企業解説
1. 企業概要
山九株式会社は、港湾運送・陸上運送・倉庫などの「物流事業」と、プラントの設計・据付・メンテナンスを行う「機工事業」を両輪とする総合物流企業です。同社の最大の特徴は、物流と機工を組み合わせた独自のビジネスモデルにあり、原材料の調達から製品出荷、工場の建設・保全までを一貫して請け負うことができます。主要顧客は日本製鉄株式会社(連結売上高の14.3%を占める)であり、鉄鋼、化学、電力などの重厚長大産業に強固な顧客基盤を持っています。競合他社には、物流部門では日本通運、機工部門では日揮ホールディングスや千代田化工建設などが挙げられますが、両機能を高いレベルで併せ持つ点に優位性があります。
2. 要点(3行)
- 機工事業が米国EV工場建設や国内大型定期修理(SDM)の増加により牽引し、売上高は前期比7.7%増の6,067億円、親会社株主に帰属する当期純利益は26.1%増の307億円と過去最高水準。
- 中期経営計画2026を上方修正し、4年間の総還元性向を70%から100%水準へ、自己株取得枠を400億円から700億円に引き上げるなど、極めて積極的な株主還元姿勢を表明。
- ROEは10.7%(前期8.8%)へ改善し、営業キャッシュ・フロー(435億円)が純利益(311億円)を上回る質の高い収益構造を維持。
3. 業績・収益性のトレンド
売上高は6,067億円(前期比7.7%増)、営業利益は439億円(同24.8%増)と大幅な増益を達成しました。増益の主因は、機工事業における単価改定の進展と、米国でのEV関連工事および国内の大型定期修理(SDM)の好調です。
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- 🔒 業績・収益性のトレンド
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プランをアップグレード業績チャート
成長性の軌跡
● 売上高(棒、左軸) ● 当期純利益(折れ線、左軸) ● 経常利益率(折れ線、右軸)
資本効率の解剖
ROE
デュポン分解(ROE = 純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ)
還元と評価
■ EPS 1株当たり純利益(棒・左軸) ■ DPS 1株当たり配当(棒・左軸) ● PBR 株価純資産倍率(折れ線・右軸) DPS÷EPS=配当性向
キャッシュフローの質
■ 営業CF(棒・正側) ■ 投資CF(棒・負側) ■ 財務CF(棒・負側に積み上げ) ● 当期純利益(折れ線)
財務諸表
経営指標
| 項目 | 2021年03月期 | 2022年03月期 | 2023年03月期 | 2024年03月期 | 2025年03月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 連結経営指標等 | |||||
| 売上高 | 5338.7億円 | 5538.3億円 | 5792.3億円 | 5635.5億円 | 6067.9億円 |
| 経常利益又は経常損失(△) | 350.0億円 | 354.3億円 | 396.3億円 | 366.3億円 | 446.8億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△) | 235.4億円 | 226.4億円 | 249.6億円 | 243.8億円 | 307.5億円 |
| 包括利益 | 295.4億円 | 284.9億円 | 308.3億円 | 376.7億円 | 372.3億円 |
| 純資産額 | 2370.3億円 | 2487.3億円 | 2725.3億円 | 2854.3億円 | 2970.6億円 |
| 総資産額 | 4568.3億円 | 4624.7億円 | 4816.6億円 | 5050.4億円 | 5451.9億円 |
| 1株当たり純資産額 | 3,882.98円/株 | 4,204.6円/株 | 4,603.55円/株 | 5,083.35円/株 | 5,580.58円/株 |
| 1株当たり当期純利益又は当期純損失(△) | 389.09円/株 | 382.5円/株 | 426.68円/株 | 428.6円/株 | 570.99円/株 |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | — | — | — | — | — |
| 自己資本比率 | 51.4% | 53.2% | 55.9% | 55.8% | 53.8% |
| 自己資本利益率 | 10.5% | 9.4% | 9.7% | 8.8% | 10.7% |
| 株価収益率 | 1249.0% | 1043.0% | 1150.0% | 1218.0% | 1074.0% |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 250.4億円 | 436.9億円 | 332.8億円 | 217.3億円 | 435.3億円 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | -153.0億円 | -149.4億円 | -165.3億円 | -184.3億円 | -264.7億円 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | -71.1億円 | -244.9億円 | -111.1億円 | -91.4億円 | -253.1億円 |
| 現金及び現金同等物の残高 | 362.5億円 | 424.8億円 | 508.0億円 | 468.5億円 | 413.8億円 |
| 従業員数 | 3112100.0% | 3105400.0% | 3114100.0% | 3067200.0% | 2961400.0% |
貸借対照表
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 貸借対照表 | ||
| 資産の部 | ||
| ▶ 流動資産 | 2617.7億円 | 2802.6億円 |
| ▶ 固定資産 | 2432.8億円 | 2649.3億円 |
| 資産 | 5050.4億円 | 5451.9億円 |
| 負債の部 | ||
| ▶ 流動負債 | 1073.4億円 | 1390.7億円 |
| ▶ 固定負債 | 1122.7億円 | 1090.5億円 |
| 負債 | 2196.1億円 | 2481.3億円 |
| 純資産の部 | ||
| ▶ 株主資本 | 2530.0億円 | 2583.3億円 |
| ▶ 評価・換算差額等 | 290.5億円 | 348.8億円 |
| 非支配株主持分 | 33.9億円 | 38.5億円 |
| 純資産 | 2854.3億円 | 2970.6億円 |
| 負債純資産 | 5050.4億円 | 5451.9億円 |
損益計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 損益計算書 | ||
| 売上高 | 5635.5億円 | 6067.9億円 |
| 売上原価 | 5015.5億円 | 5331.4億円 |
| 売上総利益又は売上総損失(△) | 619.9億円 | 736.5億円 |
| 販売費及び一般管理費 | 267.8億円 | 297.1億円 |
| 営業利益又は営業損失(△) | 352.2億円 | 439.4億円 |
| ▶ 営業外収益 | 33.4億円 | 36.2億円 |
| ▶ 営業外費用 | 19.2億円 | 28.9億円 |
| 経常利益又は経常損失(△) | 366.3億円 | 446.8億円 |
| ▶ 特別利益 | — | 9.5億円 |
| ▶ 特別損失 | 4.0億円 | 6.3億円 |
| 税引前当期純利益又は税引前当期純損失(△) | 362.3億円 | 450.0億円 |
| 法人税、住民税及び事業税 | 108.0億円 | 149.0億円 |
| 法人税等調整額 | 7.8億円 | -10.5億円 |
| 法人税等 | 115.7億円 | 138.4億円 |
| 当期純利益又は当期純損失(△) | 246.5億円 | 311.5億円 |
| 非支配株主に帰属する当期純利益又は非支配株主に帰属する当期純損失(△) | 2.7億円 | 4.1億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△) | 243.8億円 | 307.5億円 |
キャッシュフロー計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| キャッシュ・フロー計算書 | ||
| ▶ 営業活動によるキャッシュ・フロー | 217.3億円 | 435.3億円 |
| ▶ 投資活動によるキャッシュ・フロー | -184.3億円 | -264.7億円 |
| ▶ 財務活動によるキャッシュ・フロー | -91.4億円 | -253.1億円 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | 18.9億円 | 27.9億円 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | -39.5億円 | -54.6億円 |
| 現金及び現金同等物の残高 | 468.5億円 | 413.8億円 |
| 現金及び現金同等物の残高 | 468.5億円 | 413.8億円 |