企業解説
1. 企業概要
日本板硝子(NSGグループ)は、2006年の英ピルキントン社買収を経て、世界最大級のガラスメーカーとしてグローバルに事業を展開しています。
- 事業内容・主要製品: 主に「建築用ガラス」(板ガラス、太陽電池パネル用ガラス等)、「自動車用ガラス」(新車・補修用等)、「高機能ガラス」(ディスプレイ用薄板ガラス、光通信デバイス等)の3事業で構成されます。
- 主要顧客: 自動車メーカー(OEM)、建設会社、住宅メーカー、および太陽電池パネルメーカー(First Solar, Inc.が連結売上の10.1%を占める最大顧客)です。
- 競合環境: 素材メーカーとして世界的な価格競争に加え、プラスチックや金属等の代替素材、および政府助成を受ける競合他社の台頭など、厳しい競争環境にあります。
2. 要点(3行)
- 2025年3月期は売上高8,404億円と微増ながら、欧州の景気減速やインフレによるコスト増で138億円の最終赤字に転落。
- 自己資本比率が10.5%まで低下し、無配を継続するなど、多額の有利子負債(ネット借入金4,543億円)を抱えた財務基盤の脆さが顕著。
- 北米自動車用ガラスののれん減損リスク(余裕度わずか74億円)や金利上昇への脆弱性が、将来キャッシュ・フローの大きな懸念材料。
3. 業績・収益性のトレンド
- 売上高: 8,404億円(前年同期比0.9%増)。円安による為替換算のプラス効果があったものの、実質的な需要は停滞しました。
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成長性の軌跡
● 売上高(棒、左軸) ● 当期純利益(折れ線、左軸) ● 経常利益率(折れ線、右軸)
資本効率の解剖
ROE
デュポン分解(ROE = 純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ)
還元と評価
■ EPS 1株当たり純利益(棒・左軸) ■ DPS 1株当たり配当(棒・左軸) ● PBR 株価純資産倍率(折れ線・右軸) DPS÷EPS=配当性向
キャッシュフローの質
■ 営業CF(棒・正側) ■ 投資CF(棒・負側) ■ 財務CF(棒・負側に積み上げ) ● 当期純利益(折れ線)
財務諸表
経営指標
| 項目 | 2021年03月期 | 2022年03月期 | 2023年03月期 | 2024年03月期 | 2025年03月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 連結経営指標等 | |||||
| 売上収益 | 4992.2億円 | 6005.7億円 | 7635.2億円 | 8325.4億円 | 8404.0億円 |
| 税引前利益又は税引前損失(△) | -171.7億円 | 118.6億円 | -219.3億円 | 176.0億円 | -85.3億円 |
| 当期利益又は当期損失(△):親会社の所有者に帰属 | -169.3億円 | 41.3億円 | -337.6億円 | 106.3億円 | -138.3億円 |
| 当期包括利益:親会社の所有者に帰属 | -134.1億円 | 773.7億円 | -583.0億円 | 76.2億円 | -262.1億円 |
| 親会社の所有者に帰属する持分 | 629.4億円 | 1452.9億円 | 970.4億円 | 1242.8億円 | 1080.7億円 |
| 総資産額 | 8249.6億円 | 9392.8億円 | 9513.9億円 | 10075.9億円 | 10329.3億円 |
| 1株当たり親会社所有者帰属持分 | 349.65円/株 | 1,255.96円/株 | 723.78円/株 | 1,021.29円/株 | 843.04円/株 |
| 基本的1株当たり利益又は損失(△) | -208.32円/株 | 24.07円/株 | -393.06円/株 | 95.4円/株 | -173.2円/株 |
| 希薄化後1株当たり利益又は損失(△) | -208.32円/株 | 23.92円/株 | -393.06円/株 | 74.85円/株 | -173.2円/株 |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 7.6% | 15.5% | 10.2% | 12.3% | 10.5% |
| 親会社所有者帰属持分利益率 | -24.8% | 4.0% | -27.9% | 9.6% | -11.9% |
| 株価収益率 | — | 1778.0% | — | 553.0% | — |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 210.5億円 | 450.6億円 | 485.1億円 | 587.7億円 | 524.2億円 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | -255.9億円 | -227.9億円 | -346.5億円 | -435.1億円 | -424.4億円 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 135.4億円 | -208.2億円 | -78.9億円 | -480.8億円 | 85.1億円 |
| 現金及び現金同等物 | 535.0億円 | 600.1億円 | 685.2億円 | 442.8億円 | 629.8億円 |
| 従業員数 | 2595500.0% | 2523200.0% | 2488000.0% | 2535600.0% | 2540600.0% |
| 平均臨時雇用人員 | 254500.0% | 237400.0% | 250800.0% | 248900.0% | 228600.0% |
貸借対照表
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 財政状態計算書 | ||
| 資産 | 10075.9億円 | 10329.3億円 |
| ▶ 非流動資産 | 6862.9億円 | 7097.6億円 |
| ▶ 流動資産 | 3213.0億円 | 3231.7億円 |
| 資産 | 10075.9億円 | 10329.3億円 |
| 負債及び資本 | ||
| ▶ 流動負債 | 3698.9億円 | 4094.4億円 |
| ▶ 非流動負債 | 4838.6億円 | 4810.8億円 |
| 負債 | 8537.5億円 | 8905.2億円 |
| 資本 | 1538.4億円 | 1424.1億円 |
| ▶ 親会社の所有者に帰属する持分 | 1242.8億円 | 1080.7億円 |
| 非支配持分 | 295.6億円 | 343.5億円 |
| 資本 | 1538.4億円 | 1424.1億円 |
| 負債及び資本 | 10075.9億円 | 10329.3億円 |
損益計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 損益計算書 | ||
| セグメント売上高計 | 8325.4億円 | 8404.0億円 |
| 売上原価 | 6520.6億円 | 6722.3億円 |
| 売上総利益 | 1804.8億円 | 1681.7億円 |
| その他の収益 | 14.1億円 | 25.1億円 |
| 販売費 | 641.2億円 | 673.9億円 |
| 管理費 | 774.5億円 | 802.1億円 |
| その他の費用 | 44.6億円 | 65.9億円 |
| 個別開示項目前営業利益 | 358.6億円 | 164.9億円 |
| 個別開示項目収益(IFRS) | 21.5億円 | 54.8億円 |
| 個別開示項目費用(IFRS) | 20.6億円 | 107.3億円 |
| 個別開示項目後営業利益 | 359.5億円 | 112.4億円 |
| 金融収益 | 106.1億円 | 34.4億円 |
| 金融費用 | 388.2億円 | 287.3億円 |
| 持分法適用会社に対する金融債権の減損損失の戻入益 | 37.4億円 | — |
| 持分法による投資損益(△は損失) | 50.9億円 | 55.3億円 |
| 持分法投資に関するその他の利益 | 10.2億円 | — |
| 税引前利益(△は損失) | 176.0億円 | -85.3億円 |
| 法人所得税費用 | 66.7億円 | 49.4億円 |
| 合計 | 109.3億円 | -134.7億円 |
| 当期利益(△損失)の帰属 | ||
| 親会社の所有者に帰属する1株当たり当期利益 | ||
キャッシュフロー計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| キャッシュ・フロー計算書 | ||
| ▶ 営業活動によるキャッシュ・フロー | 587.7億円 | 524.2億円 |
| ▶ 投資活動によるキャッシュ・フロー | -435.1億円 | -424.4億円 |
| ▶ 財務活動によるキャッシュ・フロー | -480.8億円 | 85.1億円 |
| 現金及び現金同等物の増減額 | -328.2億円 | 184.9億円 |
| キャッシュ・フロー計算書の「現金及び現金同等物」期末残高が財政状態計算書の「現金及び現金同等物」と異なる場合、本要素をキャッシュ・フロー計算書の「現金及び現金同等物」として用いる。 | 442.8億円 | 629.8億円 |
| 現金及び現金同等物の為替変動による影響 | 19.4億円 | -25.4億円 |
| 超インフレの調整 | 66.4億円 | 27.5億円 |
| キャッシュ・フロー計算書の「現金及び現金同等物」期末残高が財政状態計算書の「現金及び現金同等物」と異なる場合、本要素をキャッシュ・フロー計算書の「現金及び現金同等物」として用いる。 | 442.8億円 | 629.8億円 |