企業解説
1. 企業概要
マネックスグループ株式会社は、日本、米国、カナダを拠点にオンライン証券事業、暗号資産(クリプトアセット)事業、アセットマネジメント事業、投資事業を展開するグローバル金融グループです。
- 主要サービス:米国の「TradeStation」(アクティブトレーダー向け証券)、日本の「コインチェック」(暗号資産交換所)、および持分法適用会社となった「マネックス証券」。
- 競合環境:国内ではSBI証券や楽天証券、暗号資産ではビットフライヤー等、米国ではCharles SchwabやRobinhood等と競合。
- 主要顧客:個人投資家(特に米国はアクティブトレーダー)、暗号資産ユーザー、機関投資家。
2. 要点(3行)
- 巨額の一過性費用による最終赤字:Coincheck Groupの米国NASDAQ上場(De-SPAC)に伴う株式報酬費用137.1億円、専門家報酬45.3億円の計上により、親会社株主帰属当期純損失50.7億円(前期は312.9億円の黒字)となった。
- 米国事業とクリプトの好調な実力値:米国セグメントは過去最高の営業収益(519.0億円)と利益(87.0億円)を記録。クリプト事業も上場関連費用を除いた実力値では大幅な増益基調にある。
- 事業構造の抜本的転換:マネックス証券の持分法適用会社化(NTTドコモとの提携)や、カナダの3iQ、米国のWestfield(2025年4月)の買収により、証券手数料依存からアセットマネジメント・ウェルスマネジメント重視の収益体質へ舵を切っている。
3. 業績・収益性のトレンド
- 売上・利益:継続事業の営業収益は738.1億円(前年比12.3%増)と増収。しかし、前述のDe-SPAC関連費用(計182.5億円)が重くのしかかり、税引前損失46.3億円、当期純損失50.7億円となった。
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プランをアップグレード業績チャート
成長性の軌跡
● 売上高(棒、左軸) ● 当期純利益(折れ線、左軸) ● 経常利益率(折れ線、右軸)
資本効率の解剖
ROE
デュポン分解(ROE = 純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ)
還元と評価
■ EPS 1株当たり純利益(棒・左軸) ■ DPS 1株当たり配当(棒・左軸) ● PBR 株価純資産倍率(折れ線・右軸) DPS÷EPS=配当性向
キャッシュフローの質
■ 営業CF(棒・正側) ■ 投資CF(棒・負側) ■ 財務CF(棒・負側に積み上げ) ● 当期純利益(折れ線)
財務諸表
経営指標
| 項目 | 2021年03月期 | 2022年03月期 | 2023年03月期 | 2024年03月期 | 2025年03月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 連結経営指標等 | |||||
| 売上収益 | 779.0億円 | 887.8億円 | 558.4億円 | 657.3億円 | 738.1億円 |
| 税引前利益又は税引前損失(△) | 213.0億円 | 208.0億円 | 9.7億円 | 253.2億円 | -46.3億円 |
| 当期利益又は当期損失(△):親会社の所有者に帰属 | 143.5億円 | 130.2億円 | 33.9億円 | 312.9億円 | -50.7億円 |
| 当期包括利益:親会社の所有者に帰属 | 151.8億円 | 147.9億円 | 43.5億円 | 358.1億円 | -65.5億円 |
| 親会社の所有者に帰属する持分 | 895.7億円 | 1042.9億円 | 996.4億円 | 1317.1億円 | 1239.8億円 |
| 総資産額 | 14011.3億円 | 16077.6億円 | 15041.1億円 | 7616.4億円 | 7096.4億円 |
| 1株当たり親会社所有者帰属持分 | 347.67円/株 | 391.64円/株 | 388.67円/株 | 511.38円/株 | 490.65円/株 |
| 基本的1株当たり利益又は損失(△) | 55.82円/株 | 50円/株 | 12.85円/株 | 121.67円/株 | -19.79円/株 |
| 希薄化後1株当たり利益又は損失(△) | 49.55円/株 | — | — | — | -19.84円/株 |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 6.4% | 6.5% | 6.6% | 17.3% | 17.5% |
| 親会社所有者帰属持分利益率 | 17.3% | 13.4% | 3.3% | 27.1% | -4.0% |
| 株価収益率 | 1670.0% | 1310.0% | 3710.0% | 730.0% | — |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | -638.2億円 | 517.0億円 | -309.8億円 | 80.5億円 | 133.0億円 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | -71.6億円 | -60.3億円 | -218.7億円 | -863.5億円 | -321.8億円 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 954.8億円 | 137.6億円 | -341.6億円 | -51.1億円 | -251.9億円 |
| 現金及び現金同等物 | 1866.8億円 | 2534.6億円 | 1751.6億円 | 979.4億円 | 534.7億円 |
| 従業員数 | 112900.0% | 147500.0% | 149100.0% | 105200.0% | 107800.0% |
| 平均臨時雇用人員 | 20700.0% | 20100.0% | 17400.0% | 3100.0% | 5100.0% |
貸借対照表
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 財政状態計算書 | ||
| 資産 | 7616.4億円 | 7096.4億円 |
| 現金及び現金同等物 | 979.4億円 | 534.7億円 |
| 金銭の信託 | 4046.0億円 | 3767.9億円 |
| デリバティブ資産 | 4.4億円 | 14.1億円 |
| 棚卸資産 | 442.1億円 | 446.8億円 |
| 有価証券投資 | 140.7億円 | 166.5億円 |
| 有価証券担保貸付金 | 478.7億円 | 439.1億円 |
| その他の金融資産 | 655.3億円 | 803.3億円 |
| 有形固定資産 | 65.8億円 | 51.5億円 |
| 無形資産 | 302.4億円 | 352.4億円 |
| 持分法投資 | 473.1億円 | 491.1億円 |
| 繰延税金資産 | 3.9億円 | 4.5億円 |
| その他の資産 | 24.6億円 | 24.6億円 |
| 資産 | 7616.4億円 | 7096.4億円 |
| 負債及び資本 | 7616.4億円 | 7096.4億円 |
| ▶ 負債 | 6285.2億円 | 5833.9億円 |
| ▶ 資本 | 1331.2億円 | 1262.5億円 |
| 負債及び資本 | 7616.4億円 | 7096.4億円 |
損益計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 損益計算書 | ||
| 継続事業 | ||
| 収益 | ||
| ▶ 費用 | 585.3億円 | 842.0億円 |
| セグメント利益又は損失(△) | 253.2億円 | -46.3億円 |
| 法人所得税費用 | 80.8億円 | 33.9億円 |
| 継続事業からの当期利益(△損失) | 172.4億円 | -80.1億円 |
| 非継続事業 | ||
| 非継続事業からの当期利益(△損失) | 142.3億円 | 8.1億円 |
| 当期利益(△損失) | 314.8億円 | -72.0億円 |
| 当期利益(△損失)の帰属 | ||
| 親会社の所有者に帰属する1株当たり当期利益 | ||
キャッシュフロー計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| キャッシュ・フロー計算書 | ||
| ▶ 営業活動によるキャッシュ・フロー | 80.5億円 | 133.0億円 |
| ▶ 投資活動によるキャッシュ・フロー | -863.5億円 | -321.8億円 |
| ▶ 財務活動によるキャッシュ・フロー | -51.1億円 | -251.9億円 |
| 現金及び現金同等物の増減額 | -834.0億円 | -440.7億円 |
| キャッシュ・フロー計算書の「現金及び現金同等物」期末残高が財政状態計算書の「現金及び現金同等物」と異なる場合、本要素をキャッシュ・フロー計算書の「現金及び現金同等物」として用いる。 | 979.4億円 | 534.7億円 |
| 現金及び現金同等物の為替換算による影響 | 61.8億円 | -4.0億円 |
| キャッシュ・フロー計算書の「現金及び現金同等物」期末残高が財政状態計算書の「現金及び現金同等物」と異なる場合、本要素をキャッシュ・フロー計算書の「現金及び現金同等物」として用いる。 | 979.4億円 | 534.7億円 |