ダブル・スコープ(以下、同社)は、リチウムイオン二次電池の主要材料である「セパレータ(ポリオレフィン微多孔膜)」の開発・製造・販売を主軸とするテック企業です。製造拠点を韓国、営業・研究開発を日本および香港で行うグローバルな分業体制を敷いています。ビジネスモデルは、高度な高分子設計と成膜技術を付加価値の源泉とし、大手電池メーカー(Samsung SDI等)へ直接販売するB2B形態です。近年はメンブレン技術を応用し、リチウム精製や水処理に用いられる「イオン交換膜」を新規事業として立ち上げ、収益源の多角化を図っています。
最新の有価証券報告書サマリー
出典:有価証券報告書(2026-01 期末、2026-04-17 提出)収益性
営業利益率
-135.5%
≧10%が優良
ROA
-8.8%
≧5%が優良
ROE
-27.5%
≧10%が優良
ROIC
-7.0%
≧7%が優良
成長性
売上高成長率
-88.3%
≧10%が優良
営業利益成長率
—
≧10%が優良
EPS成長率
—
≧10%が優良
3行解説
- 創業社長による技術主導の経営だが、特定顧客への高い依存度とEV市場の減速により、現在「継続企業の前提に関する重要な疑義」が生じる極めて厳しい経営局面にあります。
- 競争力の源泉は薄膜化・高耐熱化を実現するメンブレン技術にあり、EV向けから需要が急拡大する蓄電システム(ESS)向け、およびリチウム精製用イオン交換膜へのポートフォリオ転換を急いでいます。
- 連結子会社だったWCP社の持分法適用関連会社化に伴い売上高が激減しており、今後の再成長はWCP社の業績回復と新規のイオン交換膜事業の垂直立ち上げにかかっています。
最新の決算短信サマリー
出典:決算短信( 2026-01 通期 、2026-03-19 15:30 提出)進捗
1Q
営業利益
実績: -14.9億円 / 予想: -43.0億円
—
売上高
実績: 7.6億円 / 予想: 54.0億円
-94.8%
2Q
営業利益
実績: -28.7億円 / 予想: -43.0億円
—
売上高
実績: 14.5億円 / 予想: 54.0億円
-95.0%
3Q
営業利益
実績: -43.3億円 / 予想: -43.0億円
—
売上高
実績: 26.9億円 / 予想: 40.0億円
-91.2%
通期
営業利益
実績: -49.2億円 / 予想: 未開示
-388.0%
売上高
実績: 36.3億円 / 予想: 未開示
-88.3%
3行解説
- 子会社WCPの連結除外(持分法適用会社化)と欧州EV需要低迷が重なり、売上高が前期比88.3%減の36.3億円、親会社株主に帰属する当期純損失は124.6億円へと壊滅的に拡大。
- 財務面では現預金が2.7億円まで減少する中で「継続企業の前提に関する重要事象」を注記。流通株式時価総額がプライム市場の維持基準(100億円)を下回り、改善経過措置期間入りを表明。
- 主力のセパレータ事業が大幅赤字の一方、新設のイオン交換膜事業は売上14.1億円、セグメント利益5億円と黒字化しており、唯一の成長の足がかりとなっている。
決算短信と発表後の株価反応
株価反応はTOPIX超過リターン(市場全体の動きを除いた個別の反応)
| 提出日 | 決算短信 | 営業利益 前年同期比 | 当日 | 1週間 | 1ヶ月 | 2ヶ月 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2026-03-19 | 2026年1月期 通期 | -388.0% | -2.6% | +7.0% | +12.9% | — |
| 2025-12-11 | 2026年1月期 第3四半期 | — | -2.3% | -18.5% | -15.4% | -21.9% |
| 2025-09-11 | 2026年1月期 第2四半期 | — | -4.9% | -1.4% | -15.9% | -17.4% |
| 2025-06-12 | 2026年1月期 第1四半期 | — | +3.0% | -20.1% | -21.6% | -21.0% |
| 2025-03-13 | 2025年1月期 通期 | — | -1.2% | -18.6% | -10.5% | -4.7% |
有価証券報告書
2026-04-17 有価証券報告書-第21期(2025/02/01-2026/01/31)
2025-04-23 有価証券報告書-第20期(2024/02/01-2025/01/31)