0億円 | 85.7億円 |
| 純資産額 | 1246.6億円 | 1245.1億円 | 1254.6億円 | 1307.3億円 | 1362.8億円 |
| 総資産額 | 1671.3億円 | 1719.2億円 | 1760.5億円 | 1776.3億円 | 1936.2億円 |
| 1株当たり純資産額 | 2,175.52円/株 | 2,172.83円/株 | 2,189.4円/株 | 2,275.68円/株 | 2,372.29円/株 |
| 1株当たり当期純利益又は当期純損失(△) | 106.99円/株 | 68.62円/株 | 82.44円/株 | 95.41円/株 | 158.17円/株 |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | — | — | — | — | — |
| 自己資本比率 | 74.6% | 72.4% | 71.3% | 73.6% | 70.4% |
| 自己資本利益率 | 5.0% | 3.2% | 3.8% | 4.3% | 6.8% |
| 株価収益率 | 1802.0% | 2590.0% | 2067.0% | 1954.0% | 950.0% |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 51.9億円 | 63.5億円 | 20.1億円 | 15.5億円 | 35.1億円 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | -42.6億円 | -25.6億円 | -62.8億円 | -31.9億円 | -63.2億円 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | -49.2億円 | -41.1億円 | -33.6億円 | -33.5億円 | 39.5億円 |
| 現金及び現金同等物の残高 | 264.8億円 | 262.9億円 | 188.2億円 | 138.9億円 | 150.2億円 |
| 従業員数 | 224300.0% | 222200.0% | 213800.0% | 204200.0% | 199800.0% |
| 平均臨時雇用人員 | — | — | — | 21800.0% | 25000.0% |
貸借対照表
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 貸借対照表 | ||
| 資産の部 | ||
| ▶ 流動資産 | 1192.4億円 | 1361.3億円 |
| ▶ 固定資産 | 583.9億円 | 574.8億円 |
| 資産 | 1776.3億円 | 1936.2億円 |
| 負債の部 | ||
| ▶ 流動負債 | 454.9億円 | 351.1億円 |
| ▶ 固定負債 | 14.0億円 | 222.2億円 |
| 負債 | 468.9億円 | 573.3億円 |
| 純資産の部 | ||
| ▶ 株主資本 | 1248.3億円 | 1308.9億円 |
| ▶ 評価・換算差額等 | 59.0億円 | 53.9億円 |
| 純資産 | 1307.3億円 | 1362.8億円 |
| 負債純資産 | 1776.3億円 | 1936.2億円 |
損益計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 損益計算書 | ||
| 売上高 | 1195.3億円 | 1300.9億円 |
| 売上原価 | 679.0億円 | 705.5億円 |
| 売上総利益又は売上総損失(△) | 516.3億円 | 595.4億円 |
| 販売費及び一般管理費 | 453.9億円 | 469.7億円 |
| 営業利益又は営業損失(△) | 62.3億円 | 125.7億円 |
| ▶ 営業外収益 | 7.3億円 | 8.7億円 |
| ▶ 営業外費用 | 1.5億円 | 2.2億円 |
| 経常利益又は経常損失(△) | 68.2億円 | 132.2億円 |
| ▶ 特別利益 | 14.0億円 | 1.0億円 |
| ▶ 特別損失 | 9.9億円 | 5.5億円 |
| 税引前当期純利益又は税引前当期純損失(△) | 72.4億円 | 127.7億円 |
| 法人税、住民税及び事業税 | 19.0億円 | 38.1億円 |
| 法人税等調整額 | -1.3億円 | -1.2億円 |
| 法人税等 | 17.6億円 | 36.8億円 |
| 当期純利益又は当期純損失(△) | 54.8億円 | 90.9億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△) | 54.8億円 | 90.9億円 |
キャッシュフロー計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| キャッシュ・フロー計算書 | ||
| ▶ 営業活動によるキャッシュ・フロー | 15.5億円 | 35.1億円 |
| ▶ 投資活動によるキャッシュ・フロー | -31.9億円 | -63.2億円 |
| ▶ 財務活動によるキャッシュ・フロー | -33.5億円 | 39.5億円 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | 0.9億円 | 0.0億円 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | -49.0億円 | 11.3億円 |
| 現金及び現金同等物の残高 | 138.9億円 | 150.2億円 |
| 連結除外に伴う現金及び現金同等物の減少額 | -0.3億円 | — |
| 現金及び現金同等物の残高 | 138.9億円 | 150.2億円 |