企業解説
1. 企業概要
川崎汽船株式会社(K-LINE)は、日本三船の一角を占める総合海運企業です。事業は「ドライバルク(鉄鋼原料・石炭等)」、「エネルギー資源(LNG輸送・油槽船等)」、「製品物流(自動車船・物流・内航・コンテナ船)」の3セグメントで構成されています。コンテナ船事業については、事業統合した持分法適用関連会社「OCEAN NETWORK EXPRESS (ONE)」を通じて展開しています。主要顧客は国内外の製鉄会社、電力会社、自動車メーカー等です。競合環境としては、国内では日本郵船、商船三井、海外ではMaerskやMSCなどのメガキャリアと激しい市況競争を行っています。
2. 要点(3行)
- 利益の爆発的成長: ONE社の好調とドライバルク市況の改善により、経常利益は前期比132%増の3,080億円、純利益は199%増の3,053億円と大幅増益。
- 強固な財務と積極還元: 自己資本比率74.59%という海運業として異例の高水準を維持しつつ、年間約1,661億円の巨額な自己株式取得を実施。
- ONE依存と地政学リスク: 利益の約2/3を持分法投資利益(2,020億円)に依存しており、紅海情勢等の地政学リスクが市況を押し上げる不透明な収益構造。
3. 業績・収益性のトレンド
当連結会計年度の売上高は1兆479億円(前期比9.4%増)、営業利益は1,028億円(同22.2%増)と着実な伸びを見せました。特筆すべきは営業外収益で、コンテナ船事業(ONE)の好調により持分法による投資利益を2,020億円計上し、経常利益は3,080億円に達しました。
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- 🔒 業績・収益性のトレンド
- 🔒 事業セグメント別の明暗
- 🔒 成長戦略の具体性と進捗
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プランをアップグレード業績チャート
成長性の軌跡
● 売上高(棒、左軸) ● 当期純利益(折れ線、左軸) ● 経常利益率(折れ線、右軸)
資本効率の解剖
ROE
デュポン分解(ROE = 純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ)
還元と評価
■ EPS 1株当たり純利益(棒・左軸) ■ DPS 1株当たり配当(棒・左軸) ● PBR 株価純資産倍率(折れ線・右軸) DPS÷EPS=配当性向
キャッシュフローの質
■ 営業CF(棒・正側) ■ 投資CF(棒・負側) ■ 財務CF(棒・負側に積み上げ) ● 当期純利益(折れ線)
財務諸表
経営指標
| 項目 | 2021年03月期 | 2022年03月期 | 2023年03月期 | 2024年03月期 | 2025年03月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 連結経営指標等 | |||||
| 売上高 | 6254.9億円 | 7569.8億円 | 9426.1億円 | 9579.4億円 | 10479.4億円 |
| 経常利益又は経常損失(△) | 895.0億円 | 6575.0億円 | 6908.4億円 | 1327.3億円 | 3080.9億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△) | 1087.0億円 | 6424.2億円 | 6949.0億円 | 1019.9億円 | 3053.8億円 |
| 包括利益 | 1199.6億円 | 6672.6億円 | 7940.4億円 | 2549.7億円 | 2918.1億円 |
| 純資産額 | 3161.6億円 | 9848.8億円 | 15466.8億円 | 16246.0億円 | 16774.5億円 |
| 総資産額 | 9746.1億円 | 15749.6億円 | 20526.2億円 | 21094.3億円 | 22100.5億円 |
| 1株当たり純資産額 | 259.92円/株 | 1,053.82円/株 | 2,042.8円/株 | 2,251.81円/株 | 2,609.68円/株 |
| 1株当たり当期純利益又は当期純損失(△) | 129.48円/株 | 765.28円/株 | 857.01円/株 | 141.37円/株 | 460.11円/株 |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | — | — | — | — | — |
| 自己資本比率 | 22.4% | 56.2% | 73.8% | 75.5% | 74.6% |
| 自己資本利益率 | 68.1% | 116.5% | 57.9% | 6.6% | 18.9% |
| 株価収益率 | 218.0% | 116.0% | 118.0% | 1431.0% | 440.0% |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 334.0億円 | 2264.6億円 | 4560.5億円 | 2024.5億円 | 2731.7億円 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | 169.9億円 | -58.5億円 | -467.4億円 | -663.3億円 | -1261.3億円 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | -348.4億円 | -1160.0億円 | -3007.9億円 | -2231.8億円 | -2116.5億円 |
| 現金及び現金同等物の残高 | 1300.0億円 | 2443.2億円 | 3468.3億円 | 2694.7億円 | 2015.6億円 |
| 従業員数 | 608000.0% | 515800.0% | 491800.0% | 501200.0% | 517600.0% |
| 平均臨時雇用人員 | 51900.0% | 51500.0% | 48800.0% | 45200.0% | 47700.0% |
貸借対照表
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 貸借対照表 | ||
| 資産の部 | ||
| ▶ 流動資産 | 4882.8億円 | 4033.8億円 |
| ▶ 固定資産 | 16211.5億円 | 18066.7億円 |
| 資産 | 21094.3億円 | 22100.5億円 |
| 負債の部 | ||
| ▶ 流動負債 | 2099.1億円 | 2054.6億円 |
| ▶ 固定負債 | 2749.2億円 | 3271.4億円 |
| 負債 | 4848.3億円 | 5326.0億円 |
| 純資産の部 | ||
| ▶ 株主資本 | 12756.4億円 | 13484.7億円 |
| ▶ 評価・換算差額等 | 3162.9億円 | 2999.7億円 |
| 非支配株主持分 | 326.7億円 | 290.1億円 |
| 純資産 | 16246.0億円 | 16774.5億円 |
| 負債純資産 | 21094.3億円 | 22100.5億円 |
損益計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 損益計算書 | ||
| 売上高 | ||
| 売上原価 | ||
| 売上総利益又は売上総損失(△) | 1596.0億円 | 1822.5億円 |
| 販売費及び一般管理費 | 754.5億円 | 794.0億円 |
| 営業利益又は営業損失(△) | 841.5億円 | 1028.5億円 |
| ▶ 営業外収益 | 632.9億円 | 2143.0億円 |
| ▶ 営業外費用 | 147.1億円 | 90.7億円 |
| 経常利益又は経常損失(△) | 1327.3億円 | 3080.9億円 |
| ▶ 特別利益 | 37.0億円 | 123.9億円 |
| ▶ 特別損失 | 55.4億円 | 5.1億円 |
| 税引前当期純利益又は税引前当期純損失(△) | 1308.9億円 | 3199.7億円 |
| 法人税、住民税及び事業税 | 155.9億円 | 112.1億円 |
| 法人税等調整額 | 111.8億円 | 11.7億円 |
| 法人税等 | 267.7億円 | 123.8億円 |
| 当期純利益又は当期純損失(△) | 1041.2億円 | 3076.0億円 |
| 非支配株主に帰属する当期純利益又は非支配株主に帰属する当期純損失(△) | 21.3億円 | 22.1億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△) | 1019.9億円 | 3053.8億円 |
キャッシュフロー計算書
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| キャッシュ・フロー計算書 | ||
| ▶ 営業活動によるキャッシュ・フロー | 2024.5億円 | 2731.7億円 |
| ▶ 投資活動によるキャッシュ・フロー | -663.3億円 | -1261.3億円 |
| ▶ 財務活動によるキャッシュ・フロー | -2231.8億円 | -2116.5億円 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | 97.1億円 | -53.3億円 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | -773.6億円 | -699.4億円 |
| 現金及び現金同等物の残高 | 2694.7億円 | 2015.6億円 |
| 新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額 | 0.0億円 | 20.2億円 |
| 現金及び現金同等物の残高 | 2694.7億円 | 2015.6億円 |