企業解説
1. 企業概要
DMG森精機株式会社は、旋盤、マシニングセンタ、複合加工機、5軸加工機などの工作機械で世界最大級のシェアを誇るグローバル企業です。ドイツのDMG MORI AGと統合し、日独の高度な技術を融合させた製品ラインナップを展開しています。主要製品は「MX(マシニング・トランスフォーメーション)」を掲げた自動化・高精度機であり、航空宇宙、メディカル、金型、エネルギーといった高付加価値産業を主要顧客としています。競合環境は世界規模で激しいものの、直販・直サービス体制によるトータルソリューション提供が強力な差別化要因となっています。
2. 要点(3行)
- ロシア子会社の収用に伴う非継続事業からの損失(約150億円)により当期利益は77億円(前期比77.3%減)と激減したが、売上高は5,409億円と過去最高水準を維持。
- 機械1台当たりの受注単価が7,100万円(前期6,190万円)へ上昇しており、MX戦略による製品の高付加価値化と、利益率の高いサービス部門(セグメント利益12.8%増)が収益を支える。
- 太陽工機の100%子会社化や倉敷機械(現DMG MORI Precision Boring)の買収など、特定の加工領域に強い企業のM&Aにより、2030年の売上高8,000億円達成に向けた布石を打っている。
3. 業績・収益性のトレンド
連結売上収益は5,409億円(前期比0.3%増)と横ばいでしたが、営業利益は437億円(21.0%減)、税引前利益は371億円(24.4%減)となりました。減益の主な理由は、欧州や日本、中国市場での受注弱含み(中国は輸出管理強化の影響で24%減)に加え、原材料費や人件費の上昇が影響しています。
- ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率): 2.6%(前期13.2%)へ大幅低下。これはロシア事業に係る一過性の損失が主因です。
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プランをアップグレード業績チャート
成長性の軌跡
● 売上高(棒、左軸) ● 当期純利益(折れ線、左軸) ● 経常利益率(折れ線、右軸)
資本効率の解剖
ROE
デュポン分解(ROE = 純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ)
還元と評価
■ EPS 1株当たり純利益(棒・左軸) ■ DPS 1株当たり配当(棒・左軸) ● PBR 株価純資産倍率(折れ線・右軸) DPS÷EPS=配当性向
キャッシュフローの質
■ 営業CF(棒・正側) ■ 投資CF(棒・負側) ■ 財務CF(棒・負側に積み上げ) ● 当期純利益(折れ線)
財務諸表
経営指標
| 項目 | 2020年12月期 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 連結経営指標等 | |||||
| 売上収益 | 3282.8億円 | 3960.1億円 | 4747.7億円 | 5394.5億円 | 5409.4億円 |
| 営業利益又は営業損失(△)(IFRS)、経営指標等 | 106.7億円 | 230.7億円 | 412.1億円 | 553.6億円 | 437.3億円 |
| 税引前利益又は税引前損失(△) | 51.1億円 | 196.1億円 | 365.3億円 | 491.1億円 | 371.4億円 |
| 当期利益又は当期損失(△):親会社の所有者に帰属 | 17.4億円 | 134.6億円 | 254.1億円 | 339.4億円 | 77.0億円 |
| 当期包括利益:親会社の所有者に帰属 | -33.8億円 | 312.3億円 | 407.9億円 | 421.1億円 | 234.4億円 |
| 親会社の所有者に帰属する持分 | 1854.2億円 | 2131.4億円 | 2459.0億円 | 2679.9億円 | 3145.2億円 |
| 総資産額 | 5265.3億円 | 5971.2億円 | 6803.3億円 | 7658.1億円 | 7975.7億円 |
| 1株当たり親会社所有者帰属持分 | 1,493.86円/株 | 1,703.51円/株 | 1,957.61円/株 | 2,134.72円/株 | 2,224.02円/株 |
| 基本的1株当たり利益又は損失(△) | 3.4円/株 | 91.75円/株 | 188.62円/株 | 256.66円/株 | 43.6円/株 |
| 希薄化後1株当たり利益又は損失(△) | 3.4円/株 | 91.75円/株 | 188.62円/株 | 256.66円/株 | 42.51円/株 |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 35.2% | 35.7% | 36.1% | 35.0% | 39.4% |
| 親会社所有者帰属持分利益率 | 1.1% | 6.8% | 11.1% | 13.2% | 2.6% |
| 株価収益率 | 46110.0% | 2150.0% | 930.0% | 1050.0% | 5830.0% |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 136.5億円 | 497.3億円 | 697.5億円 | 516.1億円 | 445.8億円 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | -188.6億円 | -193.8億円 | -448.7億円 | -367.3億円 | -381.9億円 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 107.9億円 | -182.7億円 | -389.8億円 | -163.7億円 | -56.6億円 |
| 現金及び現金同等物 | 337.5億円 | 473.0億円 | 369.9億円 | 392.1億円 | 417.5億円 |
| 従業員数 | 1216000.0% | 1225900.0% | 1262600.0% | 1348400.0% | 1395100.0% |
貸借対照表
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 財政状態計算書 | ||
| 資産 | 7658.1億円 | 7975.7億円 |
| ▶ 流動資産 | 3237.7億円 | 3177.1億円 |
| ▶ 非流動資産 | 4420.3億円 | 4798.6億円 |
| 資産 | 7658.1億円 | 7975.7億円 |
| 負債及び資本 | 7658.1億円 | 7975.7億円 |
| ▶ 負債 | 4932.6億円 | 4810.9億円 |
| ▶ 資本 | 2725.4億円 | 3164.8億円 |
| 負債及び資本 | 7658.1億円 | 7975.7億円 |
損益計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 損益計算書 | ||
| 継続事業 | ||
| 収益 | ||
| ▶ 費用 | 4931.6億円 | 5112.8億円 |
| 営業利益(△損失) | 553.6億円 | 437.3億円 |
| 金融収益 | 11.2億円 | 14.9億円 |
| 金融費用 | 75.5億円 | 83.5億円 |
| 持分法による投資損益(△は損失) | 1.9億円 | 2.8億円 |
| 税引前利益(△損失) | 491.1億円 | 371.4億円 |
| 法人所得税費用 | 137.0億円 | 140.8億円 |
| 継続事業からの当期利益(△損失) | 354.1億円 | 230.5億円 |
| 非継続事業 | ||
| 非継続事業からの当期利益(△損失) | -11.8億円 | -150.7億円 |
| 当期利益(△損失) | 342.3億円 | 79.8億円 |
| 当期利益(△損失)の帰属 | ||
| 1株当たり当期利益(△損失) | ||
キャッシュフロー計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| キャッシュ・フロー計算書 | ||
| ▶ 営業活動によるキャッシュ・フロー | 516.1億円 | 445.8億円 |
| ▶ 投資活動によるキャッシュ・フロー | -367.3億円 | -381.9億円 |
| ▶ 財務活動によるキャッシュ・フロー | -163.7億円 | -56.6億円 |
| 現金及び現金同等物の為替変動による影響 | 37.1億円 | 18.1億円 |
| 換算差額を加算後の増減額及び換算差額がない場合の増減額に用いる。 | 22.2億円 | 25.3億円 |
| 現金及び現金同等物 | 392.1億円 | 417.5億円 |
| 現金及び現金同等物 | 392.1億円 | 417.5億円 |