企業解説
1. 企業概要
日本精機株式会社は、四輪・二輪車用計器(メーター)およびヘッドアップディスプレイ(HUD)を主力とする自動車部品メーカーです。特にHUDにおいては世界トップクラスのシェアを誇ります。また、家電・OA機器などの表示パネル(民生部品事業)、樹脂材料の加工(樹脂コンパウンド事業)、新潟県内でのホンダ・マツダ車の販売(自動車販売事業)を展開しています。
- 主要製品: 自動車用計器、HUD、センサー、空調リモコン、樹脂材料。
- 主要顧客: 本田技研工業(ホンダ)グループへの売上高が全体の28.4%(897.8億円)を占め、依存度が極めて高い状況にあります。
- 競合環境: 自動車の電動化・高度運転支援(ADAS)化に伴い、次世代HMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)としてのHUD需要は拡大していますが、デンソーやコンチネンタル等のメガサプライヤーとの激しい開発競争に晒されています。
2. 要点(3行)
- 連結売上高は3,163.9億円(前期比1.3%増)、営業利益は95.8億円(同13.0%増)と増収増益を確保し、筋肉質な企業体質への転換が進む。
- HUD事業の強化と欧州事業の黒字化を柱とする中期経営計画を推進する一方、インドでのGST(物品サービス税)訴訟に関連する10.3億円の費用計上が利益を圧迫。
- 年間配当を50円(前期比5円増)へ増配し、20億円を上限とする自社株買いを発表するなど、ROEの低さ(2.79%)を意識した積極的な株主還元姿勢が鮮明。
3. 業績・収益性のトレンド
売上高は、中国市場での日本車苦戦の影響を受けたものの、アセアン・インドでの二輪車向け計器の伸長や円安効果により、3,163.9億円(前期比1.3%増)となりました。利益面では、原材料高騰分の価格転嫁交渉や原価低減活動が奏功し、営業利益は95.8億円(同13.0%増)と二桁増益を達成しました。
- ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率): 2.79%(前期2.52%)と微増ながら、依然として資本効率は低い水準にあります。
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プランをアップグレード業績チャート
成長性の軌跡
● 売上高(棒、左軸) ● 当期純利益(折れ線、左軸) ● 経常利益率(折れ線、右軸)
資本効率の解剖
ROE
デュポン分解(ROE = 純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ)
還元と評価
■ EPS 1株当たり純利益(棒・左軸) ■ DPS 1株当たり配当(棒・左軸) ● PBR 株価純資産倍率(折れ線・右軸) DPS÷EPS=配当性向
キャッシュフローの質
■ 営業CF(棒・正側) ■ 投資CF(棒・負側) ■ 財務CF(棒・負側に積み上げ) ● 当期純利益(折れ線)
財務諸表
経営指標
| 項目 | 2021年03月期 | 2022年03月期 | 2023年03月期 | 2024年03月期 | 2025年03月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 連結経営指標等 | |||||
| 売上収益 | 2169.3億円 | 2236.2億円 | 2757.8億円 | 3123.6億円 | 3164.0億円 |
| 税引前利益又は税引前損失(△) | 62.0億円 | -14.0億円 | 63.8億円 | 139.3億円 | 93.4億円 |
| 当期利益又は当期損失(△):親会社の所有者に帰属 | 5.2億円 | -51.8億円 | 13.1億円 | 53.0億円 | 61.2億円 |
| 当期包括利益:親会社の所有者に帰属 | 94.3億円 | 94.7億円 | 154.3億円 | 253.8億円 | 11.3億円 |
| 親会社の所有者に帰属する持分 | 1792.2億円 | 1862.6億円 | 1995.4億円 | 2215.4億円 | 2166.9億円 |
| 総資産額 | 3151.9億円 | 3295.5億円 | 3562.3億円 | 3386.3億円 | 3320.9億円 |
| 1株当たり親会社所有者帰属持分 | 2,971.91円/株 | 3,087.64円/株 | 3,306.53円/株 | 3,716.91円/株 | 3,777.72円/株 |
| 基本的1株当たり利益又は損失(△) | 8.97円/株 | -85.88円/株 | 21.65円/株 | 88.04円/株 | 104.88円/株 |
| 希薄化後1株当たり利益又は損失(△) | 8.95円/株 | -85.88円/株 | 21.62円/株 | 87.93円/株 | 104.74円/株 |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 56.9% | 56.5% | 56.0% | 65.4% | 65.3% |
| 親会社所有者帰属持分利益率 | 0.3% | -2.8% | 0.7% | 2.5% | 2.8% |
| 株価収益率 | 14310.0% | — | 3699.0% | 1736.0% | 1106.0% |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 106.0億円 | -54.4億円 | -180.6億円 | 246.4億円 | 152.7億円 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | -130.1億円 | -75.2億円 | 197.1億円 | 379.3億円 | -83.1億円 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 48.8億円 | -55.0億円 | 20.3億円 | -595.8億円 | -47.5億円 |
| 現金及び現金同等物 | 416.5億円 | 248.0億円 | 300.4億円 | 332.6億円 | 353.1億円 |
| 従業員数 | 1364100.0% | 1338600.0% | 1362400.0% | 1329100.0% | 1345000.0% |
貸借対照表
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 財政状態計算書 | ||
| 資産 | 3386.3億円 | 3320.9億円 |
| ▶ 流動資産 | 2132.3億円 | 2165.0億円 |
| ▶ 非流動資産 | 1254.0億円 | 1156.0億円 |
| 資産 | 3386.3億円 | 3320.9億円 |
| 負債及び資本 | 3386.3億円 | 3320.9億円 |
| ▶ 負債 | 1095.8億円 | 1118.6億円 |
| ▶ 資本 | 2290.5億円 | 2202.3億円 |
| 負債及び資本 | 3386.3億円 | 3320.9億円 |
損益計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 損益計算書 | ||
| 売上収益 | 3123.6億円 | 3164.0億円 |
| 売上原価 | 2668.8億円 | 2700.6億円 |
| 売上総利益 | 454.7億円 | 463.4億円 |
| 販売費及び一般管理費 | 360.6億円 | 367.8億円 |
| その他の収益 | 14.7億円 | 16.9億円 |
| その他の費用 | 24.0億円 | 16.6億円 |
| 営業利益 | 84.8億円 | 95.8億円 |
| 金融収益 | 55.9億円 | 21.0億円 |
| 金融費用 | 1.4億円 | 23.4億円 |
| 税引前四半期利益又は損失(△) | 139.3億円 | 93.4億円 |
| 法人所得税費用 | 83.1億円 | 30.7億円 |
| 当期利益又は損失(△) | 56.2億円 | 62.7億円 |
| 当期利益又は損失(△)の帰属 | ||
| 1株当たり当期利益又は損失(△) | ||
キャッシュフロー計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| キャッシュ・フロー計算書 | ||
| ▶ 営業活動によるキャッシュ・フロー | 246.4億円 | 152.7億円 |
| ▶ 投資活動によるキャッシュ・フロー | 379.3億円 | -83.1億円 |
| ▶ 財務活動によるキャッシュ・フロー | -595.8億円 | -47.5億円 |
| 現金及び現金同等物の為替変動による影響 | 2.2億円 | -1.6億円 |
| 換算差額を加算後の増減額及び換算差額がない場合の増減額に用いる。 | 32.1億円 | 20.5億円 |
| 現金及び現金同等物 | 332.6億円 | 353.1億円 |
| 現金及び現金同等物 | 332.6億円 | 353.1億円 |