企業解説
1. 企業概要
富士急行株式会社は、富士山北麓地域を基盤に「運輸業」「不動産業」「レジャー・サービス業」を主力とする観光総合開発企業です。鉄道(富士山麓電気鉄道)やバス、富士急ハイランドを中核とするレジャー施設、富士山麓の別荘地開発などを一体運営しています。主要顧客は国内外の観光客であり、近年のインバウンド需要の増加が収益に直結する構造です。競合環境としては、箱根エリアを基盤とする小田急電鉄グループ等がありますが、富士山という唯一無二の観光資源を独占的に活用している点に強い優位性があります。
2. 要点(3行)
- インバウンド需要の回復で運輸業の営業利益が前年度比24.8%増と急成長し、連結営業収益は522.3億円(前年比3.0%増)の過去最高水準を達成。
- 山梨県との県有地貸付を巡る法的・手続的な対立により、別荘販売が一時停止に追い込まれ、不動産事業の営業利益が37.8%減と大きな足かせとなっている。
- 自己資本比率が35.3%へ向上し、1株当たり配当を29円へ増配(前期26円)するなど、業績好調を背景とした財務健全化と株主還元姿勢が鮮明。
3. 業績・収益性のトレンド
当連結会計年度の営業収益は522.3億円(前期比3.0%増)、営業利益は83.1億円(同2.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は51.1億円(同11.7%増)と増収増益を確保しました。
- 増益理由: インバウンド旅客の増加により、富士急行線の特急「富士回遊」の利用が好調。単価の高い観光客を取り込んだことで、運輸業の収益性が大幅に向上しました。
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プランをアップグレード業績チャート
成長性の軌跡
● 売上高(棒、左軸) ● 当期純利益(折れ線、左軸) ● 経常利益率(折れ線、右軸)
資本効率の解剖
ROE
デュポン分解(ROE = 純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ)
還元と評価
■ EPS 1株当たり純利益(棒・左軸) ■ DPS 1株当たり配当(棒・左軸) ● PBR 株価純資産倍率(折れ線・右軸) DPS÷EPS=配当性向
キャッシュフローの質
■ 営業CF(棒・正側) ■ 投資CF(棒・負側) ■ 財務CF(棒・負側に積み上げ) ● 当期純利益(折れ線)
財務諸表
経営指標
| 項目 | 2021年03月期 | 2022年03月期 | 2023年03月期 | 2024年03月期 | 2025年03月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 連結経営指標等 | |||||
| 営業収益 | 304.5億円 | 350.8億円 | 429.2億円 | 507.0億円 | 522.3億円 |
| 経常利益又は経常損失(△) | -34.2億円 | 4.9億円 | 40.1億円 | 79.4億円 | 81.3億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△) | -27.9億円 | 3.8億円 | 23.2億円 | 45.7億円 | 51.1億円 |
| 包括利益 | -21.7億円 | 2.2億円 | 27.3億円 | 63.7億円 | 58.3億円 |
| 純資産額 | 246.8億円 | 245.8億円 | 267.8億円 | 323.5億円 | 367.9億円 |
| 総資産額 | 1016.0億円 | 983.4億円 | 1007.5億円 | 1005.4億円 | 1011.0億円 |
| 1株当たり純資産額 | 448.89円/株 | 446.92円/株 | 487.38円/株 | 590.17円/株 | 672.12円/株 |
| 1株当たり当期純利益又は当期純損失(△) | -52.47円/株 | 7.09円/株 | 43.67円/株 | 86.1円/株 | 96.19円/株 |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | — | — | — | — | — |
| 自己資本比率 | 23.5% | 24.1% | 25.7% | 31.2% | 35.3% |
| 自己資本利益率 | — | 1.6% | 9.3% | 16.0% | 15.2% |
| 株価収益率 | — | 55160.0% | 10050.0% | 4590.0% | 2330.0% |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 28.9億円 | 64.0億円 | 89.7億円 | 130.0億円 | 108.4億円 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | -40.0億円 | -41.1億円 | -48.3億円 | -57.0億円 | -58.6億円 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 44.5億円 | -29.8億円 | -22.1億円 | -84.4億円 | -61.2億円 |
| 現金及び現金同等物の残高 | 177.3億円 | 170.4億円 | 189.9億円 | 178.4億円 | 167.0億円 |
| 従業員数 | 181700.0% | 169700.0% | 165700.0% | 172700.0% | 191900.0% |
| 平均臨時雇用人員 | 127500.0% | 104700.0% | 110300.0% | 117000.0% | 112100.0% |
貸借対照表
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 貸借対照表 | ||
| 資産の部 | ||
| ▶ 流動資産 | 340.4億円 | 330.8億円 |
| ▶ 固定資産 | 664.8億円 | 680.0億円 |
| ▶ 繰延資産 | 0.2億円 | 0.2億円 |
| 資産 | 1005.4億円 | 1011.0億円 |
| 負債の部 | ||
| ▶ 流動負債 | 197.6億円 | 227.3億円 |
| ▶ 固定負債 | 484.2億円 | 415.8億円 |
| 負債 | 681.9億円 | 643.2億円 |
| 純資産の部 | ||
| ▶ 株主資本 | 288.6億円 | 326.0億円 |
| ▶ 評価・換算差額等 | 24.7億円 | 30.9億円 |
| 非支配株主持分 | 10.2億円 | 11.0億円 |
| 純資産 | 323.5億円 | 367.9億円 |
| 負債純資産 | 1005.4億円 | 1011.0億円 |
損益計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 損益計算書 | ||
| 営業収益 | 507.0億円 | 522.3億円 |
| ▶ 営業費 | 425.5億円 | 439.2億円 |
| 営業利益又は営業損失(△) | 81.5億円 | 83.1億円 |
| ▶ 営業外収益 | 2.8億円 | 3.2億円 |
| ▶ 営業外費用 | 5.0億円 | 5.1億円 |
| 経常利益又は経常損失(△) | 79.4億円 | 81.3億円 |
| ▶ 特別利益 | 6.7億円 | 8.1億円 |
| ▶ 特別損失 | 20.1億円 | 13.4億円 |
| 税引前当期純利益又は税引前当期純損失(△) | 66.0億円 | 76.0億円 |
| 法人税、住民税及び事業税 | 18.9億円 | 21.7億円 |
| 法人税等調整額 | 0.2億円 | 2.1億円 |
| 法人税等 | 19.1億円 | 23.9億円 |
| 当期純利益又は当期純損失(△) | 46.9億円 | 52.1億円 |
| 非支配株主に帰属する当期純利益又は非支配株主に帰属する当期純損失(△) | 1.1億円 | 1.1億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△) | 45.7億円 | 51.1億円 |
キャッシュフロー計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| キャッシュ・フロー計算書 | ||
| ▶ 営業活動によるキャッシュ・フロー | 130.0億円 | 108.4億円 |
| ▶ 投資活動によるキャッシュ・フロー | -57.0億円 | -58.6億円 |
| ▶ 財務活動によるキャッシュ・フロー | -84.4億円 | -61.2億円 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | -11.5億円 | -11.4億円 |
| 現金及び現金同等物の残高 | 178.4億円 | 167.0億円 |
| 現金及び現金同等物の残高 | 178.4億円 | 167.0億円 |