企業解説
1. 企業概要
JX金属株式会社(現:JX金属株式会社)は、半導体や情報通信分野に不可欠な銅やレアメタルを主原料とした先端素材の開発・製造・販売を行うグローバル企業です。主な製品は、世界シェア64%(2023年実績)を誇る半導体用スパッタリングターゲットや、世界シェア78%のFPC用圧延銅箔です。2025年3月19日に東京証券取引所プライム市場へ上場し、ENEOSホールディングスの連結子会社から、持分法適用関連会社(持分比率42.38%)へと独立性を高めた体制に移行しました。競合環境としては、先端素材分野での技術差別化を強みとする一方、基礎材料(製錬)分野ではアジア圏の製錬所増設による競争激化に直面しています。
2. 要点(3行)
- 生成AI関連の需要増と円安を背景に、情報通信材料セグメントが大幅増益を達成し、全体の利益成長を牽引。
- 主要な製錬・鉱山子会社(PPC、MLCC)の非連結化に伴い売上高は半減したが、高収益な「フォーカス事業」への資源集中が鮮明化。
- IPOを経て独立経営に移行し、タツタ電線の完全子会社化や次世代半導体材料(CVD・ALD)への投資など、技術立脚型経営への転換を加速。
3. 業績・収益性のトレンド
当連結会計年度の売上高は7,149億円(前年同期比52.7%減)と大幅に減少しましたが、これは主要子会社であったSCM Minera Lumina Copper Chile(MLCC)およびパンパシフィック・カッパー(PPC)の持分売却に伴い、連結子会社から持分法適用会社へ移行したことによる会計上の要因が主です。
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プランをアップグレード業績チャート
成長性の軌跡
● 売上高(棒、左軸) ● 当期純利益(折れ線、左軸) ● 経常利益率(折れ線、右軸)
資本効率の解剖
ROE
デュポン分解(ROE = 純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ)
還元と評価
■ EPS 1株当たり純利益(棒・左軸) ■ DPS 1株当たり配当(棒・左軸) ● PBR 株価純資産倍率(折れ線・右軸) DPS÷EPS=配当性向
キャッシュフローの質
■ 営業CF(棒・正側) ■ 投資CF(棒・負側) ■ 財務CF(棒・負側に積み上げ) ● 当期純利益(折れ線)
財務諸表
経営指標
| 項目 | 2021年03月期 | 2022年03月期 | 2023年03月期 | 2024年03月期 | 2025年03月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 連結経営指標等 | |||||
| 売上高 | — | — | 16384.8億円 | 15123.5億円 | 7149.4億円 |
| 営業利益(△損失) | — | — | 729.3億円 | 861.7億円 | 1124.8億円 |
| 税引前利益又は税引前損失(△) | — | — | 633.3億円 | 787.1億円 | 1074.8億円 |
| 当期利益又は当期損失(△):親会社の所有者に帰属 | — | — | 369.3億円 | 1026.2億円 | 682.7億円 |
| 当期包括利益:親会社の所有者に帰属 | — | — | 423.6億円 | 1150.2億円 | 677.1億円 |
| 親会社の所有者に帰属する持分 | — | — | 4920.9億円 | 6273.9億円 | 6153.0億円 |
| 総資産額 | — | — | 18315.6億円 | 13258.9億円 | 12830.0億円 |
| 1株当たり親会社所有者帰属持分 | — | — | 530.01円/株 | 675.73円/株 | 663.58円/株 |
| 基本的1株当たり利益又は損失(△) | — | — | 39.78円/株 | 110.53円/株 | 73.53円/株 |
| 希薄化後1株当たり利益又は損失(△) | — | — | 39.78円/株 | 110.53円/株 | 73.53円/株 |
| 親会社所有者帰属持分比率 | — | — | 26.9% | 47.3% | 48.0% |
| 親会社所有者帰属持分利益率 | — | — | 7.7% | 18.3% | 11.0% |
| 株価収益率 | — | — | — | — | 1210.0% |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | — | — | 362.5億円 | 384.0億円 | 2154.3億円 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | — | — | -712.8億円 | 902.4億円 | -221.2億円 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | — | — | 513.2億円 | -1543.6億円 | -1722.5億円 |
| 現金及び現金同等物 | — | — | 580.2億円 | 367.8億円 | 583.2億円 |
| 従業員数 | — | — | 1043100.0% | 928200.0% | 1041300.0% |
| 平均臨時雇用人員 | — | — | 18400.0% | 11400.0% | 21000.0% |
貸借対照表
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 財政状態計算書 | ||
| 資産 | 13258.9億円 | 12830.0億円 |
| ▶ 流動資産 | 5011.9億円 | 4942.4億円 |
| ▶ 非流動資産 | 8247.0億円 | 7887.7億円 |
| 資産 | 13258.9億円 | 12830.0億円 |
| 負債及び資本 | 13258.9億円 | 12830.0億円 |
| ▶ 負債 | 6050.9億円 | 5712.5億円 |
| ▶ 資本 | 7208.0億円 | 7117.5億円 |
| 負債及び資本 | 13258.9億円 | 12830.0億円 |
損益計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 損益計算書 | ||
| 合計 | 15123.5億円 | 7149.4億円 |
| 売上原価 | 13389.4億円 | 5579.8億円 |
| 売上総利益 | 1734.0億円 | 1569.6億円 |
| 販売費及び一般管理費 | 1053.9億円 | 1001.5億円 |
| 持分法による投資損益 | 551.1億円 | 609.6億円 |
| その他の収益合計 | 277.8億円 | 170.8億円 |
| その他の費用合計 | 647.3億円 | 223.7億円 |
| セグメント利益又は損失(△) | 861.7億円 | 1124.8億円 |
| 金融収益合計 | 31.4億円 | 24.1億円 |
| 金融費用合計 | 105.9億円 | 74.2億円 |
| 税引前利益(△損失) | 787.1億円 | 1074.8億円 |
| 法人所得税費用 | -361.7億円 | 260.9億円 |
| 当期利益(△損失) | 1148.9億円 | 813.9億円 |
| 当期利益(△損失)の帰属 | ||
| 1株当たり当期利益(△損失) | ||
キャッシュフロー計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| キャッシュ・フロー計算書 | ||
| ▶ 営業活動によるキャッシュ・フロー | 384.0億円 | 2154.3億円 |
| ▶ 投資活動によるキャッシュ・フロー | 902.4億円 | -221.2億円 |
| ▶ 財務活動によるキャッシュ・フロー | -1543.6億円 | -1722.5億円 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | -257.2億円 | 210.6億円 |
| 現金及び現金同等物 | 367.8億円 | 583.2億円 |
| 現金及び現金同等物に係る為替変動による影響 | 44.7億円 | 4.7億円 |
| 現金及び現金同等物 | 367.8億円 | 583.2億円 |