企業解説
1. 企業概要
株式会社ダイヘンは、電力インフラを支える受変電設備から、産業ロボット、溶接機までを手掛ける総合電気メーカーです。事業は大きく3セグメントで構成されています。
- エネルギーマネジメント:変圧器、受変電設備、分散型電源(蓄電池システム等)。主要顧客は関西電力(売上比率11.1%)等の電力会社。
- ファクトリーオートメーション(FA):産業用ロボット、クリーン搬送ロボット。自動車・電機業界向け。
- マテリアルプロセシング:溶接機、プラズマ切断機、半導体製造装置用高周波電源。主要顧客に東京エレクトロン宮城(売上比率15.9%)を擁します。 競合は、電力機器では日立製作所や三菱電機、ロボット分野では安川電機やファナック等と一部競合しますが、変圧器と溶接機で国内トップクラスのシェアを誇る独自の地位を築いています。
2. 要点(3行)
- 売上高は前年比20.0%増の2,263億円と大幅伸長。電力インフラ需要とM&A効果が寄与したが、純利益は負ののれん発生益の剥落等で27.5%減の119億円となった。
- セグメント別では、再生可能エネルギー関連の「エネルギーマネジメント」と半導体向けの「マテリアルプロセシング」が好調な一方、自動車向け「FA」が投資先送りにより減益と明暗。
- 営業キャッシュ・フローが240億円と前年の赤字から急回復しており、積極的な海外M&A(ドイツ、オランダ、米国)を継続しつつ、配当性向30%超を維持する積極姿勢が鮮明。
3. 業績・収益性のトレンド
売上高は2,263億円(前年比20.0%増)と過去最高水準。経常利益も171億円(同6.8%増)と増益を確保しました。親会社株主に帰属する当期純利益が119億円(同27.5%減)となったのは、前期に計上された子会社化に伴う負ののれん発生益(約99億円)がなくなったためで、本業の収益性は堅調です。
- ROE(自己資本利益率):8.8%(前期13.3%から低下)。一過性利益の剥落が主因。
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プランをアップグレード業績チャート
成長性の軌跡
● 売上高(棒、左軸) ● 当期純利益(折れ線、左軸) ● 経常利益率(折れ線、右軸)
資本効率の解剖
ROE
デュポン分解(ROE = 純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ)
還元と評価
■ EPS 1株当たり純利益(棒・左軸) ■ DPS 1株当たり配当(棒・左軸) ● PBR 株価純資産倍率(折れ線・右軸) DPS÷EPS=配当性向
キャッシュフローの質
■ 営業CF(棒・正側) ■ 投資CF(棒・負側) ■ 財務CF(棒・負側に積み上げ) ● 当期純利益(折れ線)
財務諸表
経営指標
| 項目 | 2021年03月期 | 2022年03月期 | 2023年03月期 | 2024年03月期 | 2025年03月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 連結経営指標等 | |||||
| 売上高 | 1451.4億円 | 1606.2億円 | 1852.9億円 | 1885.7億円 | 2263.8億円 |
| 経常利益又は経常損失(△) | 137.6億円 | 157.9億円 | 176.6億円 | 160.8億円 | 171.8億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△) | 94.1億円 | 109.8億円 | 131.9億円 | 164.9億円 | 119.6億円 |
| 包括利益 | 137.0億円 | 124.1億円 | 171.0億円 | 256.1億円 | 124.3億円 |
| 純資産額 | 969.2億円 | 1056.4億円 | 1199.0億円 | 1486.0億円 | 1532.8億円 |
| 総資産額 | 1751.3億円 | 1948.0億円 | 2126.9億円 | 2772.0億円 | 2902.3億円 |
| 1株当たり純資産額 | 3,693.68円/株 | 4,063.09円/株 | 4,637.52円/株 | 5,493.67円/株 | 5,788.62円/株 |
| 1株当たり当期純利益又は当期純損失(△) | 381.28円/株 | 445.29円/株 | 537.67円/株 | 673.2円/株 | 493.31円/株 |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | — | — | — | — | — |
| 自己資本比率 | 52.1% | 51.2% | 53.5% | 48.4% | 47.7% |
| 自己資本利益率 | 11.0% | 11.5% | 12.4% | 13.3% | 8.8% |
| 株価収益率 | 1280.0% | 950.0% | 820.0% | 1380.0% | 1280.0% |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 139.4億円 | 129.5億円 | -72.3億円 | -89.9億円 | 240.1億円 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | -39.0億円 | -33.0億円 | -47.2億円 | -105.6億円 | -96.0億円 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | -55.8億円 | -53.1億円 | 18.9億円 | 259.5億円 | -59.8億円 |
| 現金及び現金同等物の残高 | 190.7億円 | 244.1億円 | 148.5億円 | 220.8億円 | 288.6億円 |
| 従業員数 | 381400.0% | 378300.0% | 373200.0% | 466900.0% | 460600.0% |
貸借対照表
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 貸借対照表 | ||
| 資産の部 | ||
| ▶ 流動資産 | 1869.7億円 | 1935.7億円 |
| ▶ 固定資産 | 902.3億円 | 966.7億円 |
| 資産 | 2772.0億円 | 2902.3億円 |
| 負債の部 | ||
| ▶ 流動負債 | 866.4億円 | 868.9億円 |
| ▶ 固定負債 | 419.6億円 | 500.6億円 |
| 負債 | 1286.0億円 | 1369.5億円 |
| 純資産の部 | ||
| ▶ 株主資本 | 1130.3億円 | 1175.4億円 |
| ▶ 評価・換算差額等 | 211.1億円 | 208.3億円 |
| 非支配株主持分 | 144.6億円 | 149.1億円 |
| 純資産 | 1486.0億円 | 1532.8億円 |
| 負債純資産 | 2772.0億円 | 2902.3億円 |
損益計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 損益計算書 | ||
| 売上高 | 1885.7億円 | 2263.8億円 |
| 売上原価 | 1351.7億円 | 1625.2億円 |
| 売上総利益又は売上総損失(△) | 534.0億円 | 638.6億円 |
| ▶ 販売費及び一般管理費 | 382.6億円 | 476.9億円 |
| 営業利益又は営業損失(△) | 151.4億円 | 161.7億円 |
| ▶ 営業外収益 | 22.1億円 | 27.5億円 |
| ▶ 営業外費用 | 12.7億円 | 17.4億円 |
| 経常利益又は経常損失(△) | 160.8億円 | 171.8億円 |
| ▶ 特別利益 | 101.8億円 | 12.6億円 |
| ▶ 特別損失 | 50.9億円 | 6.1億円 |
| 税引前当期純利益又は税引前当期純損失(△) | 211.8億円 | 178.3億円 |
| 法人税、住民税及び事業税 | 39.0億円 | 51.9億円 |
| 法人税等調整額 | 3.8億円 | -2.8億円 |
| 法人税等 | 42.8億円 | 49.1億円 |
| 当期純利益又は当期純損失(△) | 168.9億円 | 129.2億円 |
| 非支配株主に帰属する当期純利益又は非支配株主に帰属する当期純損失(△) | 4.0億円 | 9.6億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△) | 164.9億円 | 119.6億円 |
キャッシュフロー計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| キャッシュ・フロー計算書 | ||
| ▶ 営業活動によるキャッシュ・フロー | -89.9億円 | 240.1億円 |
| ▶ 投資活動によるキャッシュ・フロー | -105.6億円 | -96.0億円 |
| ▶ 財務活動によるキャッシュ・フロー | 259.5億円 | -59.8億円 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | 8.3億円 | -6.0億円 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | 72.2億円 | 78.3億円 |
| 現金及び現金同等物の残高 | 220.8億円 | 288.6億円 |
| 連結の範囲の変更に伴う現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | — | 1.6億円 |
| 連結子会社の決算期変更に伴う現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | — | -12.1億円 |
| 現金及び現金同等物の残高 | 220.8億円 | 288.6億円 |