企業解説
1. 企業概要
日東電工株式会社(Nitto)は、「三新活動(新用途開拓・新製品開発)」と「ニッチトップ戦略」を核に、高機能材料を展開するグローバル企業です。主な事業は、接合・保護・自動車材料などの**「インダストリアルテープ」、液晶用偏光フィルムやハードディスクドライブ(HDD)用回路材料を扱う「オプトロニクス」、核酸医薬受託製造や分離膜(メンブレン)、おむつ用部材を扱う「ヒューマンライフ」**の3部門です。主要顧客として、売上収益の10%以上に貢献する特定の顧客グループ(ハイテク関連と推察される)が存在し、当該グループ向け売上は1,068億円に達しています。競合環境としては、ディスプレイ材料や半導体材料分野で高いシェアを誇りますが、韓国・中国メーカーとの価格競争や技術の汎用化リスクに常に晒されています。
2. 要点(3行)
- 売上収益1兆円を突破: 生成AI普及に伴うデータセンター向けHDD用回路材料やハイエンドスマホ向け部材が牽引し、前期比10.8%増の1兆138億円、親会社帰属純利益は33.7%増の1,372億円と大幅な増収増益を達成。
- セグメント間の明暗が鮮明: オプトロニクス事業が利益成長を独走する一方、ヒューマンライフ事業や新規事業(その他)において、パーソナルケア事業やフレキシブルセンサ事業の計画見直しに伴う合計123億円の減損損失を計上。
- 強固な財務と積極還元: 自己資本比率79.0%という極めて高い財務健全性を背景に、DOE(株主資本配当率)4%以上を目標とし、実質増配と263億円規模の自己株式消却を実施するなど、株主還元姿勢を強化。
3. 業績・収益性のトレンド
売上収益は1兆138億円(前期比10.8%増)、税引前当期利益は1,853億円(同33.4%増)と、過去最高水準を記録しました。増益の主因は、高付加価値なIT・データセンター向け製品の伸長に加え、為替の円安推移が営業利益を233億円押し上げたことです。
- ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率): 13.5%(前期10.9%)と大幅に改善。中期経営計画目標の15%に向け着実に進捗しています。
続きで読める項目(スタンダードプラン以上)
- 🔒 業績・収益性のトレンド
- 🔒 事業セグメント別の明暗
- 🔒 成長戦略の具体性と進捗
- 🔒 重大なリスク
- 🔒 株主還元姿勢
- 🔒 キャッシュフローの質
- 🔒 資産の健全性
- 🔒 総評
上記の詳細分析はスタンダードプラン以上でご覧いただけます。
プランをアップグレード市場ポジション
サンプル
市場内
業種内
- スタンダードプラン以上で見られます
- 🔒 収益性・効率性・成長性・回転・安全性・割安の6カテゴリ別スコア(市場内・業種内)
- 🔒 各指標の市場内・業種内ランキング(例:営業利益率 12位 / 1,100社)
- 🔒 レーダーチャートによる強み・弱みの一覧
市場ポジションはスタンダードプラン以上でご覧いただけます。
プランをアップグレード業績チャート
成長性の軌跡
● 売上高(棒、左軸) ● 当期純利益(折れ線、左軸) ● 経常利益率(折れ線、右軸)
資本効率の解剖
ROE
デュポン分解(ROE = 純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ)
還元と評価
■ EPS 1株当たり純利益(棒・左軸) ■ DPS 1株当たり配当(棒・左軸) ● PBR 株価純資産倍率(折れ線・右軸) DPS÷EPS=配当性向
キャッシュフローの質
■ 営業CF(棒・正側) ■ 投資CF(棒・負側) ■ 財務CF(棒・負側に積み上げ) ● 当期純利益(折れ線)
財務諸表
経営指標
| 項目 | 2021年03月期 | 2022年03月期 | 2023年03月期 | 2024年03月期 | 2025年03月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 連結経営指標等 | |||||
| 売上収益 | 7613.2億円 | 8534.5億円 | 9290.4億円 | 9151.4億円 | 10138.8億円 |
| 税引前利益又は税引前損失(△) | 933.2億円 | 1323.8億円 | 1468.4億円 | 1389.0億円 | 1853.3億円 |
| 当期利益又は当期損失(△):親会社の所有者に帰属 | 702.4億円 | 971.3億円 | 1091.7億円 | 1026.8億円 | 1372.4億円 |
| 当期包括利益:親会社の所有者に帰属 | 897.1億円 | 1362.1億円 | 1370.8億円 | 1648.2億円 | 1327.8億円 |
| 親会社の所有者に帰属する持分 | 7158.7億円 | 8211.9億円 | 9022.1億円 | 9840.2億円 | 10440.8億円 |
| 総資産額 | 9659.0億円 | 10944.7億円 | 11536.5億円 | 12510.9億円 | 13219.2億円 |
| 1株当たり親会社所有者帰属持分 | 967.61円/株 | 1,109.62円/株 | 1,236.6円/株 | 1,391.36円/株 | 1,502.42円/株 |
| 基本的1株当たり利益又は損失(△) | 94.54円/株 | 131.26円/株 | 147.75円/株 | 143.91円/株 | 195.74円/株 |
| 希薄化後1株当たり利益又は損失(△) | 94.48円/株 | 131.2円/株 | 147.7円/株 | 143.86円/株 | 195.65円/株 |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 74.1% | 75.0% | 78.2% | 78.7% | 79.0% |
| 親会社所有者帰属持分利益率 | 10.0% | 12.6% | 12.7% | 10.9% | 13.5% |
| 株価収益率 | 2000.0% | 1340.0% | 1160.0% | 1920.0% | 1400.0% |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 1163.1億円 | 1444.9億円 | 1817.0億円 | 1555.2億円 | 2179.1億円 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | -575.4億円 | -575.9億円 | -1599.1億円 | -679.3億円 | -1151.0億円 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | -683.0億円 | -366.4億円 | -576.3億円 | -907.8億円 | -788.9億円 |
| 現金及び現金同等物 | 3008.9億円 | 3620.5億円 | 3299.7億円 | 3422.7億円 | 3633.4億円 |
| 従業員数 | 2542400.0% | 2596100.0% | 2607000.0% | 2530000.0% | 2576900.0% |
| 平均臨時雇用人員 | 270000.0% | 242500.0% | 212300.0% | 193400.0% | 184000.0% |
貸借対照表
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 財政状態計算書 | ||
| 資産 | ||
| ▶ 流動資産 | 7179.6億円 | 7502.1億円 |
| ▶ 非流動資産 | 5331.3億円 | 5717.1億円 |
| セグメント資産合計 | 12510.9億円 | 13219.2億円 |
| 負債及び資本 | 12510.9億円 | 13219.2億円 |
| ▶ 負債 | 2660.4億円 | 2768.1億円 |
| ▶ 資本 | 9850.5億円 | 10451.1億円 |
| 負債及び資本 | 12510.9億円 | 13219.2億円 |
損益計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 損益計算書 | ||
| セグメント売上収益合計 | 9151.4億円 | 10138.8億円 |
| 売上原価 | 5842.8億円 | 6183.6億円 |
| 売上総利益 | 3308.6億円 | 3955.1億円 |
| 販売費及び一般管理費 | 1461.4億円 | 1518.3億円 |
| 研究開発費 | 434.9億円 | 467.7億円 |
| その他の収益 | 99.1億円 | 118.3億円 |
| その他の費用 | 120.1億円 | 230.7億円 |
| 営業利益(△は損失) | 1391.3億円 | 1856.7億円 |
| 金融収益合計 | 21.9億円 | 29.0億円 |
| 金融費用合計 | 24.6億円 | 31.3億円 |
| 持分法による投資損益(△は損失) | 0.3億円 | -1.1億円 |
| 税引前利益(△損失) | 1389.0億円 | 1853.3億円 |
| 法人所得税費用 | 361.5億円 | 480.2億円 |
| 合計 | 1027.5億円 | 1373.1億円 |
| 当期利益(△損失)の帰属 | ||
| 親会社の所有者に帰属する1株当たり当期利益 | ||
キャッシュフロー計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| キャッシュ・フロー計算書 | ||
| ▶ 営業活動によるキャッシュ・フロー | 1555.2億円 | 2179.1億円 |
| ▶ 投資活動によるキャッシュ・フロー | -679.3億円 | -1151.0億円 |
| ▶ 財務活動によるキャッシュ・フロー | -907.8億円 | -788.9億円 |
| 現金及び現金同等物に係る為替換算差額の影響額 | 135.7億円 | -28.4億円 |
| 売却目的で保有する資産に含まれる現金及び現金同等物の振戻額 | 19.2億円 | — |
| 現金及び現金同等物の増減額 | 123.0億円 | 210.7億円 |
| 現金及び現金同等物 | 3422.7億円 | 3633.4億円 |
| 現金及び現金同等物 | 3422.7億円 | 3633.4億円 |