企業解説
1. 企業概要
池上通信機株式会社は、放送用映像機器、セキュリティー、メディカル、検査装置を主軸とする情報通信機器メーカーです。1946年創業の老舗であり、「技術の池上」と称される高い技術力を背景に、放送局向け4K/8Kカメラシステムや、医薬向けの錠剤検査装置などを展開しています。
- 主要製品: 放送用カメラ、スタジオスイッチングシステム、医療用カメラ、錠剤外観検査装置。
- 主要顧客: 日本放送協会(NHK)が総売上の12.8%(26.55億円)を占める最大の顧客です。
- 競合環境: 放送用機器では国内外の専業メーカーと競合し、近年は放送技術のIP(Internet Protocol)化に伴う次世代技術への対応が急務となっています。
2. 要点(3行)
- 売上高207.34億円(前年同期比4.0%減)、営業利益2.54億円(同68.0%減)の大幅減益で、中国市場の医療用カメラ需要の低迷と北米市場の投資先送りが直撃した。
- 営業キャッシュ・フローが35.25億円の赤字へ転落。売上債権の増加と仕入債務の圧縮が重なり、手元流動性が急速に低下している。
- 通期純利益の激減に伴い、年間配当を前期の30円から12円へと大幅減配。ROEも1.7%と極めて低い水準に止まった。
3. 業績・収益性のトレンド
当連結会計年度の業績は、売上高207.34億円(前期比4.0%減)、営業利益2.54億円(同68.0%減)、経常利益2.90億円(同67.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2.35億円(同65.3%減)と、全指標で大幅なマイナスとなりました。
- 減益理由: 収益性の高い中国向け医療用カメラの納入が、現地の反腐敗運動や経済低迷の影響で来期以降へ延期されたことが最大の要因です。
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プランをアップグレード業績チャート
成長性の軌跡
● 売上高(棒、左軸) ● 当期純利益(折れ線、左軸) ● 経常利益率(折れ線、右軸)
資本効率の解剖
ROE
デュポン分解(ROE = 純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ)
還元と評価
■ EPS 1株当たり純利益(棒・左軸) ■ DPS 1株当たり配当(棒・左軸) ● PBR 株価純資産倍率(折れ線・右軸) DPS÷EPS=配当性向
キャッシュフローの質
■ 営業CF(棒・正側) ■ 投資CF(棒・負側) ■ 財務CF(棒・負側に積み上げ) ● 当期純利益(折れ線)
財務諸表
経営指標
| 項目 | 2021年03月期 | 2022年03月期 | 2023年03月期 | 2024年03月期 | 2025年03月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 連結経営指標等 | |||||
| 売上高 | 218.5億円 | 184.7億円 | 221.5億円 | 216.0億円 | 207.3億円 |
| 経常利益又は経常損失(△) | 5.0億円 | 2.9億円 | -10.0億円 | 9.0億円 | 2.9億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△) | 4.4億円 | 1.8億円 | -10.7億円 | 6.8億円 | 2.4億円 |
| 包括利益 | 5.9億円 | 3.1億円 | -9.4億円 | 10.4億円 | 1.6億円 |
| 純資産額 | 134.9億円 | 137.1億円 | 127.1億円 | 136.9億円 | 136.6億円 |
| 総資産額 | 250.2億円 | 274.0億円 | 289.6億円 | 306.1億円 | 288.4億円 |
| 1株当たり純資産額 | 2,111.91円/株 | 2,144.67円/株 | 1,986.53円/株 | 2,137.26円/株 | 2,130.75円/株 |
| 1株当たり当期純利益又は当期純損失(△) | 69.56円/株 | 27.98円/株 | -167.96円/株 | 106.15円/株 | 36.82円/株 |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | — | — | — | — | — |
| 自己資本比率 | 53.9% | 50.0% | 43.9% | 44.7% | 47.4% |
| 自己資本利益率 | 3.3% | 1.3% | — | 5.1% | 1.7% |
| 株価収益率 | 1280.0% | 2260.0% | — | 800.0% | 1700.0% |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 11.6億円 | -16.2億円 | -11.9億円 | 29.6億円 | -35.3億円 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | -7.3億円 | -9.8億円 | -3.4億円 | -7.8億円 | -5.3億円 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | -7.1億円 | 20.6億円 | 2.7億円 | -2.5億円 | 11.1億円 |
| 現金及び現金同等物の残高 | 61.3億円 | 56.6億円 | 44.8億円 | 65.3億円 | 35.8億円 |
| 従業員数 | 88700.0% | 87100.0% | 84900.0% | 81800.0% | 81200.0% |
貸借対照表
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 貸借対照表 | ||
| 資産の部 | ||
| ▶ 流動資産 | 252.9億円 | 235.4億円 |
| ▶ 固定資産 | 53.3億円 | 53.0億円 |
| 資産 | 306.1億円 | 288.4億円 |
| 負債の部 | ||
| ▶ 流動負債 | 124.1億円 | 109.5億円 |
| ▶ 固定負債 | 45.1億円 | 42.3億円 |
| 負債 | 169.3億円 | 151.8億円 |
| 純資産の部 | ||
| ▶ 株主資本 | 141.0億円 | 141.5億円 |
| ▶ 評価・換算差額等 | -4.2億円 | -4.9億円 |
| 純資産 | 136.9億円 | 136.6億円 |
| 負債純資産 | 306.1億円 | 288.4億円 |
損益計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 損益計算書 | ||
| 売上高 | 216.0億円 | 207.3億円 |
| 売上原価 | 148.7億円 | 148.2億円 |
| 売上総利益又は売上総損失(△) | 67.4億円 | 59.1億円 |
| 販売費及び一般管理費 | 59.4億円 | 56.6億円 |
| 営業利益又は営業損失(△) | 7.9億円 | 2.5億円 |
| ▶ 営業外収益 | 1.8億円 | 1.5億円 |
| ▶ 営業外費用 | 0.7億円 | 1.1億円 |
| 経常利益又は経常損失(△) | 9.0億円 | 2.9億円 |
| ▶ 特別利益 | 0.0億円 | 0.0億円 |
| ▶ 特別損失 | 0.0億円 | 0.0億円 |
| 税引前当期純利益又は税引前当期純損失(△) | 9.0億円 | 2.9億円 |
| 法人税、住民税及び事業税 | 2.3億円 | 0.3億円 |
| 法人税等調整額 | -0.1億円 | 0.2億円 |
| 法人税等 | 2.2億円 | 0.6億円 |
| 当期純利益又は当期純損失(△) | 6.8億円 | 2.4億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△) | 6.8億円 | 2.4億円 |
キャッシュフロー計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| キャッシュ・フロー計算書 | ||
| ▶ 営業活動によるキャッシュ・フロー | 29.6億円 | -35.3億円 |
| ▶ 投資活動によるキャッシュ・フロー | -7.8億円 | -5.3億円 |
| ▶ 財務活動によるキャッシュ・フロー | -2.5億円 | 11.1億円 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | 1.2億円 | -0.0億円 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | 20.5億円 | -29.5億円 |
| 現金及び現金同等物の残高 | 65.3億円 | 35.8億円 |
| 現金及び現金同等物の残高 | 65.3億円 | 35.8億円 |