企業解説
1. 企業概要
丸文株式会社は、180年以上の歴史を持つエレクトロニクス専門商社です。ビジネスモデルは、国内外の有力な半導体・電子部品メーカー(仕入先)から製品を調達し、民生・産業機器メーカーなどの顧客へ販売するディストリビューション事業を主軸としています。事業は大きく3つに分かれます。主力は半導体を扱う「デバイス事業」、防衛・宇宙や医用機器等の高付加価値システムを扱う「システム事業」、そしてAIやロボット等の先端ソリューションを開発・提供する「アントレプレナ事業」です。単なる卸売に留まらず、子会社による保守・技術サービスを付加することで「技術商社」としての付加価値を追求しています。
2. 要点(3行)
- 180年の歴史を持つ老舗商社であり、世界最大級の米Arrow社との合弁を通じたグローバルな調達網と、防衛・宇宙・医療等の専門性の高いニッチ領域での技術サポート力が構造的な強みである。
- インフィニオン社(仕入額の16.0%)や任天堂(売上高の15.7%)といった特定企業への依存度が極めて高く、これらパートナーの動向が経営成績に直結する脆弱な収益構造を併せ持つ。
- 2025年に就任した若手の堀越社長のもと、揮発性の高い半導体商流への依存を脱却し、人的資本への投資と新規事業の収益化によって「持続的な価値創造モデル」への転換を急いでいる。
3. 経営者の質
2025年4月に代表取締役社長に就任した堀越裕史氏は、2009年に入社後、デバイス事業の現場や海外合弁会社(Marubun/Arrow Asia)のCEOを歴任しており、同社の屋台骨である半導体ビジネスとグローバル経営の両面を熟知しています。前任の飯野氏から若返り、40代でのトップ就任は、変化の激しい業界での迅速な意思決定を狙ったものと推察されます。
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成長性の軌跡
● 売上高(棒、左軸) ● 当期純利益(折れ線、左軸) ● 経常利益率(折れ線、右軸)
資本効率の解剖
ROE
デュポン分解(ROE = 純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ)
還元と評価
■ EPS 1株当たり純利益(棒・左軸) ■ DPS 1株当たり配当(棒・左軸) ● PBR 株価純資産倍率(折れ線・右軸) DPS÷EPS=配当性向
キャッシュフローの質
■ 営業CF(棒・正側) ■ 投資CF(棒・負側) ■ 財務CF(棒・負側に積み上げ) ● 当期純利益(折れ線)
財務諸表
経営指標
| 項目 | 2021年03月期 | 2022年03月期 | 2023年03月期 | 2024年03月期 | 2025年03月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 連結経営指標等 | |||||
| 売上高 | 2892.8億円 | 1677.9億円 | 2261.7億円 | 2364.9億円 | 2108.4億円 |
| 経常利益又は経常損失(△) | 0.3億円 | 41.1億円 | 79.1億円 | 56.3億円 | 63.4億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△) | -21.3億円 | 24.4億円 | 52.0億円 | 34.0億円 | 42.7億円 |
| 包括利益 | -19.2億円 | 33.6億円 | 72.6億円 | 59.9億円 | 59.7億円 |
| 純資産額 | 450.4億円 | 475.7億円 | 530.8億円 | 564.3億円 | 605.0億円 |
| 総資産額 | 1270.1億円 | 1481.8億円 | 1760.0億円 | 1741.2億円 | 1447.7億円 |
| 1株当たり純資産額 | 1,531.1円/株 | 1,634.26円/株 | 1,826.99円/株 | 1,938.07円/株 | 2,083.52円/株 |
| 1株当たり当期純利益又は当期純損失(△) | -81.64円/株 | 93.26円/株 | 199.04円/株 | 130.07円/株 | 163.3円/株 |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | — | — | — | — | — |
| 自己資本比率 | 31.5% | 28.8% | 27.1% | 29.1% | 37.7% |
| 自己資本利益率 | -5.2% | 5.9% | 11.5% | 6.9% | 8.1% |
| 株価収益率 | — | 766.0% | 686.0% | 1189.0% | 606.0% |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 152.1億円 | -29.5億円 | -189.8億円 | 226.9億円 | 186.2億円 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | -7.9億円 | 1.4億円 | -3.3億円 | -14.2億円 | -21.5億円 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | -81.9億円 | 3.9億円 | 140.7億円 | -200.5億円 | -164.1億円 |
| 現金及び現金同等物の残高 | 262.7億円 | 246.9億円 | 206.6億円 | 230.3億円 | 235.3億円 |
| 従業員数 | 114500.0% | 111900.0% | 111700.0% | 116700.0% | 117900.0% |
| 平均臨時雇用人員 | 2200.0% | 2100.0% | 2900.0% | 2900.0% | 2700.0% |
貸借対照表
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 貸借対照表 | ||
| 資産の部 | ||
| ▶ 流動資産 | 1626.2億円 | 1302.0億円 |
| ▶ 固定資産 | 115.0億円 | 145.7億円 |
| 資産 | 1741.2億円 | 1447.7億円 |
| 負債の部 | ||
| ▶ 流動負債 | 1166.7億円 | 792.2億円 |
| ▶ 固定負債 | 10.2億円 | 50.4億円 |
| 負債 | 1176.9億円 | 842.7億円 |
| 純資産の部 | ||
| ▶ 株主資本 | 465.3億円 | 494.6億円 |
| ▶ 評価・換算差額等 | 41.6億円 | 50.6億円 |
| 非支配株主持分 | 57.4億円 | 59.8億円 |
| 純資産 | 564.3億円 | 605.0億円 |
| 負債純資産 | 1741.2億円 | 1447.7億円 |
損益計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 損益計算書 | ||
| 売上高 | 2364.9億円 | 2108.4億円 |
| 売上原価 | 2068.8億円 | 1848.1億円 |
| 売上総利益又は売上総損失(△) | 296.1億円 | 260.3億円 |
| 販売費及び一般管理費 | 166.2億円 | 170.7億円 |
| 営業利益又は営業損失(△) | 129.8億円 | 89.6億円 |
| ▶ 営業外収益 | 5.5億円 | 11.9億円 |
| ▶ 営業外費用 | 79.1億円 | 38.1億円 |
| 経常利益又は経常損失(△) | 56.3億円 | 63.4億円 |
| ▶ 特別利益 | 0.0億円 | 2.5億円 |
| ▶ 特別損失 | 0.1億円 | 0.1億円 |
| 税引前当期純利益又は税引前当期純損失(△) | 56.2億円 | 65.8億円 |
| 法人税、住民税及び事業税 | 16.8億円 | 21.3億円 |
| 法人税等調整額 | 0.6億円 | 0.3億円 |
| 法人税等 | 17.4億円 | 21.7億円 |
| 当期純利益又は当期純損失(△) | 38.8億円 | 44.2億円 |
| 非支配株主に帰属する当期純利益又は非支配株主に帰属する当期純損失(△) | 4.8億円 | 1.4億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△) | 34.0億円 | 42.7億円 |
キャッシュフロー計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| キャッシュ・フロー計算書 | ||
| ▶ 営業活動によるキャッシュ・フロー | 226.9億円 | 186.2億円 |
| ▶ 投資活動によるキャッシュ・フロー | -14.2億円 | -21.5億円 |
| ▶ 財務活動によるキャッシュ・フロー | -200.5億円 | -164.1億円 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | 11.5億円 | 4.4億円 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | 23.7億円 | 5.1億円 |
| 現金及び現金同等物の残高 | 230.3億円 | 235.3億円 |
| 現金及び現金同等物の残高 | 230.3億円 | 235.3億円 |