企業解説
1. 企業概要
三菱鉛筆株式会社は、1887年創業の老舗筆記具メーカーです。「uni(ユニ)」ブランドで世界100カ国以上に展開しており、主力製品は「ジェットストリーム(油性ボールペン)」や「クルトガ(シャープペンシル)」、水性顔料マーカー「ポスカ」などです。2024年にドイツの高級筆記具ブランド「LAMY(ラミー)」を買収し、高価格帯市場への攻勢を強めています。競合環境としては、国内ではパイロットやゼブラ、海外ではBICやステッドラーなどと、デジタル化による筆記機会減少の中で、高付加価値化とグローバル展開で競っています。
2. 要点(3行)
- 売上高は898.14億円(前期比1.1%増)と微増ながら、営業利益は96.92億円(同20.5%減)と原材料高や製品構成の変化により大幅な減益。
- ドイツのLAMY社買収に伴う「のれん」等の無形資産が約114億円発生しており、減損リスクが監査上の主要な検討事項(KAM)となっている。
- 株主還元を大幅に強化し、配当性向を40%目標へ引き上げ、年間配当は52円(前期比6円増)と増配を実現。
3. 業績・収益性のトレンド
売上高は898.14億円(前期比1.1%増)を確保しましたが、利益面では営業利益96.92億円(同20.5%減)、経常利益100.28億円(同22.6%減)と苦戦しました。減益の主因は、原材料価格の上昇や外注加工費のコスト増、さらに高収益な「ポスカ」の欧州での流通在庫調整に伴う販売減による製品構成(ミックス)の悪化です。
- ROE(自己資本利益率): 4.7%(前期は9.3%から大幅低下)
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- 🔒 業績・収益性のトレンド
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プランをアップグレード業績チャート
成長性の軌跡
● 売上高(棒、左軸) ● 当期純利益(折れ線、左軸) ● 経常利益率(折れ線、右軸)
資本効率の解剖
ROE
デュポン分解(ROE = 純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ)
還元と評価
■ EPS 1株当たり純利益(棒・左軸) ■ DPS 1株当たり配当(棒・左軸) ● PBR 株価純資産倍率(折れ線・右軸) DPS÷EPS=配当性向
キャッシュフローの質
■ 営業CF(棒・正側) ■ 投資CF(棒・負側) ■ 財務CF(棒・負側に積み上げ) ● 当期純利益(折れ線)
財務諸表
経営指標
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 連結経営指標等 | |||||
| 売上高 | 618.9億円 | 690.0億円 | 748.0億円 | 888.2億円 | 898.1億円 |
| 経常利益又は経常損失(△) | 83.1億円 | 101.3億円 | 128.9億円 | 129.5億円 | 100.3億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△) | 56.6億円 | 69.5億円 | 101.7億円 | 112.7億円 | 62.4億円 |
| 包括利益 | 78.0億円 | 104.2億円 | 148.0億円 | 178.2億円 | 147.7億円 |
| 純資産額 | 976.7億円 | 1050.0億円 | 1168.6億円 | 1307.1億円 | 1404.3億円 |
| 総資産額 | 1237.9億円 | 1308.0億円 | 1460.1億円 | 1768.8億円 | 1830.0億円 |
| 1株当たり純資産額 | 1,715.15円/株 | 1,874.99円/株 | 2,110.06円/株 | 2,320.42円/株 | 2,560.99円/株 |
| 1株当たり当期純利益又は当期純損失(△) | 100.96円/株 | 125.73円/株 | 186.77円/株 | 204.8円/株 | 114.27円/株 |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | — | — | — | — | — |
| 自己資本比率 | 77.5% | 78.8% | 78.5% | 72.6% | 75.7% |
| 自己資本利益率 | 6.1% | 7.0% | 9.3% | 9.3% | 4.7% |
| 株価収益率 | 1200.0% | 1140.0% | 1120.0% | 1120.0% | 1910.0% |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 83.7億円 | 72.8億円 | 117.6億円 | 64.7億円 | 24.1億円 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | -39.4億円 | -16.4億円 | -0.7億円 | -279.1億円 | -79.2億円 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | -27.5億円 | -39.0億円 | -37.2億円 | 41.1億円 | -18.7億円 |
| 現金及び現金同等物の残高 | 445.0億円 | 471.0億円 | 558.6億円 | 395.9億円 | 328.1億円 |
| 従業員数 | 281600.0% | 270800.0% | 258700.0% | 280000.0% | 287100.0% |
| 平均臨時雇用人員 | 43300.0% | 40900.0% | 42300.0% | 45900.0% | 45200.0% |
貸借対照表
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 貸借対照表 | ||
| 資産の部 | ||
| ▶ 流動資産 | 952.0億円 | 917.9億円 |
| ▶ 固定資産 | 816.8億円 | 912.1億円 |
| 資産 | 1768.8億円 | 1830.0億円 |
| 負債の部 | ||
| ▶ 流動負債 | 244.0億円 | 147.0億円 |
| ▶ 固定負債 | 217.8億円 | 278.7億円 |
| 負債 | 461.7億円 | 425.7億円 |
| 純資産の部 | ||
| ▶ 株主資本 | 1079.1億円 | 1098.3億円 |
| ▶ 評価・換算差額等 | 204.5億円 | 287.0億円 |
| 非支配株主持分 | 23.5億円 | 19.1億円 |
| 純資産 | 1307.1億円 | 1404.3億円 |
| 負債純資産 | 1768.8億円 | 1830.0億円 |
損益計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 損益計算書 | ||
| 売上高 | 888.2億円 | 898.1億円 |
| 売上原価 | 419.8億円 | 452.9億円 |
| 売上総利益又は売上総損失(△) | 468.4億円 | 445.2億円 |
| 販売費及び一般管理費 | 346.5億円 | 348.3億円 |
| 営業利益又は営業損失(△) | 121.9億円 | 96.9億円 |
| ▶ 営業外収益 | 13.4億円 | 13.2億円 |
| ▶ 営業外費用 | 5.8億円 | 9.8億円 |
| 経常利益又は経常損失(△) | 129.5億円 | 100.3億円 |
| ▶ 特別利益 | 39.1億円 | 1.8億円 |
| ▶ 特別損失 | 2.2億円 | 4.7億円 |
| 税引前当期純利益又は税引前当期純損失(△) | 166.4億円 | 97.4億円 |
| 法人税、住民税及び事業税 | 49.5億円 | 30.2億円 |
| 法人税等調整額 | 1.3億円 | 2.5億円 |
| 法人税等 | 50.8億円 | 32.7億円 |
| 当期純利益又は当期純損失(△) | 115.6億円 | 64.8億円 |
| 非支配株主に帰属する当期純利益又は非支配株主に帰属する当期純損失(△) | 2.9億円 | 2.4億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△) | 112.7億円 | 62.4億円 |
キャッシュフロー計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| キャッシュ・フロー計算書 | ||
| ▶ 営業活動によるキャッシュ・フロー | 64.7億円 | 24.1億円 |
| ▶ 投資活動によるキャッシュ・フロー | -279.1億円 | -79.2億円 |
| ▶ 財務活動によるキャッシュ・フロー | 41.1億円 | -18.7億円 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | 10.7億円 | 6.0億円 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | -162.7億円 | -67.8億円 |
| 現金及び現金同等物の残高 | 395.9億円 | 328.1億円 |
| 現金及び現金同等物の残高 | 395.9億円 | 328.1億円 |